Darkness Before the Daylight Blog

鋼の錬金術師、黒子のバスケにまつわる人々、漫画やアニメ、日々の楽しみ、その他つれづれ。

ちょっとずつ、ここから復活へ

2022-09-25 19:42:29 | 日常
こんにちは。ご無沙汰しておりました、わふわふです。
しばらくお話を書くことができずにいましたが、少しずつ復活したい気持ちになりました。
よろしければ、またよろしくお願いします。

長いことパソコンを開く時間もなく過ごしてきましたが、たまったメールの整理をする必要を感じ
最近少しずつ過去のメールを見返していました。
小説サイトDarkness Before the Daylight も、夢中で運営を始めた頃から12年が経ち
データを失うなど様々あって、更新が滞って数年…
メンテナンスができないなら閉鎖も考えました。でも、思い入れのあるサイトであり
ここからたくさんの縁や経験をいただいたため、消すのには抵抗がありました。
毎年お金だけは支払って維持している状態でした。

来る人もいないと思っていたのに、いただいたメールをよく見ると
拍手を押してコメントをくださっている方が何人かいらっしゃいました。
文字化けして読めず、ログを探して読ませていただきました。
pixivで拙作を読んでくださって、わざわざリンクを辿って来ていただいて。
感謝で涙が出そうでした。

読むのに時間のかかる小説、今時は自分でサーバーを借りて個人サイトを持っている人も
少なくなりましたし、もういらないかな…と何度も思いましたが
来ていただいてとても嬉しかったです。

サイトを開設した頃。
何もわからず、ネット上には友達もいなかったのに、どうして小説サイトを作ったか。
一人でも読んでくれる人がいればいい、やろうと決めたことを思い出しました。
それに、忙しさにかまけて趣味ごとをほとんどせずに過ごすのが、もはや限界です。
最近、相方のシンさんのご本を読んだことも、エネルギーになりました。

少しずつ、まずはピクシブやこちらのブログを利用してお話をあげていきます。
余裕ができたら、またサイトの更新をしたいと思います。

まずは未完になっているロイエドの「夢見る頃を過ぎても」や
途中まで再録した黄黒「あなたが、ボクの」を、最後までお届けしたいです。

コメントをくださった方々
ずっとお返事できず、本当に申し訳ありませんでした。
温かいお言葉をありがとうこざいます。
少しずつお話を届けさせていただきますので、ゆっくりお待ちいただければ幸いです。
                                 

520の日によせて

2021-05-16 23:32:23 | 日記
お久しぶりです。
軍豆小話を書きました。
【520センズの日お祝い企画】様のために考えたものです。後日ハッシュタグをつけてツイートします。

あとはあなたを好きになるだけ


「何で俺が、こんなの着なくちゃならないんだよ」
ぶつぶつと文句が聞こえる。自分は国家錬金術師になったのであって、軍人になるつもりではない。そんな心の叫びが伝わってくる。

着る必要がある時に備えて、国家錬金術師にも必ず軍服を支給することになった。やっと東方司令部にやってきたエドワードがつかまえられ、試着が始まったところだった。
「まあそう言うな、鋼の。たまにはものわかりのいいところも、見せておくものだ」
ロイは椅子に座ったまま、エドワードを眺めやった。
誰にもわからないように気をつけて、静かに笑う。書類の山をさばくのに疲れた頭には、こうるさい子どもの声が気分転換になるのだった。

「どうしても嫌なら、無理にとは言わないが」
「……普段は着ないぜ。かさばるし、トランクに入れたらしわになる」
「使わない時は、この部屋のロッカーに掛けておいても構わない」

エドワードは渋々軍服を手に取り、袖を通した。
「でかいんだけど」
ワイシャツも置いてあるのだが、エドワードは面倒くさがり、素肌に上衣を直接着ている。
鍛えているとはいえ、まだ十五歳。薄い胸が少しだけ見えた。

(子どもに、私はあれを着せているのか)

痛ましさを覚えて、ロイの顔から笑顔が消える。彼をこの道に引き込んでしまった責任はいつも、こうした何気ない瞬間に胸を噛んでくる。
子どもは、後悔はしていないだろう。ほぼ独学で錬金術を身につけることのできる才能を持ち合わせた時から、彼は、いわゆる普通の人生を送る器には収まり得なかった。
だからこそ自分はエドワードを「これを着ることは、君にとってメリットが多い」と説得したのだった。

そのエドワードは、肩から服を浮かせた。服の裏地が次第に温まってくるのが、この服と自分が馴染んでいくようで、どうにも不快だった。
田舎のリゼンブールでは軍は嫌われ者で、いまだにその感覚は強く残っている。
この軍服を着れば、次第に軍に関わることに慣れてしまう。慣れることによって、抵抗も薄れていく。それが自分に変化をもたらしそうで、嫌だった。

シャツを着た方が快適だと言われて、エドワードはやっと、規定の服装になった。
支給の靴まで履けば、その不満げな表情さえ除けば、どこから見ても軍の狗だ。

似合うと言えば怒り出しそうで、ロイは感想を述べることはしなかった。しかし、一本に束ねられた金髪と、真新しい布地の深い青と、飾りの金色はひどく美しかった。
上等の仕立ての生み出すほどよいゆとりが、身体の線を拾わない。軍服は彼の機械鎧を、目立たないように隠していた。

「夕食にはまだ早いが、そのまま、少し回りたい場所がある。ついてきてもらおうかな」
ロイの言葉に、エドワードは驚いた。
「……仕事?」
「そうだ」
眉間にしわを寄せたまま、エドワードはロイの後を歩き、司令部をあとにした。
先ほどまで着ていた赤いコートを、代わりにロッカーに掛けた。


※※※※※※


「ここだ」
ロイが立ち止まったのは、エドワードも何度か見かけたことのあるカフェだった。
「ここで何を」
それには答えず、ロイは店に入っていく。エドワードも後に続いた。

軍服姿の二人に、店員たちは笑顔を向けてくる。それはエドワードにとって意外だった。
案内された席につきながら、エドワードはそう言った。
「ああ、以前ちょっとね」
話によると、この店を偶然訪れていた時に、騒ぎがあったのだという。
以前から難癖をつけていた元常連客をたまたま見かけ、ロイが奥の席から顔を出してみた。軍服と階級章を見て、その男は歯がみをして立ち去った。
困り果てていた店主に感謝され、ロイはその後も店に時々来ることを約束した。
「私が来られない時は、部下に見回らせることにしたんだ」
「なるほど」
部下が気兼ねなく立ち寄れるよう、ロイは店主にまとまった額を前払いした。店主の方では、普通の定食よりも一品多い料理を、軍人たちに振る舞ってくれているという。
「良かったんじゃねえの? 店としては安心だろうし」
「それだけではないんだ。店員たちが知った情報を、我々に提供してくれるようになった。それによって未然に防げた事件もある」
「……そういうことか」
ロイは続けて言う。
「君が何よりほしいものは、情報だろう。この服を着ている時と、そうでない時では、得られる情報が違う。有効に利用したまえ。軍服は使うものであって、君は使われる立場ではない」

エドワードは頷く。
銀時計よりも、この青は目立つ。
今まで協力が得られなかったあの場所。子どもだからと追い返されたあの時。これをまとうことで、新しく開ける道があるかもしれない。
文献には載っていない、生の情報。鮮度の高い新しい研究。赤い石に辿り着くために、喉から手が出るほど欲しかった。

危うく、エドワードは目の前の男に気を許しそうになる。自分の求めるものを提示してくれたロイに。

運ばれてきた料理を腹に詰め込みながら、エドワードはわからなくなってきた。
自分が忌避していた変化とは、心の中に生じさせたくなかった慣れとは、軍全体に対するものだと思っていた。しかし、ここで課せられた仕事を――軍服を着て困っている人を助けることを、自分は純粋にうれしいと感じていて、またここにくる時を楽しみにさえ思っている。

エドワードが避けたかったもの。それは、ただこのロイという人であったのかもしれない。
ロイに慣れ親しんで、いつしかロイが、自分にとって失いたくない人になってしまうこと。それが今まさに、少しずつ怖くなっている。

「司令部に戻ったら、君に頼みたい仕事の話をする。偶然だが、この軍服がらみだ」

その声に、エドワードはわざと嫌な顔をして見せる。まだ話が終わらない。それが嫌ではなくなってしまったことを、気づかれないように。

ロイはロイで、戸惑いの中にあった。
使い道を教えれば、エドワードが納得することは予想していた。事実その結果は得られ、安心した。
しかし、それだけではない温かな気持ちが――癒しとでも言うべきものが、胸を満たしつつあった。

軍服を使え、使われるなとエドワードに言いながら、ロイは同時にそれを自分に言い聞かせていた。
共にここでそうあろうと。君は一人ではないと。
エドワードに与えた言葉がまっすぐにはね返ってきて、ひそかに救われる自分がいた。

お互いに、目指すものは遠い。
袖を引っかけないように気をつけて、エドワードが水に手を伸ばす。
カランと音を立て、グラスの中で氷が落ちた。


                         おわり

コピー本通販はじめました

2020-01-19 15:22:04 | 日記

BOOTHで取り扱い開始しました。前編中編セットです。
送料がかかるため多少割高ですが、あんしんBOOTHパックで
可能な限り迅速にお送りいたします。

デイライト https://8135935.booth.pm/ #booth_pm

また、ツイッターでリブかDMをいただければお分けできます。
メールアドレスからも大丈夫です。wafusan☆friend.ocn.ne.jp (☆を@に)

高校生のエドが、作家ロイの新刊サイン会に行ったら、相手は偶然一度会ったことのある人で…という
場面が、書いていて楽しかったところです。

山あり谷ありで、それでも相手が好きでという、「いつになったら付き合うんだ!!!」と書きながら思ってしまいましたが
気持ちが通じる過程を書くのが好きなので、そのあたりを楽しんでいただけたら嬉しいです。
残部が少ないです。興味のある方はお早目にお願いします。

読んでくださる方、ここを訪れてくださる方に感謝を。
これからも頑張ります。

インテありがとうございました

2020-01-14 21:49:39 | 日記
先日のコミックシティ大阪では、3P2Dスペースにお越しいただき、本当にありがとうございました。
相方から荷物を届けてもらいまして、開封して感激しているところです。
直参できないのは残念でしたが、イベントの空気が伝わってきて、とても楽しいです。
お差し入れまでいただき、感謝にたえません。ここ3年ほどイベントに出られていないのに、
忘れずにいてくださるんだなあ……と、ありがたく感じています。

今回は幸い、コピー本ですが新刊を出すことができ、ほっとしています。
印刷途中でインクがなくなる、家族が踏み込んでくる、間違いに気付いて手書き修正する……と
ハラハラしましたが、何とか形にすることができました。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

前編、中編と来ましたので、次は後編ですが、もしかしたら完結編まで書くことになるかも……
またよろしくお付き合いください。

既刊は、pixivのBOOTHやフロマージュ様で取り扱っています。
「続 鋼の魂」は、フロマージュ様にある分で最後です。ご検討中の方がいらっしゃいましたらお早目に。
BOOTHでは、クロネコの「あんしんBOOTHパック」を使用していますので、お求めの方の
個人情報は一切こちらには提供されません。お気軽にご利用いただけたらと思います。


おしながきです

2020-01-10 20:33:47 | 日記
1/12 コミックシティ大阪 6号館Cい32a 「3P2D」コピー本新刊
「夢見る頃を過ぎても」前編、中編各本文28ページ 全年齢対象
セットで500円で頒布となりました。よろしくお願いします。





前編はピンク、オレンジ、ベージュなど暖色系の表紙、中編はブルー、グリーンなど寒色系の表紙になりました。
以下のおしながきとは違う色もありますのでご承知おきください。
既刊も、今回は10種類搬入しました。よろしかったら読んでいただければ嬉しいです。
Unforgettable 1,2
リゼ小
ロイ・たぬたんぐ大佐とエドにゃんの話 
ロイ・たぬにゃんぐ准将とエドにゃんの話
鋼の魂 増補改訂版
Red Teardrops
兄弟
恋のはなし 
センチメンタル・バースデイ

ツイッター、pixiv、サイトの方に試し読みがありますのでどうぞ。
相方と売り子さんにお声がけください。

イベントにいらっしゃれない方は、pixivのBOOTH、サイトの通販、フロマージュ様でも取り扱いがあります。
また、ツイッターでご連絡いただければお分けできますので、いつでもお問合せください。