dessin letters

デザイン系デッサンクラスの課外授業的なブログ

クロッキーの線から着彩へ 肌の色と塗り

2018-02-11 03:19:16 | 日記
前略

以前のブログ記事に肌の色について少し書きましたが、意識して観ると実に多くのカラーバリエーションがありました。

新年特大号

実際、物の色は受ける光の色や明るさ、周囲の色や反射など様々な影響を受けて変化します。ですので実は固有色という言い方も厳密には相対的なものです。

肌の色も同じく状況で様々に見え方が変わります。

肌の色はビジュアル表現のモチーフとして繊細かつ変化に富むものとして追求されてきました。


作品の世界観のうちに人体の肌はどう表現されるのか?面白いテーマであります。




























「肌とその陰影を描く方法」もありますし、「世界観(作品の背景全体)に合わせた肌表現」や日本画的に「線描で陰影無しに塗る方法」(↑頼朝像)などいろいろな描き方があります。

クロッキー的な形がしっかり描けて入れば実は色の表現は自由です。どんな表現もアリです。


みなさんも次回のヌード着彩でその奥深さを体感します。


着彩のコツはとにかく気持ちを落ち着かせてゆっくりじーっくり感じながら描くといいです。

デッサンやクロッキーの形を捉える行為は割と能動的で攻撃的なアウトプットの傾向がありますが、色彩を描くこと塗ることはもっと受動的に感じながら色を作り、ゆっくり落ち着いて塗っていくとかなり上手くいきます。

形と違って、「色」はもっと心理的なもので眼と心でジワジワと感じるものだからです。






クロッキーの線から着彩へ 「構図は命」

2018-02-07 20:27:28 | 日記
前略



人体クロッキーをやってみて形を捉える力もスピードもかなり向上してきました。

次回授業は人物ヌード着彩デッサンとなりますがここでもう一度基本を確認しておいて下さい。


「構図」

画面の中に狙ったサイズ、狙った位置にしっかり収めて描ける技術が必要になってきます。

構図が苦手で避けてきた人も多いかもしれませんw

ですがもう大丈夫です。
クロッキー力がアップしているみなさんにとってもはや構図に収めることなど余裕なはずなのです。なんと言っても、スピードとバランスを観る力がついています。単純化してざっくり描くこともだんだんできるようになってきました。スピードが速いということはいくらでも修正できるということです。

まずモチーフを画面のどの位置にどんな大きさで入れるか決めて下さい。カメラのファインダーを覗く気分で。あとはズームでサイズ感を調整。

そして決めたらそれを守る

位置とサイズがおよそ決まったらあとは「単純形態」の考え方を使います。

今まで構図が苦手だったのは、この「単純形態」のツールを持っていなかったからなのです。

とりあえず端から描いてみて小さくなってしまった、またはサイズオーバーしてしまったのように「行き当たりばったり」で描いていたわけです。

これからは「あとで消せる柔らかい線でざっくり描いてまずは構図を決めて」みましょう。

下書きの感覚です。

初めから気合入れて描くと修正がめんどくさくなりますしエネルギー効率がよろしくありません。

『はじめから修正しやすく描く』がポイント!

経験者は初めから構図を一撃で思った通りに入れることができると思い込んでいませんか?

むしろ逆!!

結構勘違いしている人が多いのですが、
構図は画面の中で探していくものなのです。

経験者であればあるほど、柔らかい線、クロッキーの線、単純形態、ムーブマンの線などを自在に使い画面の中に良い大きさ、バランスを探っています。微妙なバランス調整もこの時点でしているのです。

修正というよりもっとポジティブな構築という感覚です。

構図も形の延長です。表裏一体のものなのです。

ディスプレイで大事なのは配置ですよね。
飾るもの以上に全体も重要です。
magma



「構図は命」

構図次第で内容ががらっと変わってしまうのです。絶妙なバランスで表現力を増したり失ったりしてしまいます。ですので1cm、1mm単位を大切にしてください。

たとえば写真家は構図の重要性をよく知っていますよね。。参考にしてみて下さい。

『世界をどう切り取り、さらに写真の中でどう配置しているか?それによって何が主張されたのか?』

フレーミング→コンストラクト
メディアは入れ子構造になっています。



森山大道 https://www.moriyamadaido.com/


ひとつ上のステージへ

2018-02-05 22:36:34 | 日記
前略


いやいや今日は凄かったです!

ひそかに感動してしまいました(T ^ T)

もちろん皆さんのデッサンの力にです。

このクラスすごいポテンシャルあります。

私も美大学生から美大助手、遡れば美術予備校などかれこれ20年は現場を見てきていますが、こんなに一気にクラスがレベルアップする様子を見たのは初めてかもしれない。

授業では「絵なんて簡単簡単」て口では言っていますが、本当はそんなに簡単じゃないよねーw

でも今日は本当にすんなりレベルアップしちゃいました。やっぱり簡単?

「教え方が良いからかぁ〜」と自信いただきましたwww

経験者の人、普段から描いている人、手を動かしている人を筆頭にガンガンレベルが上がってきました。初心者の人、苦手意識があった人もグングン上手く描けるようになっています。

クロッキーのはじめの頃と今日のクロッキーを比べてみて下さい。

「あれ描けるぞ」みたいな実感や「けっこう良いかも」「楽しいかも」みたいな瞬間が何度かあったのではないでしょうか?脳みそフル回転ですごく疲れるんだけど、いままでの描き方を諦めて「新しい線」を見つけた瞬間もあったのではないでしょうか?


そういう瞬間にレベルが上がっているのです✌️


1分ポーズや2分ポーズで「筋肉痛〜」という声がちらほら聞こえてきましたが、その筋肉が通称「デッサン筋」というやつです。デッサン力が上がる筋肉。

クロッキーの用紙もガンガン使ってもう一冊終わっちゃう。今日は41ポーズ描きました。


これが答えなのです。


絵が描けるようになるには

「楽しんで、たくさん描き続ける」

そうすれば自ずと自信がつき、勝手に方法が見えてきます。




「どーんと来いや」

上手い下手なんてありません。
強いて言うならさらに自由自在に描けることを目指してほしい。



とうとう残すところあと2回でデッサンドローイングの授業も終わりです。今みなさんのポテンシャルは本当に高いと思います。ですのでこのまま「ぶっ飛んだクリエイター」になってしまってください。ぜひみなさんの生き様を形に変えて社会を豊かに面白くしてください!

よろしくおねがいしますね(๑˃̵ᴗ˂̵)


まだちょっと思うように描けないな、もうちょっとレベル上げたいなと思っている人は授業もあと2回あるので声かけてください!突破口を探しましょう。来年も学校には来てますし、なんらかの形でずっとサポートしますので安心して下さい。


そうそう








ムーブマンて何?

2018-02-04 23:13:35 | 日記
前略

明日は男性モデルクロッキーとなりますが、

1分×20ポーズと2分×10ポーズのクロッキー時間を取っています。

1分は極めて短い時間です!!

今までと同じ描き方では描けるわけがありません。もちろんそうする必要もありません(^^)/

ではどうするか?


「動きだけを捉える」


「ムーブマン」という美術用語があります。

意味は、
運動、動作、動勢 などですが、
絵や彫刻、さらにデザイン構成などの「動きを感じさせるような表現」
をムーブマンといいます。

止まっていても形態の角度や曲線の動き、それらから生じる目線の流れがあります。


↑バチカンにあるラオコーン像です。ミケランジェロをはじめ様々な芸術家に影響を与え続けるマスターピースの中のマスターピース!
まさに、静止していても形態が蠢いている。ムーブマンの代表例の様な作品です。


別の角度から見ても、見る場所で物語が移り変わるような時間の流れ(時間性)を持ちます。

さてこのような「対象の動き」をそのまま線にしてみましょう。細部にこだわらず、ポーズの流れだけを描いてみたり、慣れてきたら人間のポーズを動きを捉えつつ描いてもOKです。






このワークも今までのワーク同様デッサン力をパワーアップさせる重要なワークです!!

その効果は
①全体を捉えて観ることができるようになる
②ものそのものとしてだけでなく動きという要素を観る感覚を養う

固定した捉え方をぶち壊して下さい。

「ムーブマンの線をそのままデッサンとかヴィジュアルワークの下書きにするなんてクリエイターの常識だぜ」(^з^)-☆



プロダクトデザイナー 秋田道夫さん



「私は神」

2018-02-01 23:33:25 | 日記
前略



女性ヌードクロッキーはいかがでしたでしょうか?集中して結構疲れたのではないでしょうか?

「疲れる」こと重要です。脳が運動すると脳みそからドーパミンがバンバン出て、ドーパミンがひとしきり出た後はセロトニンが出てフワッと気持ちよくなるらしいです。事実セロトニンは幸せの原料なので足りないと鬱になります。運動した後に出ます。落ち込んだら軽く運動しましょう。私もクロッキーのたびにそんな体験を繰り返し中毒症状になりました、ただのジャンキーなのですww

また「疲れる」と今度は脳は楽をしようとして無駄な動きを抑制し効率化をするアイデアを思いつくようなので、疲れれば疲れるほどだんだん仕事もスムーズにできるようになるということです。

※もちろん過労は厳禁です!!程よい疲れがベストです。


さてヌードの異次元体験はできたでしょうか?



いつもながら中々上手く描けていました(^^)
一生懸命に捉えようと喰らい付く気持ちが伝わってきました!!

今回細部はしっかり捉えていけるようなので、次回はもう少しリラックスして、ゆったり柔らかーく「大まかに(単純形態でも◎)」描いてみてもいいかもしれません。モデルに似せていくというより、神さまが「人間」を作る感じです。

「私は神」と思ってモデルを描いてみて下さい!
きっと大きな視野がGETできます😇


輪郭線を描くのに加え、実際には見えない「中のライン」も捉えていきましょう。
人体には無数の形の変わり目があります。正確には違いますが、「稜線」というと近い意味合いでわかりやすいかもしれません。


細かい起伏だけでなく大きな形の変わり目もありまさに無限のラインが渦巻いているイメージです。

ですので、描き手は好きな線、感じた線を直感的に選んで描いてもよいのです。




中のラインを加えると、建物に柱が増えるようにしっかりとした形が浮かび上がってきます。
描いているものに自信が宿ります(^^)


他人がどうこう言う前に「これでよし」と言うことができます。

デッサンでも中のラインで補強して形を決めたら、そのままにしてもいいですし、余分であれば消してしまっても大丈夫です。


次回の心構え
①私は神
②中のライン
③リラックス

(glicoピアの男性トイレサイン(๑˃̵ᴗ˂̵))
次回は男性モデルです。乞うご期待!

次回用具
クロッキー用紙、クロッキー帳など
B4〜B3サイズ程度自由 (大きい方がいい)
描画材自由

貸し出しはありません、
必ず各自用意する
( ̄^ ̄)ゞ