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「理想的な淡水水槽」 9.2.3. 水道水に過剰に含まれる成分

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

9.2.3. 水道水に過剰に含まれる成分


前章で述べたように、天然熱帯河川の水と比較すると、残念ながら水道水には栄養素の欠落が見られるだけでなく、過度に存在する物質がある。それでも一部の水道水は、まだ水槽で使用することができる。飲料水に含まれる硝酸塩は、窒素が最も酸化した物質である。多くの地域で地下水の蓄積量が増加した結果、水道水中の硝酸塩含有量が多くなっている。水槽内の水草にとってこれはまったく有り難くない状況である上、水槽に入れられている魚によってさらなる硝酸塩の供給が行われているのだ。


このような栄養分の過剰供給は、栄養分が不足している場合とまったく同じように、水草の成長に有害である。過剰な栄養分は、水草が必要とする栄養素を吸収する際に混入し、結果として水草にひどい損傷を与えるような好ましくない化学的な変化が起こる可能性があるのだ。この化学的変化は、本書の「10.6.水草の病気」の章で述べる植物の病気として実際に見ることができる。

熱帯性の水草の多くは、窒素を生み出し続ける泉としての硝酸塩を好まないのである。水草は限界まで酸化された窒素を自らの成長に役立てる方法を学ぶことはないため、なおさら窒素源としての硝酸塩を嫌う。これは水草が彼らの原産地の河川において、比較的害の少ないアンモニアによって甘やかされてきたことが原因である。その証拠として、クリプトコリネ病の原因が過剰な硝酸塩であることが挙げられる。これについても10.6.章を参照して欲しい。

今まで述べてきたことを要約しよう。今日の我々の水道水は飲料水としては確かに受け入れられているが、水槽で育てられる植物に対しては残念ながら「不適格」であるということだ。この困難な状況の中で魚や水草が快適に、また健康に育つことができるような水を水槽のために準備しなければならないという課題が、我々アクアリアナーの前には常に立ちはだかっているのである。





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