Mrs.ベリーのVeryな一日

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母性

2016年08月18日 10時20分50秒 | ベリーの感想文(本・映画)
母性 (新潮文庫)
湊 かなえ
新潮社

湊かなえ 著 :母性
を、読みました。



『愛能う限り大切に育ててきた娘が、こんな事になるなんて!』
娘の自殺未遂に直面した母親は、こう警察の取り調べに答える。
どこか芝居じみた反応に、事件の可能性を匂わせながら始まるストーリー。
母親の独白は、自らの幼少時代まで遡る。
いつも愛情に満たされていた、子ども時代。両親の、ことさら母への思慕は
読むものを困惑させてしまう程の強力な想いだった。
母を喜ばせたい。母に認めて欲しい。母の様な女性になりたい。
思春期に母を疎ましく思うことなど無く
ひたすら強く母を思い続けた女性は、母の認める男と恋愛をして
結婚、出産をする。
母の様に、あたたかい家庭を築き、授かった娘は
母から認めてもらえる様な子どもに育てたかった。
しかし、突然降りかかった悲劇が母を奪い、予想外の人生に導いて行く。





この物語に登場する3人の母親。
1人は主人公の母。
1人は主人公。
1人は主人公の義母。
三者三様、彼女達の愛は形が違っている。
ある者は、ひどく歪んで醜くかったり
またある者は、聖母の様に見えて、実はコントロールしていたり
または、その愛に一心に応えようともがいたり
そんな、登場人物達の、母親の捉え方や
愛情に対しての苦悩を見ていると、自分の中でもざわめきが起きる。
私の娘の部分と、母親の部分がざわざわする。
そして、本を読み終わりざわめきが静まって、はたと気がつく。
一人の女性が母になった以上、完璧な丸を目指すのは、あまりにも無意味なんだと。
そして、奇跡的に巡り合った娘にも、完璧な丸を求めてはいけないのだと。
唯々、自分と同じように歪な娘を、愛おしめばそれでいい。

娘が二十歳になったから、そんな当たり前の事が
ようやくわかったのかもしれない。








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