経済学研究科受験対策・入院準備まとめ(2016)

経済学研究科院試対策の情報を提供します。入院準備も含め、マイペース更新。

経済数学(続き)

2017-02-28 20:18:57 | 院試総合
ご無沙汰しています。それなりに進学が差し迫り、そこそこのペースで本を読んでいる次第です。
今回は、数学書について、再度その特徴をまとめておきます。受験のみならず、入院準備の際もチェックしていただけると嬉しいです。

経済数学のテキストといえど、種類は様々です。難易度はもちろん、カラーの違いも濃ゆいです。なので、各テキストの(特に)良い点について説明していきます。

①岡田章「経済学・経営学のための数学」
章立ては、微分、線形、最適化①、位相、凸解析、最適化②、積分です。ゲーム理論家の方の本ということで、位相についてのこだわりが垣間見えます。
特徴はやはり定義、定理、証明と理路整然に書いてあることです。これによって、全体の流れがつかみやすいです。MWGもこうしたスタンスなので、慣れるのにはちょうどいいかも。

②チャン、ウェインライト「現代経済学の数学基礎」
上巻(微分、線形)は院試対策にも有効です。特に下巻については、微分方程式、差分方程式について触れており、動学最適化についての充実度は高いです。初学者にもわかりやすいように考慮されています。

③中田真佐男「基礎から学ぶ動学マクロ経済学に必要な数学」
ラムゼーをメインの題材に、最大値原理、微分方程式、線形近似をカバー。通常の経済数学のテキストと実際の理論を結び付けてくれる点がいいです。コアでも使えそう。


あとは神谷・浦井ですが、読了していないので紹介は控えます。ただ、難易度及び説明手法、章立てで考えると①をより詳しくしたイメージです。

あくまで教科書を読み、レジュメを見た限りですが、ミクロのコアに目を向けたものであれば、①と神谷・浦井があればかなりいいと思います。マクロは②と③があればいいです。特に動学最適化については、岡田には載っていません(神谷・浦井は微分方程式と静学最適化まで)ので少なくともどちらか片方の内容をやることになります。京大や東大の数学を除けば、基本的には院試で必要なのは微積と線形です。そこまでの細かい知識は要求されませんので、①②のどちらかの該当箇所を読むだけでも十分です。経済数学、もしくは微分積分と線形の授業があったのであれば、その内容を復習するだけでも違います。