デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
9. 水について
水槽の中の生物にとって水は、真の意味での生活環境である。水槽=aquariumという呼び方も水から派生している(1.1.1)。もし水槽の水を単なる元素の結合を表す化学式H2Oと考えているのならそれは誤りであり、いずれ水とは何かということを知ることになるだろう。
そして水槽の水にはまったく同じものは存在しない。我々は2つの水槽をまったく同じように設計し組み立てることがあるが、水の化学的構成要素はやはりそれぞれ異なる。これは無機物と同様に有機塩(イオン)やガスの傑出した溶媒効果によるものである。
このような水の性質が水槽を興味深いものとし、また一方で難しいものとしているのであるが、いかなる場合においても大切なことは、アクアリアナーが水の中、つまり水槽の水の中にどんな物質が含まれているのかを知っておくことである。我々も本書の内容の中でかなりのウェイトをこの章においている。自然下での生物の生存環境における水の役割を理解することから始めて、水道や家庭の井戸など我々の身近にある水を使用して素晴らしく手入れの行き届いた水槽を作ることができるように努力しよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/05/8e08bbdc9533a0591f0a43135cbe451c.jpg)
タイ南部、Cryptocryne cordata(クリプトコリネ・コルダータ)
が自生する美しい小川を透き通った水が流れていく。
これは乾季の写真で、雨季には水位が50~80cm上昇し、水の透明度は悪くなる。
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