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―月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也―
                              芭蕉

鮭文化

2006-03-29 | Weblog
新潟市から北へ車で一時間半ほどの所に村上市はある。
3月1日から4月3日まで「町屋の人形さま巡り」が開かれている。江戸時代に遡ること先祖伝来の雛人形を昔ながらの町屋に飾り公開している。年代ものの雛人形さまもさることながら町屋の風情が懐かしい。どの町屋も天井の高い客間、土間の奥を行くと裏に出られる風な作りになっていて町屋文化の歴史を感じる。
お邪魔した喜っ川さんの客間は築120年、土蔵は江戸末期の築180年とか。土蔵の通りには鮭が吊るされている。こんなにたくさん吊るされた鮭を見るのは初めてだ。
よく見ると頭を下に尾が上に吊るされている。この吊るし方は全国では村上だけという。また村上の鮭はお腹を真一文字に切らないで二段に分けて切る(写真・鮭の腹部分二つの櫛です)。これには諸説がある。ヒントは村上は城下町であるという事。武士の切腹を連想して、真一文字に腹を切ることを嫌ったためとか、頭を下にするのは首吊りを嫌ったからだと言われてる。が、喜っ川さんの資料によれば頭を下にするのも、二段に切るのも、鮭のバランス(形)を崩さないよう「村上の先人は美観にこだわって鮭と接してきた」ことらしい。

駅前の食堂で『はらこ丼』を食べた。熱々ご飯の上に「醤油はらこ」をご飯が見えないくらいにかけて食べる豪快な丼で美味しい。村上では筋子(鮭の卵)を「はらこ」と呼び、いくらを「はららこ」と呼ぶ。また、鮭を魚の中の魚と尊称して「イヨボヤ」と呼んでいる。
江戸時代に米が取れないとき三面川に鮭がたくさん遡上して多くの領民を助けたという話もあり、いかに大切な魚といわれる所以だろう。

近年村上は昔ながらの町屋復古に力を入れている。人形さま巡り・屏風巡り・黒塀の通り復活などアイデアがいい。訪ねて良かった城下町だった。

訪れた喜っ川さんはNHKの「昼どき日本列島」「食の匠たち」に紹介され、最近では「どっちの料理しょう」にも紹介された老舗だ。

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1 コメント

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この写真は、、、 (say.f)
2006-04-01 11:27:22
撮影はもしかして?

どっちの料理ショーにも紹介されたなんて。有名店だったんだね
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