美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

『竜馬がゆく』司馬遼太郎

2009年01月06日 | 私の本棚
昨年末から年始にかけて、司馬遼太郎氏の『竜馬がゆく』を読みました。
やはり、絶対に若い時に読んでおきたい本です。

小説として楽しめるのはもちろんですが、幕末の日本に生きた若者達のひたむきな思いとその姿が鮮明に描かれています。

「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」(勝海舟)

坂本竜馬は土佐の郷士の次男坊に生まれ、東京の千葉道場で剣の修行をします。
やがて小さな土佐藩の中にとどまっていたのではダメだと判断し、土佐藩を脱藩します。

浪人の身で、日本国民という意識を持って、大動乱期の幕末に大政奉還、薩長連合という大事をなしていきます。
決してたやすい道ではなかったものの、竜馬とその同時代を生きた若者たちの姿があります。

竜馬は彼自身が構想した、大政奉還が上手く運んだ時の新政府の閣僚名簿に自分の名前は出しませんでした。
西郷隆盛に「尊兄の名が見あたらんが、どぎゃンしもしたかの」
とたずねられた時「おれは窮屈な役人がきらいでな・・・世界の海援隊でもやりましょうかな」
と応えるくだりがまさに坂本竜馬でした。

司馬遼太郎氏は最後のほうで
「この長い物語も、おわろうとしている。人は死ぬ。
竜馬も死ななければならない。その死の原因がなんであったかは、この小説の主題とはなんのかかわりもない。
筆者はこの小説を構想するにあたって、事をなす人間の条件というものを考えたかった。
それを坂本竜馬という、田舎うまれの、地位も学問もなく、ただ一片の志のみをもっていた若者に求めた。」
と語っています。

「時代は旋回している。若者はその歴史の扉をその手で押し、そして未来へ押しあけた。」
とこの長い小説は終わっていきます。

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
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竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)
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