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「理想的な淡水水槽」 1.4.2.自然の生活圏から水槽へ


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

1.4.2.自然の生活圏から水槽へ


このタイトルの意味を説明するために例を挙げよう。

熱帯の水の多くは特に塩分が少なく、軟水である。総硬度は1°dH以下を示し、伝導率が20μ~30μであることも珍しくない。この値は非常に変化しやすいため、このまま水槽の中で長く維持することはできない。この点を見ても自然の生活圏と水槽の組成上の差異がよくわかる。また、次のことも認識しておかなければならない。自然下での多くの淡水中の酸素濃度は非常に低く(例えば2~5mg/ℓ)、これはとても水槽に移植できる数値ではない。このような低い酸素濃度では、水槽内の多くの魚を死に至らしめてしまう。水槽を設置してから時間が経つにつれ、水槽(つまり水槽内のすべての生物)はより多くの酸素を必要とするようになる。これは魚だけでなく、魚や植物の栄養や排泄物を分解して水を浄化するバクテリアにとっても同様だ。

この例からもわかるように、水槽の中で自然の水を模倣するだけでは不十分であり、どうすれば新しい人工の生活圏を作ることができるかについての知識を習得しなければならない。

本書の初版発刊から15年以上が経過し、多くの成功に助けられながら我々は完璧な上昇カーブを描くことができた。本書が示した道標によって、今では魚や植物をより上手に飼育することができるようになっている。「理想的な水槽」を求める市場は今や非常に大きくなっており、観賞魚業界は魚や植物の大規模な生産施設を築く様になり、これによりアクアリアナーが大量に、またより多くの種類の生物をショップから手に入れることが可能となった。またこの傾向は、あらゆる形態の人工交配植物の発展という観点からも支持されている。

これらの発展により、実質的に自然保護が推進される。つまり究極的にはこれらが自然保護を達成するのである。アクアリアナーが「理想的な水槽」を作ることが、我々に自然保護という大きな成果をもたらすのである。


デンマークのAarhusにある水草ファーム。
まるでアヌビアス・ホテルだ。



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