美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

『坂の上の雲 1~8』 司馬遼太郎

2009年11月22日 | 私の本棚
『坂の上の雲』は、封建時代から抜けだそうと、欧米的近代国家を目指し、己の生き方と国家のあり方を重ね合わせて真摯に生きようとした若者の気概、そして、命を落としていった若者の切なさと憧憬がこもった作品です。

松山出身の秋山好古、真之兄弟と、正岡子規の3人を中心にこの小説は始まります。
秋山好古は学費が払えない状態の中で、師範学校、陸軍士官学校に学び、フランス留学をもはたし、日露戦争で活躍する日本騎兵隊を一からつくりあげていきます。
秋山真之は、松山中学から兄の好古を頼って上京し、大学予備門(のちの一高)に在籍します。 同じく正岡子規も上京し、二人は励ましあいながら生きます。しかし、子規は帝国大学文学部へ進学。真之は、海軍兵学校へと異なった道へ進んでいく事となります。

近代国家といいながらも、ムラ社会のような狭さの中で、己の生き方と国家のあり方を重ね合わせ、自らが国家の一分野を担う気概を強く持って、各々の専門分野に真剣に取り組んでいく明治の若者の姿がそこにあります。

病弱だった正岡子規の没後は、秋山兄弟が日露戦争に関わっていく様子が詳細に描かれていきます。
東郷平八郎、乃木希典などの将官や各戦闘で中心的な役割を果たした師団と日本海海戦についての記述は圧巻です・・・

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
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坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)
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坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)
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坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)
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坂の上の雲〈5〉 (文春文庫)
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坂の上の雲〈6〉 (文春文庫)
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坂の上の雲〈7〉 (文春文庫)
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坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)
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『竜馬がゆく』もぜひ!
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