「理想的な淡水水槽」 1.3.1. 理想的な水槽 - 理想あるいは現実

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

1.3.1. 理想的な水槽 - 理想あるいは現実


我々の意見はいわば水中飼育の基本法と言えるものだが、それを主張するにあたって若い人たちがこれらの見解をあからさまに拒絶したり、希望的観測だとみなしたとしても特に驚きはしない。おそらく本書の読者の多くは水槽管理において最善を尽くしているにもかかわらず、よく失望することがあると思う。それゆえ我々の見解について読者が懐疑的になるのも理解できる。実際のところ読者の反応は、「理想的な水槽のための処方箋を示す人がまた2人現れた」という程度のものだろう。
　
我々は、アクアリアナーとの多くの会話や投書などから、完全に機能する水槽を作りたいという願いがたびたび失敗やあきらめとなっていることを知っている。それゆえ今日においても水槽に関する矛盾した指示が世の中に数多く見受けられるということにもさして驚きはしない。 これらの矛盾をはらんだ議論は、同時にある程度の幸運をあてにしているのである。

「幸運」は確かに素晴らしいものだが、めったには起こらない。また不幸なことに、幸運というものは人の意思によって繰り返すことができないものである。我々は、アクアリアナーが幸運などに頼ることなく、そのかわりに何千という実証研究に基づく水槽に関する知識が有効に機能するようにしたいと思う。そして、それによってよい結果だけが得られると考えている。「理想的な水槽」がはたして希望的観測なのか、それとも事実なのかという疑問は、本書の見解に従い新しく水槽を作ってみたり、様々な事柄を実行した後にその結果から判断し、容易に答えることができるだろう。そうすることで、あるいは非常に懐疑的に思える見解であっても、その見解が希望的観測でもなんでもなく、動植物の生命を維持するために必要な事実であることに納得することができるだろう。



ブログ内検索キーワード
水中飼育　生命




←前のページ　　次のページ→


「理想的な淡水水槽」目次へ

Dupla&HOBBY exclusiv ブログトップへ