デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
10.5.1. 最初から水草を密に植える 後編
※10.5.1. 最初から水草を密に植える 前編より続く
しかし、水槽設置直後の危険な段階を乗り越えることさえできれば、水槽内の水草を成長スピードの遅いものと入れ替えたり、根付いた水草の隙間にあらたに別の種類の水草を植えたりすることもできるようになる。つまり設置から間もない水槽に、最初からクリプトコリネなどの育成の難しい水草を多く植えることは、まったくの間違いであると言えるのだ。
クリプトコリネの仲間は、水槽を新しく稼動させてから3ヶ月は、サンプル的にほんのわずかだけ植えるにとどめるべきである。その後二度目以降の植栽の際に、あらためて導入を検討すればいいのだから。
もちろんこの我々の提案は、水槽の設置を思い立って水槽を買う前に、綿密な準備を行うというということが前提となっている。これは水槽の設置を考えている多くの人が陥ってしまう、次のような法則が存在するからである。
その法則とは、水槽の設置に必要な多くの機材にはお金をつぎ込む人でも、後になって水草を買う時にはたいていお金を出し渋るようになる、というものである。水槽の設置にあたり、ルドヴィジアを3本、ヴァリスネリアを2本、ミリオフィラムを2本、そして1~2本のクリプトコリネやアポノゲトンといった買い方は、美しい水槽を作るためには何の役にも立たない。そして水草の購入をケチる人は、程なく自分の水槽に失望し、水槽を売ってしまったり、地下室にしまったままにするだけの挫折アクアリアナーのコースを歩むことになる。
「理想的な水槽」を作ろうと考えるなら、設置前の見積もり段階で、器具の購入と同様に水草の購入にも気前よくお金を割り当てるべきなのである。
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