鞦韆院落
北京で過ごすインディペンデント映画な日常
 

選片  


顧桃に頼まれていた作品選考に参加してきました。

会場となったのは、先日上映活動を禁止された一元電影院。
午前中から楊瑾、耿軍、陳心中という監督たちが選考委員として集まり、応募してきた18本の短編と8本の長編を観ることとなりました。
これらの作品はすべてフィクションで、ドキュメンタリーや実験映画は他にあるそうです。
意外と集まっていたのですね。

1日ですべての作品を見終えることはできないので、皆がつまらないと思う作品は途中でパスすることになります。
ただ、そもそものレベルが低いので、どの程度でつまらないと判断していいかが微妙です。
とても観てられないくらいつまらない作品ばかりで、「次の作品にしよう」とみんなが言っても、顧桃だけが「もうちょっとで面白くなるかもしれないから」と、最後まで見せようとします。

顧桃は面白いかどうかよりも、少しでも多くの作品を上映すべきと考えていて、長編はすべて、短編は10本を映画祭で上映したいと言います。
しかし、短編を10本も選ぼうとすれば駄作ばかりにならざるを得ません。
結局、選考委員の強い意見で、長編4本、短編5本に絞ったのですが、顧桃はどうも納得していない様子。

彼は当初、我々選考委員にドキュメンタリーも選ばせるつもりだったようなのですが、このままでは作品が足りなくなると感じたようで、ドキュメンタリーは自分で選ぶと言い出しました。
きっと、ドキュメンタリーは駄作のオンパレードになることでしょう。

募集要項にはフィクション、ドキュメンタリー、実験映画、アニメの4部門で計6つの賞を出すと書いてあったけど、顧桃はそれだけでは足りないと言い出しました。
長編フィクションだけでも、最優秀作品賞以外に、脚本賞、撮影賞、俳優賞などを設けるべきだというのです。
賞金などは無いので、ケチケチしないでたくさんの賞を与えたほうが、若者たちを応援することになると思っているようです。
でも、それでは審査をする意味もなく、やはり我々は反対していましたが、結局決めるのは彼なので、どうなることか。

彼の映画祭への考え方は、他の監督たちと比べても際立って異なっています。
地元の人は映画への審美眼も違うのだから、選考委員が良いと思わない映画でも上映していいはずだと言います。
こんなにストライクゾーンの広い監督も珍しいと思います。

あと3週間しかないのに、審査員も会場もこれから考えるというから驚きです。
これからプログラムを決め、カタログを作っていくのだといい、それを私にやらせるつもりみたいです。
間に合うわけないから、私はやりませんよーだ。

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準備  


顧桃が内モンゴルで映画祭をやろうとしているという話は、以前にも触れました。
9月17日から23日まで1週間開催するということで、彼は準備を進めているようです。

映画祭の名称は日本語にすると「内モンゴル青年映画週間」といったところでしょうか。
内モンゴルをテーマにしているか、内モンゴル出身者が作っている若手監督の映画を対象に(この2つは全然違うと思うけど)、コンペをやるのが主旨です。
そもそも映画人口の少ない内モンゴルですから、日本で言えば県内限定の映画祭をやろうと言っているに等しく、それほど優秀な作品が集まるとは思えません。
なので、コンペ以外のプログラムを充実させなければならないところですが、顧桃はそういう発想は特になく、せいぜい自分やごく親しい監督の映画をやるくらいだと思います。
そう、この場合彼自身の作品は外せません。
内モンゴルに向けて自分をアピールするのが、彼の真の目的であろうことは容易に想像できます。

実は、春節の頃には十数ページもある映画祭の宣伝パンフレットができていて、そこには賈樟柯や寧浩、王珞丹などのスターの写真が多数掲載されていました。
主催は顧桃の事務所で、内モンゴルの政府系の映画機構が共催となり、中国の主なメディアがどれも協力会社として名前を連ねており、それはそれは盛大な印象を受けました。
でも、どうやら写真は勝手に使ったものらしく、メディアも希望的な意味でロゴを並べただけのようです。
こういうことを平然とやってしまうのが中国の凄いところです。

結局、資金はまだ数万元しか集まっていないので、かなりコストを絞ったイベントになりそうです。
問題は、この期におよんで上映する作品が1本も決まっていないということです。
それよりも、開会式で誰が歌を歌うかなどを考えているのですから、顧桃はまったくすごい映画監督です。

8月6日に応募を締め切ったコンペ作品の選考も、未だに行われていません。

私は2ヶ月以上前からコンペの審査員を頼まれていました。
そして、今日になって「明後日から審査するから来てくれ」と言われました。
映画祭も始まってないのに審査をするとは変な話です。
もしかして作品選考委員をしてくれという意味かと思い、「審査員じゃなかった?」と聞くと、「そう、審査員」と言います。
「作品選考委員のことを言ってるんじゃないの?」
「いや、作品選考は終わってる。もともと応募が20本くらいしかないし」
「じゃあ、映画祭も始まってないのになぜ審査を始めるの?」
「エントリー作品を決める審査をするんだ」
「それを作品選考って言うんだぜ」
「あ、そう? うちはそんなに細かくないから」
じゃあ、選考が終わってると言ったのは、何のことなんでしょう?

募集要項にはフィクション部門、ドキュメンタリー部門、アニメーション部門、実験映画部門の4つがあって、合計6つの賞を用意すると書いてあったけれど、応募作品が20本しかないのに、これ以上選考する必要があるのかも疑問です。

金は出すから、9月5日からフフホトに来て準備をやってくれ、と彼は言います。
すごーく嫌な予感がします。
彼が準備などしているはずは無く、5日から17日までで私に全ての段取りをさせようと考えている気がしてならないのです。
正直、酷い企画の責任を取らされるのはゴメンなので、そういうことなら断るしかありません。
もっとも、彼や観客の要求するレベルは想像を絶するほど低くて、何をやっても大喜びされる可能性は高い(肉が食えて酒が飲めればそれで満足なはず)ですが、それでは自分で納得がいきません。
海外からもゲストを呼ぶと言っているので、その人たちがガッカリしないよう、今のうちから情報を吹き込んでおくことにします。

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会議  


ある知り合いが、会議を開くので来てくれないかと連絡してきました。
彼らは新しい映画祭を開催しようとしており、参考意見を聞くための会議をすると言います。
独立系の映画祭ではなく、政府公認の映画祭をするつもりで、会議は政府の人たちに向けて行うもの。
会議の場所はなんと広電国際酒店。つまり国家広電総局のホテルで行われます。

知らせを受け取ったとき、正直少し迷いました。
独立電影に携わる私としては、体制側にあまり関わりたくはないし、政府のやるつまらない映画祭に協力したと思われたくもありません。
ただ、私がどういう人かを知った上で依頼して来たのだし、意見を聞かせてくれというのなら、しがらみのない立場から、役人たちに忌憚ない意見を言ってやろうと思い、招待を受けることにしました。



広電国際酒店は、中央人民広播電台の近くにあります。
まさに国家広電総局のお膝元。
ネットで調べると、一番安い部屋でも千元近くする、高級なホテルです。
一応、経営は民間がやっていることになってますが。

行くと、参加者は20人くらいで、そのうち私が知っているのは大学の先生1人と監督1人。
知り合いがいて少しホッとしました。
半分は映画祭を主催する側の人たちで、半分は招待された専門家。
その専門家も、大学教授や中央電視台など、体制内の人ばかりです。
外国人は私だけでした。

おそらく、私は外人枠として呼ばれているのです。
中国では、格式を上げようと外国人を混ぜて国際性をアピールするのが習慣で、本来は白人が好まれるのですが、たぶん都合の付く人がいなかったのでしょう。
私なら北京にいるし、通訳の心配もいらないので、呼びやすかったのだと思います。
ただ、それなりのハクをつけないといけないので、私の肩書きは「中日電影文化学者」となってました。
学者になった覚えはないんですがね。

映画祭の企画について説明が一通りあった後で、専門家が1人10分ほどコメントすることになりました。
私は、日本の映画祭を例に挙げながら、どうやってより多くの人に関心をもってもらうべきかという話を中心に語りました。
ただ、私以外で観客について触れたのは、知り合いの監督1人だけで、他の人たちの話題はすべて映画祭と映画産業の関わり方についてでした。
マーケット部門を作るべきだとか、どう国内外の映画制作会社を集めるかとか、どうやって監督を育てていくかといった話です。

日本だと、税金を使って映画祭をやるなら、市民にどういうメリットがあるかがテーマとしてつきものだと思いますが、中国はさすが独裁国家だけあって、そんなことは誰も考えません。
電影局は映画会社を管理しており、彼らを儲けさせることも仕事なので、予算はそういうことに使うべきだと考えているようです。

国家広電総局の人は、思った通りすごくつまらない指摘ばかりで、建設的なことはあまり言いませんでした。
しかも、この会議のトップであるはずなのに、用事があるからと半分も聞かずに退席してしまいました。
たぶん、こうした会議は「専門家の話を聞いた」という公聴会的な意味を形式的に作ることが目的なのです。
やはり私とは生きる世界が違う人たちです。

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東京  


斉放が行っている海外在住中国人による短編特集が再び人民大学で行われ、また呼ばれて行ってきました。
パリ、ロンドン、東京、ニューヨークの4都市に住む中国人(華僑含む)の作品を集めており、前回はパリでしたが、今回は東京の作品を上映するということで、張献民から声がかかったのです。

作品は全部で6本あり、どれもが同じ大学の研究室で作られたものでした。
セレクトした人自体がその研究室に所属していた人で、自分の作品を含め、先輩後輩の作品を集めたものになっているので、レベルは高いものもあればそうでないものもあります。
中にはちょっと見てられないのもあって、これで東京の作品群だと言われてしまうと辛いなとも思いました。
版権の問題とか、無料上映が条件だったりすると、仕方がない面もあるのでしょうけど。

私は作家たちのことはよく知らないし、作品についても語れる立場にはないので、日本人からどう見えるかなどの質問に答えるだけでした。
ついでにここで私の感想を述べると、面白いのは2本くらいで、あとは不満が残りました。

作品の中には、中国で撮影さていて日本的要素が入っていないものもあります。
また、日本で撮影された作品の中には、日本人ならそうは撮らないだろうなという、ちょっとズレたところもあります。
例えば、貧しい母と幼い娘の2人暮らしという設定なのに、わりと立派な2階建ての一軒家に住んでいたり、携帯が使われているけど設定が昭和風だったり、彼らの持つ(多くは「ドラえもん」や「ちびまる子ちゃん」からイメージされる)日本ではあってもリアルではない姿が映っています。
学生作品だからそんなもの、と言えばそれまでですが、その割には制作費がかかっていそう。

私は最近別の仕事で中国の短編をたくさん見たのですが、それらと比べても非常にドラマ要素が濃厚で、ナレーションや音楽がどんどん被せられていたり、説明的な場面やセリフが多くて、映画というよりテレビドラマみたいでした。
これは多分、指導した人と関係があるのだと思います。

例によって観客は少なくて、今回は7,8人といったところでした。
ただ、斉放そのものは全国20ヶ所近くで行われるので、全体としては多くの人に観られるはずです。


さて、私が人民大学に行っている一方で、宋荘ではドキュメンタリーの上映が行われる予定だったのですが、午後、会場に当局がやって来て、上映は中止になったとのこと。
先月はできたんですが、今は宋荘への圧力が高まっているようです。
たぶん、例年この時期に宋荘の映画祭をやってたので、また今年もやるんじゃないかと警戒が高まってるのです。
基金は今年も作品を募集していて、でも開催日を発表していないから、当局は一体いつやるのかと緊張が続いているのでしょう。
実際には、締め切りは過ぎたけど作品はまったく観てないし、今年は開催するつもりもなく、前回のように忘れたころに受賞作リストだけ発表して終わらせるんですけどね。

私が心配してるのは、警察がこの家を訪ねてくることで、そうなると面倒くさいことになりそう。
さて、どうなることやら。

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講演  


人民大学へ行ってきました。

ここはかつて私が留学していた中央財経大学とそう遠くなく、当時よく行った当代商城というデパートの向かい側にあるのだけど、入るのはこれが初めて。
ここには芸術学院(学部に相当)というのがあり、そこのデザイン科にアニメーション制作をしている郭さんという先生がいて、その人からイベントに呼ばれました。
私は数年前に南京の映画祭で審査員をしたとき、彼女が夫婦で制作した作品に賞を与えたことがあったのですが、会うのは今回が初めて。

このイベントは世界各地から映画祭のキュレーターなどを呼んできて、上映や講座をやってもらうというもの。
彼女の人脈なので、自然とアニメ界の人が多いですが、張献民による「斉放」のイベントなどもあり、映像全般を扱ったものです。
その名も「影象力(Image Power)」。

イベントは不定期かつ頻繁に行われる予定で、まずは8月10日から14日まで、イタリア人のLuisa Prudentinoによる連日の講演会が行われました。
Luisaは中国映画を専門とする学者で、イタリアとフランスの大学で教鞭を取っています。
また、映画の町としても知られるラ・ロシェルで、新旧の中国映画を上映する映画祭を毎年開いています。
80年代から中国を研究していて、第四世代や第五世代の監督とも交流があり、張律をヨーロッパに紹介するなど多くの功績を残している人です。
彼女とは初対面でしたが、ともに海外で中国映画の映画祭をやっているからということで、一緒に登壇して話すことになったのです。



初日、会場のある芸術学院に行ってみると、1階の展示スペースに椅子が並べられ、床に置かれたプロジェクターから壁に向かってパソコンの画面が投影されていました。
入口の近くには、今後来るゲストたちの紹介があります。
ポーランドや韓国、北米など世界各地からゲストが来るようです。



準備をしている郭さん夫婦とLuisaに挨拶し、簡単な説明を受けました。
今回のイベントは会場こそ人民大学が出しているけれど、ゲストの渡航費や滞在費、その他一切の費用は友人の会社に出してもらっているそうです。
凄い!渡航費だけでも百万円近いだろうに。

周囲に余裕のある人がいて、そういう人が気前よく金を出してくれる環境があるから、中国の文化活動とか独立電影とかは回っていけるんですよね。
日本だと行政に頼るしかなく、十分な資金を得ることも難しいわけですが、理解のある金持ちが多い中国はある意味やりやすくはあります(政府の妨害は激しいですが)。

Luisaは7月には北京に来ていて、イベント前に調査などを行っていたようです。
1ヶ月近い滞在の費用も影象力が出していたというから、実に素晴らしい。
私もどこかに呼ばれてみたいものです。

イベント初日ということで、学校の偉い人なども顔を出していましたが、参加者は十数名といったところ。
夏休みで学生がいないのは仕方ないとしても、海外からゲストを招いていながらこれしか人が入っていないのでは少し寂しい気がします。

Luisaは中国語が堪能ではありますが、英語で講演し、それを郭さんが訳します。
郭さんは海外で研究していた経験もあって、英語ができます。
国際的ですね。
講演を聞きに来ている人たちも多くは大学の先生などで、英語はほとんど理解しているようでした。
私は英語が得意ではないので、ほとんど聞き取れません。
しかも、彼女が流す映画も英語字幕のフランス映画だったりするので、いまいち分からないのです。
中学時代から英語をサボり続けてきたツケです。

途中から張献民がやって来て、「斉放」が現在やっている、パリで暮らしている中国人たちが撮った短編が上映されました。
その後がLuisaと張献民が話すコーナーだったのですが、私も呼ばれてしまい、3人で話すことに。
ここで「今の映画について一言お願いします」などと振られるわけですが、私はあまりこういう場で話す経験もなく、気の利いたことをちっとも話せません。
張献民はさすがに慣れているし、それが仕事みたいな人だから上手に話すんですが、私は2,3言でおしまい。
なんだか自己嫌悪です。
観客がほとんどいないので、多少は気が楽ですけど。

イベント3日目にも呼ばれて、ごく短い時間ですがLuisaと前に出て話をしました。
この日はなんと観客4名(全員身内)。
いくら何でも少なすぎるでしょう。
せっかく映像や原稿も用意して、3時間にもおよぶ講演をしてくれているのに。
これだけ金をかけてこんな少人数だなんて、ある意味贅沢だけど、やはり勿体無いです。

それにしても、また自分のコメントが下手くそで悲しくなりました。
「こんな人呼ばなきゃ良かった」と思われてないか不安です。
次からはもう少し予習して、考えてから人前に出るようにします。

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禁酒  


邱炯炯から映画のイベントに行こうと誘われ、行ってきました。
昨年日本でも行われた、古い無声映画の上映企画で、デジタル修復版の上映に合わせて音楽の演奏をするというものです。

私は日本でこのイベントをした際に関わっていたので、今回のスタッフもみな知り合いです。
ただ、あまり楽しい仕事でなかったこともあり、その後連絡も取っていなかったし、今回のイベントのことも知りませんでした。
邱炯炯はスタッフの一人と仲が良いので、誘われていたようです。
他にも知り合いが見に来ていそうだったので、行くことにしました。

会場は、什剎海と南鑼鼓巷の間にある天安時間というギャラリーみたいな所。
四合院造りの瀟洒な建物で、その中庭で野外上映という形でした。

私が着いたときは客席がほぼ埋まっていて、張献民や数名の監督をはじめ、10名くらいが知り合いでした。
観客が全部で100名ほど。
予約制の無料上映になっていて、ビールやワインなども振る舞われます。

作品は『銀漢双星』という、映画スターに関する恋愛物。
音楽は京劇で使われる4種類の楽器を、中央劇曲学院の先生たちが演奏します。
伝統的な楽器なので無声映画とも違和感がなく、とても自然な感じ。
東京でやったノイズ系の電子音楽と全然違うのは、主催者が学習した成果でしょうか。

中国らしく上映中もワイワイと賑やかで、昔もこんなふうに映画を見たのだろうなという雰囲気のなか楽しめました。

その後、知り合いやその仲間など10名ほどが集まって、飲みに行きました。
でも、あれだけ酒飲みだった邱炯炯は、一滴も飲みません。
数カ月前から禁酒しているのだそうです。ちょっと驚き。

最近、中国も酒の飲み方が変わってきた感じですね。
あの顧桃でさえ、昔ほど量を飲まなくなっているし。
このごろ王宏偉が北京にいないので、私もすっかり飲まなくなっています。

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着火  


ガスコンロが壊れてしまいました。
正確に言うと、火花が出なくなったのです。

王宏偉の家は、Mieleというドイツのブランドのキッチンを導入していて、ビルトインでコーヒーメーカーから蒸し器までいろいろ入っていおり、ガスレンジもそうです。
ただ、ガスレンジはなぜか火がやたら大きいし、酸素が足りてなくて鍋底はいつも真っ黒になるし、着火が悪くていつもボンってなるし、すごく使い勝手が悪いのです。
かなり高級品なはずなんですけどね。
どうやら香港で購入したものを、宋荘の業者に取り付けさせたようで、最初に必要な調整などをしていないようなのです。
北京で売ってる商品ではないから、アフターサービスも受けられません。

王宏偉は料理などしない人だから、コーヒーメーカーさえ動けばよくて、蒸し器もオーブンもガスレンジも使ったことはありません。
私は北京にいるときはほぼ自炊で、1日に2回はパスタを作るため、これまで騙し騙しガスレンジを使ってきました。
ただ、昨日の夜にツマミをひねっても火花が出なくなり、家にはライターもマッチもないので、料理ができなくなってしまいました。

原因をネットで調べて、いろいろ試みたのですが、全く改善しません。
電気系統の問題だと思われるのだけど、ガスだけに素人が分解するわけにもいかず、手に負えません。
特に修理しなくても、火花が出ないだけだから、ライターなどで着火できれば特に問題はないのです。
普通のライターだと怖いけど、チャッカマン的な長いやつなら大丈夫。

しかし、中国でこういうライターを探すのは至難の業なのです。

広州にいた時も、借家のガステーブルが壊れていて、チャッカマンを探したことがありました。
ネット通販では売っているのです。
でも、すぐ欲しいし、たかが10元くらいの商品を買うのに10元以上の送料を払うのも馬鹿らしいので、近所で探しました。
ところがスーパーを周っても、街の工具屋などを探しても、一向に見つかりません。
人に聞いても、そんなものは見たことがないといいます。
ある人は「火鍋屋で見たことあるから、譲ってもらったら?」などと言います。
広州でさんざん探しまわり、ようやくキャンプ用品の店で見つけることができました。
中国では、相当レアな商品のようです。

そして今日、無いだろうなと思いつつ、通州にある大小様々なスーパーを巡りましたが、やはりありませんでした。
まあそうですよね。

ところが、6件目のスーパーで、ライターではないけど点火器なるものを見つけたのです。
電池式で、先端から火花が出る道具のようです。
価格は25元と、ライターに比べて高いけど、火が着けばなんでもいいので購入しました。



帰宅後、さっそく電池を入れてボタンを押すと、先端がバババババ…とスパーク。
その激しさは、まさにスタンガン。
思ってたのとちょっと違うけど、火は着きそうなので、キッチンに持って行きました。
しかし、今度はボタンを押しても赤いランプが点灯するだけで、スパークしません。
電池を変えても何を試しても、まったく改善なし。
つまり、たったの1押しだけで壊れてしまったのです。
なんという欠陥品。

というわけで、今夜も自炊はできません。
もはやネットで買ったほうが早いのかも。

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楽隊  


以前に息子を紹介してきたL監督のことです。
あのときは、日本語を教えてやってほしいと頼まれたのですが、息子はもう日本語への興味は無くなり、今は英語を勉強しているらしいです。
そんな彼女から微信が来て、ちょっとこの曲を聞いてくれないかと言います。
素人のバンドが演奏しているような曲で、怪しげな日本語で歌っています。
もしかして……。

「日本語、変じゃない?」とL監督は聞いてきます。
6割くらいは聞き取れると返事をしたら、「息子のバンドが歌ってるんだけど、日本語指導してやってくれない?」と言うのです。
やっぱり。

指導はいいけど、何のために歌うの?コンテストにでも出場するの?と尋ねたら、「趣味でレコーディングする」とのこと。
デモテープとかでもなくて、ただ録音するみたいです。ちょっと不思議。
わざわざ日本語指導など必要なのか疑問を感じつつ、とりあえず会いに行くことにしました。

地下鉄の駅で待ち合わせ、連れて行かれたリハーサル室は北新橋のビルの地下。
廊下には、私でも知っている歌手のサインがたくさん並んでいます。
こんな場所を借りるだけでも、かなり金がかかりそう。

狭い部屋に入ると、大音量の中、6人の若者が演奏中でした。
高校生ばかりで、でもドラムだけ20代半ばといったところ。
L監督の紹介によれば、このドラムの人は先生なのだそうです。
クラスメイト5人でバンドを結成し、週末になるとここに集まり、もう1年近くプロの指導のもとで練習を重ねてきたのだとか。
そして、夏休みの集大成として、スタジオで1曲レコーディングすることにしたとのこと。
レコーディング費用は約10万円。
なるほど、持つべきものは金持ちの同級生ですな。

彼らが歌う曲は、デジモンアドベンチャーの主題歌「Butter-Fly」。
彼らによれば、幼い頃からテレビでこの曲を聞いて育ったので、みんなのお気に入りらしいです。
私が、アニメも見たことがないし知らないと言ったら驚いてました。
すみませんね、オッサンで。

彼らは日本語を当然わからないので、ネットでローマ字で書かれている歌詞を探して、それを適当に歌っているのだけど、そもそもネット上のものが間違っていたりするので、私が聞いてもあまり聞き取れません。
ボーカル(L監督の息子はギター担当)に歌詞を読んで聞かせたり、間違いを指摘したりして、20分くらい指導してやりました。
この程度で上達するかどうか不明だけど、べつに誰かに聴かせるわけでなし、本人たちが良ければそれでいいので、歌詞さえ間違えなければ、あとは自由に歌えばいいと言ってやりました。

今時の北京の高校生って、こんな生活してるんですね。
もちろん、富裕層に限ったことだとは思うけど、ちょっと驚きました。
そして、彼らの活動にここまで関わるL監督も、いかにも中国の母親といった感じで面白かったです。

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中継  


北京はこのところ連日雨で、ジメジメしています。
北京というとカラッとしているイメージがあるかもしれませんが、実は毎年こういう時期があって、いろんなものにカビが生えたりします。
大雨も降って、地下にある顧桃の仕事場は浸水してしまったそうです。
中国各地では洪水で死者も出ているし、村の半分が床上浸水したことがある宋荘の住民としては、とても気になるところです。

そんな折、王宏偉は香港へ行ってしまい、私はまた留守番です。

彼は西寧で行われている某映画祭で主演男優賞にノミネートされていましたが、行きませんでした。
昨日あたりから、この映画祭に行ってる人もたくさんいるようですけどね。
私も興味が無いので行きません。

この映画祭は新人監督のための映画祭だと銘打っていながら、ドキュメンタリーのコンペには黎小鋒や范倹のようなベテランが入っていて、基準がよくわかりません。
更には、ドキュメンタリーのコンペに入選しているのに、ノミネート作品でない、つまりコンペ対象外の作品が半分を占めているのです。
じゃあ、何をもってコンペ部門と呼んでいるのか、まったく理解に苦しむ映画祭です。


私は宋荘にいて、毎日訪ねてくる誰かしらと会っています。
先日はある若手監督と一元電影院で会って、一晩中話をしていました。

翌日になって、一元電影院はネット中継をやっていると知り、アプリをダウンロードして見てみたら、店の中が映っていて、客の会話もみんな聞き取れるので、すごく焦りました。
もしかして、昨晩話してたことは全部筒抜けになってたんじゃないかと。
さんざん、いろんな人の悪口言いましたからね。
でも、どうやら前の晩は中継をしてなかったらしいので、安心しました。
今後、あの店に行くときは気をつけるようにします。

それにしても、ネット中継流行ってますね。
あれって、かなり収入になるみたいで、特に若い女性が厚化粧して頑張ってます。
かつて優酷とかで見たことがあったのは、ラジオのスタジオみたいなマイクを付けて、部屋を豪華に飾り、自分でしゃべりに笑い声を足したりしながら、歌を歌って聞かせたりしているのがほとんどでした。

一元電影院がやっている「映客直播」というアプリのものは、自分で携帯を手に持って、何も言わずにただ画面を眺めてるだけみたいな人がたくさんいます。
それでも顔が良いと1000人くらいは視聴者がいて、換金可能なアイテムを贈ってあげたりしているのです。
べつに露出したりするわけでもないのに。
不思議な世界ですね。
中には数万人の視聴者がいて、一晩で何千元稼ぐ人もいるみたいです。

たしかに、驚くほどの美人もいるのです。
私も美人は好きですが、ただ歌ってるのを見て金を払ってあげる気にはなりません。
そんな私はケチなんでしょうか。
歌っているだけでは能が無いから、どうせなら内容のある番組にすればいいのにと思うのは、考えが古いんでしょうかね。

ちなみに、一元電影院は一晩店内中継をして、稼ぎは5元だったそうです。

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知り合いの独立映画監督が日本人俳優を募集しています。

[条件]
性別:男性
年齢:60〜70歳(メイクでそれくらいに見えれば可)
言語:中国語でのコミュニケーションが可能な方
俳優経験:不問

撮影時期:2017年春
撮影場所:広東省

おそらく報酬はあっても少ないと思われますが、応相談です。
興味のある方はご連絡下さい。
ちなみに私は制作には一切関わっておりません。

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