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◇企業システム◇永和システムマネジメントがTISのSaaS対応SNSを導入

2009-07-08 10:09:16 | ユーザー

 【ユーザー】TISは、情報システム開発やパッケージ開発、教育・コンサルティングなどを幅広く手がける永和システムマネジメント(本社:福井県福井市、代表取締役社長:西村 輝雄)が社内SNS「SKIP」をインターネット経由で利用できる、月額料金固定のSaaS型サービス「SKIPaaS(SKIP as a Service)」を導入したことを発表。同サービスは、TISが独自開発した社内利用に特化したSNS製品 「SKIP」のSaaS版であり、拠点が異なり、業務上での接点も少ない情報システム開発に従事する永和システムマネジメントの社員約220名のために、情報共有と組織の活性化を目的として導入されたもの。永和システムマネジメントでは「SKIPaaS」の導入後、①「小集団活動」の活性化②拠点や部署を超えた社員間の交流が活性化など社内コミュニケーションの活性化が実現。 (TIS:09年6月26日発表)

 【コメント】永和システムマネジメントでは、社員同士の交流・繋がりを促進させるため、社内ブログのツールを利用するなどの施策を実施してきたが、導入後ある程度の期間が経つと書き込みや閲覧の件数が思ったほど伸びず、意図した社員間のコミュニケーションの活性化が上手く図れないなどの問題があった。そこで同社では、新たな組織活性化のシステムの導入を検討し、TISの社内ベンチャーカンパニー「SonicGarden(ソニックガーデン)」が提供するSNS製品「SKIP」のSaaS版サービス「SKIPaaS」を08年9月より導入した。導入後の社内SNSの運営と利用の活性化を重視して検討したため、余計なシステム運用・管理の手間がかからないSaaS型サービスという点を高く評価したもの。

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、人間と人間の関係変革ツールとして、現在企業システムの中においても大きな注目を集めつつある。これは社内ブログのみではカバーしきれない部分の機能をも提供することにより、社員間のコミュニケーション課題を解決するナレッジマネジメントツールとしての役割を担うことを可能としたためである。米国オペラソフトウエアのウイリアム・ラデューショル会長はSNSの位置づけを次のようにしている。つまり企業システムは①業務プロセスの変革②企業組織の構造変革③組織と組織の関係変革(サプライチェーン)④人間と人間の関係変革(SNS)という進展をたどり、そして⑤クラウドコンピューティングに至るというということである。

 SNS「SKIPaaS」は、SaaS対応が一つの特徴だ。SaaSにより①専用サーバーの手配が不要②面倒なインストール作業が不要③バックアップなどの面倒な運用が不要④インターネットがあればどこでも利用が可能―などのメリットが得られる。「SKIPaaS」の実際の運用はTISの社内ベンチャーカンパニーのSonicGardenが行っているが、同社ではアマゾンのクラウドサービス「Amazon EC2/S3」をインフラに利用して「SKIPaaS」のサービスを提供している。このため同社は「Amazon EC2/S3」の豊富なノウハウを有している。

 SonicGardenは「Amazon EC2/S3」を利用する上での注意点として次のような点を挙げている。①EC2の仮想サーバーは停止すると、ディスクの内容が消滅する②サーバーは、米国か欧州での稼働となり、ネットワークレスポンス遅延が発生する③日本では、料金の支払いはクレジットカードのみ。詳しくはhttp://www.skipaas.jp/まで。(ESN)