悠々自適

日常の雑感をそれとなく

72 赤穂義士

2017-04-01 10:52:26 | 雑談
赤穂大石神社の義士資料館に赤穂義士の禄高が出ていました。
赤穂藩は5万3千石でしたが、家老の大石内蔵助1500石、
足軽頭の原惣右衛門300石、馬廻りの赤垣源蔵200石、
討ち入り前日に逢った俳句師匠の宝井其角が 「年の瀬や 水
の流れと 人の身は」と言ったのに対して「あしたまたるる
その宝船」と返句した大高源吾20石5人扶持、寺坂吉右衛
門3両2分2人扶持、神崎与五郎5石5両3人扶持、足軽の寺坂
吉右衛門3両2分2人扶持となっていました。

1石は150キロなので、現在の市販米価キロ300円だと
1石は約5万円になります。去年のサラリーマンの平均年収
442万円は石高換算だと90石になります。

1人扶持は1日に食べる米の量5合の支給=年間5俵となる
ので現在の米価換算だと10万円になります。元禄時代の
1両は10万円ぐらいの価値だったので神崎与五郎の年収を
現在米価で換算すると、5万円×5石+5両×10万円+
10万円×2=約100万円となり、寺坂吉右衛門の年収は
55万円となり今の所得ベースだと完全な生活保護世帯となり
ます。

松の廊下での刃傷を赤穂に知らせた早や籠は155里(620
キロ)を4日半(108時間)で走ったとあるので、平均時速は
5.7キロとなります。現在は普通電車に乗っても快速があるの
で半日かかりません。

江戸時代の町駕籠は1里400文=1万円だったので、町駕籠
だと155万円になります。前後4人先導1人の5人を要する
早や籠が徹夜で走れば3倍はかかったとすれば、赤穂への早や
籠は約500万円かかった事になります。ネットで調べたら
普通電車での東京―赤穂の所要時間は乗換5回で11時間40
分となっていました。青春18切符を使えば、早籠の様に揺さ
ぶられる事のない冷暖房の効いた座席に座って半日の旅で済み
ます。しかもその運賃はたった2370円です。

義士資料館の資料を見て、今の社会の有り難さがよく分かりま
した。