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霞む共通の敵 - PeopleSoftの苦境

2004-07-09 | ◆ビジネス
PeopleSoftの業績が悪化している。PeopleSoftがJ.D.Edwardsの買収を発表したのが、去年の6月2日である。その5日後にOracleがPeopleSoftへの敵対的買収を仕掛ける。その頃、英ファイナンシャルタイムス紙には両社の株主向けメッセージが全面広告として同じ日に登場したりしていた。それからはや1年、未だその敵対買収は決着を見ない。

PeopleSoftは、J.D.Edwards買収後は景況感の悪化にも関わらず業績を向上させていたように思うが、それもついに続かなくなった。今回の業績悪化の原因として、PeopleSoftはOracle対策を主たる理由としてあげている。

確かに訴訟など、敵対買収への対策に掛かるコストは馬鹿にならないであろう。しかし、当初はその敵対買収が統合されたPeopleSoftとJ.D.Edwardsの結束を生み、逆に強さの源泉として機能していたのではないかと推察する。しかし、その戦いが長期化することで、共通の敵であるOracleが日常的な厄介物に成り下がってしまったのではなかろうか。

危機に際して、共通の敵というのは結束力を生み出す源泉となりうる。それがぼやけてしまった今、J.D.Edwards買収の真価が正に問われていると言えるだろう。しかし、その弱体化しつつあるPeopleSoftを買収することで、Oracleは本当に買収の対価を得られるのだろうか?

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