セレスチアブルーマイカのZ32


去年の年末のこと
Zっトンさんから「追突の被害にあいました、修理してください」との依頼がきました。
自走可能でしたのでそのまま入庫していただき、損傷や修理内容について打ち合わせをしていると「よし、いずれにしても修理&塗装しなくちゃいけないんだから以前から計画していた全塗装を思い切ってこの際に決行しよう!」と話は進みました。


全塗装といいましてもその金額はピンからキリまでありまして、予算が限りなくある場合は「ピン」コースをチョイスするのが一番いいのでしょうが、追い求めていきますとはずせるパーツはすべてはずし、エンジンまで下ろしたりというレストアレベルのものになる場合もあり期間もそうとうかかりますし金額も跳ね上がります。
しかし通常はそこまで細かい部分を追い求めることはなく、ドアの内張りや前後バンパーなどはずせる部品はできるだけはずすけれど、と比較的簡単に?というコースをチョイスされる方がほとんどです。
板金塗装や全塗装というものは「定価」がなくその金額がいまいち不透明な部分もありますし、技術レベルの差もそれはそれは激しいものがあります。
塗装の世界というのは一般的には「値段=仕上がり」と言われる世界ですし、一般ユーザー様ですとそう何度もあちこちの塗装工場を渡り歩くほど修理や塗装をすることもないと思いますので、見比べたり今回はここ、次回はあそこということがないだけに比較検討がしにくいものです。
そういうものだからこそ「値段<仕上がり」が求められると思っています。

デイトナではこのように定価がなく価格が不透明な商品というものについては、カウンセリングの際には特に念入りにオーナー様のご予算とご希望をお伺いしてできる限りオーナー様のご希望にそえるようにしたいと考えています。
もう10年来のおつきあいのあるデイトナ指定工場のオヤジさんとはこの「価格と仕上がり」の部分の感覚の違いから最初のころは何度か喧嘩をしたこともありましたが、おつきあいを重ねるうちに元来コマカイ(笑)性格の僕の思いを理解してくれて、今では何も言わなくても「価格<<<仕上がり」になるようになりました。

さてさて、今回のZっトンさんのフェアレディZの全塗装。
平成7年式シルバーのその車両は、Zっトンさんがまだ独身の頃から十数年、奥様に出会い結婚し子供が生まれ、5人家族になった今まで片時もそのそばを離れることなくZっトンさんとともに歩んできた思いがこもった大切な愛車です。
そんなふうに大切にされてきた愛車でも経年劣化というものは公平に訪れるわけでして、所々クリアー層までダメージを負い白く傷んでいるという状態でした。
そして今回は全塗装とあわせてモールの交換も行いリフレッシュとなりました。


約1ヶ月後
ご夫婦の記念日に合わせた希望ナンバーに変更し、Zっトンさんのバースディにあわせて車検証の登録変更をして記念日を刻んだフェアレディZはご家族の幸せを象徴するかのような素敵なカラーに。
マツダ アテンザに採用されたセレスチアブルーマイカという色です。

生まれ変わった愛車を見た瞬間のZっトンさん「うわっ 派手だなぁ 乗るのが恥ずかしいな」とは言うものの、ボディに写り込む笑顔も同じくらい眩しいくらいでしたよ。
とても鮮やかなその色は太陽がとてもよく似合う色で、明るい空の下ではマイカが光をあびてより輝く魅力的な色です。

仲の良い明るいファミリーにぴったりの素敵なフェアレディZになりました。