長いこと社会主義体制下にあったポーランドでは、ブランド品に対する好みは、日本人ほどうるさくありません。
それでも最近は、ブランド製品がだいぶ市民権を得てきました。街をゆく女性はヴィトンやシャネルを持っていますし、ちょっとした日常品レベルでも、スポーツ用品ならアディダスやナイキ、化粧品なら Nivea や Avon、紅茶ならリプトンと、有名会社の製品は、マーク製品(Produkt Markowy)といって、一般製品と区別して認識されています。
そんなポーランドですが、目下最強の"ブランド"ともいうべきものがあります。それは、EURO-エウロ です。EUROとはヨーロッパを意味する接頭語ですが、2004年5月のポーランドのEU加盟と前後して、エウロ電気、エウロ銀行、エウロバス、エウロタクシー、とにかくありとあらゆる分野で、エウロの接頭語がついた会社や商品が、巷にあふれるようになって来ました。
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例えば写真のEUROバー。バーとは、ハンバーガーやポテトなどの軽食を売っている店のことですが、EUROバーという名前なのだから、EU通貨のユーロ(EURO)で買い物ができるのかと思いきや(社会主義下のドルショップのように)、普通に、ポーランド通貨のズローチ(zł)でしか買えません。どうやら、単にオーナーが、EUROバーという名前にしたかっただけらしいです!
どういうことかというと、今ポーランドでは、EUROとつけば、なんかかっこいいんです。
長いこと社会主義・ソ連経済の支配下にあったポーランドでは、EU加盟以来、「我々は社会主義の悪夢を見ていたけれど、ついにヨーロッパに復帰したのだ!」との喜びが大きく、エウロ=いいものというイメージがあります。とにかく、エウロと名が付くだけで売れるものだから、その経済効果たるや、莫大なもので、猫も杓子も、ありとあらゆるものに EURO の名前がついています。もちろん、みな別個の会社、別個の製品です。
最強なのは、街で見かけるEUROキオスク!もちろん普通のキオスクです。ズローチ(zł)しか使えません。キオスクといえば、社会主義の申し子のような存在でしたが、今やそのキオスクまで、EURO の接頭辞で飾られる時代になりました。
遠目にはヴィトンのように見えますが...もしかしたらニセモノかもしれません^^ でもヴィトンが買えるくらいの裕福層が生まれているのは確かです。
あれって中国人やベトナム人が売ってると思うのですが、どうやって国内に持ち込むのでしょうか?
今年の夏ヴァカンスで出かけたフィレンツェやベネチアは、偽ブランド品の路上売りがすごかったです。(ポーランドではあそこまで大々的に売られてはいません。)
国内への持込はほぼフリーパスだと思います。ポーランドの空港では、ブランド品の真偽検査は全然してません。
ワルシャワのスタディオンでは普通に売られてます。