 | ままならないから私とあなた |
| 朝井 リョウ | |
| 文藝春秋 |
朝井リョウ 著 ： ままならないから私とあなた
を、読んだ。
短編『レンタル世界』と、表題作『ままならないから私とあなた』
の2作が、収められている。
表題作『ままならないから私とあなた』は
小学生の雪子と、雪子の大親友薫、そして雪子の初恋の相手渡辺くん3人の
成長を軸に、雪子の視点から語られる物語。
秒刻みで色々なことが、便利で合理的で簡単になる現代。
物語は2009年から始まり、今年2016年を追い越して2022年で終わる。
今、巷で盛り上がっている2020年の東京オリンピックも終わって2年が経過してる。
ちょっと先の未来の音楽産業が、とても超未来な感覚で書かれていて
本当に、そんな風になっちゃうんだろうか？？？って
想像すると、たのしくもあるし、味気ないとも思った。
何でも、合理主義が全てじゃない。
ここまで極端に描かれると、少しの不自由は
逆に、心を和ませる大切なエッセンスなのかも？と
思わせてくれる。