神戸三宮 経営管理労務事務所
所長 社会保険労務士 小河美里 （登録番号第28080030号）
Presents
ヤマダ電機が取引上の優位を利用して、納入業者に従業員の派遣を強いているとして、公正取引委員会は30日、独禁法違反（優越的地位乱用）で、派遣強要の中止と再発防止を求める排除措置命令を出しました。
家電量販店に対し、優越的地位乱用で同命令が出されるのは初めてだそうです。
業界の一部では急成長と購買力の増大を背景に従業員派遣が慣行化していますので、公取委は「最大手のヤマダ電機が率先して改善することで、全体の商慣習が改善されることを期待している」とコメントしています。
公取委によると、ヤマダ電機は遅くとも2005年11月から、自社と子会社8社の店舗の新装、改装に際し、家電メーカーの販売子会社などに従業員を派遣させ、商品の搬入や陳列、自社商品以外の接客に当たらせているとのことです。
同月から公取委が立ち入り検査に入った昨年5月までに新装、改装は361回あり、約250社の延べ約16万6000人が派遣されました。
立ち入り検査以前、同社は日当を支払っていなかったのですが、立ち入り後は1日5000円を支払うようになったそうですが、公取委は不十分だと判断しました。
また、遅くとも05年11月から昨年11月まで、店頭に展示していたパソコンとデジタルカメラを処分品として販売する際、商品の設定を初期化するなどの作業のため、納入業者の従業員を派遣させていました。
大手企業、上場企業は、労務問題をコストをかけずに解決しようとするので、どうしても歪が出てきます。
今回の件で、一番まずいと感じることは、一度立ち入り検査があったのに、根本的な問題解決をしないでいたために、排除措置命令が出されたことです。
行政機関も昔は、かなり悪質でなければ、行政裁量で、いろいろなことを「大目」に見てきましたが、今は厳しくなっています。
何故厳しいのかということを経営者が理解しないので、昔のように許してもらえると思ってしまっているのです。
役人の性根をご存じないのです。
役人は、自分が安全なところにいれば、いくらでも利益、利権になびきますが、自分自身が危なくなれば、それを回避するために何でもするのです。
元々、法の適用を甘くしていたのですから、まともに適用したからといって、文句など言えません。
そのことを役人は十分認識しているので、自分が危なくなったらいつでも見せしめとして、吊るし上げてやろうと思っているのです。
労務問題を回避しようとしても、法の抜け穴はそんなにはありませんし、問題が指摘されれば、企業経営の根幹を揺るがすこともありますね。
-つづく-
-社会保険労務士は、サービス残業などの労務問題専門の法律家です-
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所長 社会保険労務士 小河美里 （登録番号第28080030号）
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ヤマダ電機が取引上の優位を利用して、納入業者に従業員の派遣を強いているとして、公正取引委員会は30日、独禁法違反（優越的地位乱用）で、派遣強要の中止と再発防止を求める排除措置命令を出しました。
家電量販店に対し、優越的地位乱用で同命令が出されるのは初めてだそうです。
業界の一部では急成長と購買力の増大を背景に従業員派遣が慣行化していますので、公取委は「最大手のヤマダ電機が率先して改善することで、全体の商慣習が改善されることを期待している」とコメントしています。
公取委によると、ヤマダ電機は遅くとも2005年11月から、自社と子会社8社の店舗の新装、改装に際し、家電メーカーの販売子会社などに従業員を派遣させ、商品の搬入や陳列、自社商品以外の接客に当たらせているとのことです。
同月から公取委が立ち入り検査に入った昨年5月までに新装、改装は361回あり、約250社の延べ約16万6000人が派遣されました。
立ち入り検査以前、同社は日当を支払っていなかったのですが、立ち入り後は1日5000円を支払うようになったそうですが、公取委は不十分だと判断しました。
また、遅くとも05年11月から昨年11月まで、店頭に展示していたパソコンとデジタルカメラを処分品として販売する際、商品の設定を初期化するなどの作業のため、納入業者の従業員を派遣させていました。
大手企業、上場企業は、労務問題をコストをかけずに解決しようとするので、どうしても歪が出てきます。
今回の件で、一番まずいと感じることは、一度立ち入り検査があったのに、根本的な問題解決をしないでいたために、排除措置命令が出されたことです。
行政機関も昔は、かなり悪質でなければ、行政裁量で、いろいろなことを「大目」に見てきましたが、今は厳しくなっています。
何故厳しいのかということを経営者が理解しないので、昔のように許してもらえると思ってしまっているのです。
役人の性根をご存じないのです。
役人は、自分が安全なところにいれば、いくらでも利益、利権になびきますが、自分自身が危なくなれば、それを回避するために何でもするのです。
元々、法の適用を甘くしていたのですから、まともに適用したからといって、文句など言えません。
そのことを役人は十分認識しているので、自分が危なくなったらいつでも見せしめとして、吊るし上げてやろうと思っているのです。
労務問題を回避しようとしても、法の抜け穴はそんなにはありませんし、問題が指摘されれば、企業経営の根幹を揺るがすこともありますね。
-つづく-
-社会保険労務士は、サービス残業などの労務問題専門の法律家です-
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