蹴球男児

スポーツを中心に九州男児が一言物申す

誰がメダルをとるのやら

2006-01-28 22:55:57 | Weblog
もうすぐ冬季五輪が始まります。
毎度のことながら、放映するテレビ局はメダルを期待させるような煽りを入れまくってますね。巨額の放映権料が動いているわけだから当然といえば当然なんですが、現場の見解とはかなりかけはなれているようです。
スポーツ紙その他の特集を見ても、選手・コーチ・協会から景気のいい声は聞こえてきません。女子フィギュアスケートと男子スピードスケートくらいじゃないでしょうか、メダルを取れなかったら意外なのは。

やっぱりウィンタースポーツは衰退しているんでしょうか?
スキーブームやスノボブームで競技人口は一時的にかなり増加しました。長野オリンピックでは、ある程度日本人選手の活躍があって軌道にのるチャンスもありました。やはり、そこで何らかの手を競技団体がうてなかったことが現状につながっている。そう言うことができるんじゃないでしょうか。
長野五輪後、何かウィンタースポーツの国際大会が日本に誘致されたでしょうか?若年層育成に力が入れられたでしょうか?
うちの地元では、オレが小さい頃通ったアイススケート場が閉鎖されました。佐賀だけじゃなく、どこもこんな感じだと思います。今回日本が惨敗するようなことがあれば、ますますウィンタースポーツの衰退に拍車がかかるのではないか。そのことを少し心配しています。たぶんボブスレーなんかはスポーツ界の中でも特に冷遇されている代表選手たちだと思うので、愛国心のあるなしにかかわらず、応援してあげましょう、ぜひ。

まあ、個人的にはウィンタースポーツってあまり見るのは好きじゃないんですけどねw
なんかウィンタースポーツは「戦闘」というより「芸術」の側面が強いでしょ?フィギュアもモーグルもハーフパイプも。スキージャンプだって「飛形点」なるものが存在するわけで、これはスポーツの本質と違うんじゃないかという違和感をオレは持っています。(極端にいえば、着地した後で倒れようがどうしようが遠くに飛んだ方が勝ちなのがスポーツのはずじゃないかということです)。
バルセロナは美しいサッカーをしますが、そのスタンスは「美しくプレーして勝てればベター」であって、サッカーは決して「美しくプレーすれば勝つ」競技ではありません。美しくプレーしてなお負けることがある。それがオレのスポーツ好きな理由なんです。ボレーシュートが2点、バイシクルシュートが3点みたいなルールになったら、オレはサッカー見るのやめます。

オランダ代表で活躍したヨハン・クライフはこんな言葉を残しています。
「美しく敗れることを恥と思うな、無様に勝つことを恥と思え」
ウィンタースポーツには、この素敵なジレンマがないんじゃないでしょうか?

レンタル移籍

2006-01-26 23:45:23 | Weblog
プロ野球のオーナー会議が開かれ、レンタル移籍の導入が話し合われました。
レンタル移籍とは、選手の所属球団が保有権を手放さないまま、一定期間他チームへ選手を移籍させる制度のことです。すでにJリーグではこの方法が主流になっています。
たとえば、J2のサガン鳥栖は昨季からJ1セレッソ大阪の濱田武選手をレンタルしており、またセレッソはサガンの宮原裕二選手を同じようにレンタルしていました。これは交換トレードではありません。別のチームでプレーしている間も濱田の保有権はセレッソ、宮原の保有権はサガンがそれぞれ握っています。
この方法のいいところは、何といっても格安で選手を加入できるということです。強いチームの余剰戦力を有効活用して戦力均衡をはかる(J2→J1)、下位チームで活躍する優秀な選手に高いレベルで通用するかを試すチャンスを与える(J2→J1)ということがこれで可能になっています。

ところが、野球ではそう事は単純ではないようで…
・移籍期間中に球団の機密が漏洩することが心配だ
・選手の年俸査定とレンタル先での成績がどう関係するか明確でない
・レンタル先で選手が故障したらどうするんだ
というような難癖がつけられ、どうも今季中の導入が難しくなりそうな状況のようです。

機密漏洩っていったい何なんでしょうね?サインのことでしょうか。それが何を指していたとしても、移籍という制度を認めるならそのリスクは常につきまとうものでしょう。レンタル移籍を否定する材料にはなりえません。
障害になるとしたら、やはり金銭関係ということになります。野球は元々移籍が活発ではない上に、交換トレードかが主で移籍金の発生するような移籍が成立しにくい環境にあるようです。1つのチームに尽くすという美学があるので、この状態が不健全だという指摘はこれまでされてきませんでした。
でも、結局これは人気のある、伝統のある、金のあるチームの既得権益を守ることにしかなりません。ドラフトもFAもつきつめれば既得権益を守るためのルールでしかないでしょう、どう見ても。プレーオフは何とか力の弱いチームのチャンスを増やそうという苦肉の策でした。今の野球界では、新規参入チームが頭を使って戦えるチームを作ることなんてできないとオレは思っています。それほど、チーム作りに対して制約がかかっているということです。「野球が面白くない」1番の要因はそこなんでしょうね、おそらく。

何とかレンタル移籍を取り入れて欲しいもんです。
今年、横浜の古木選手が出場機会増を求めて移籍志願するということがありました。そういう選手を借りることができればどのチームにも優勝のチャンスが巡ってくるんじゃないかと思います。そのチャンスがなければやっぱりファンは増えていかないでしょうからね。戦力補強に大きな差ができる制度を採用しているのに自前で選手を育てなさいというのは暴論です。レンタル移籍の選手はチーム愛がないんじゃないか、なんて意見も全くのナンセンスです。全ての選手がそうである必要がどこにあるんでしょうか。
プロ野球はエンターテイメントなんだから。
せめてどのチームにもうまくやれば優勝できるような制度設計を目指してほしいものです。

ホリエモン

2006-01-25 22:33:01 | Weblog
ライブドアの堀江社長が逮捕されました。
なんかテレビでは「これまで散々うまいもの食べてたホリエモンが、拘置所ではどんなものを食べているんでしょうか」なんていう下らない特集もしていていましたね。(例の8チャンです8チャン)拘置所メニューの再現までして、女子レポーターが「麦ごはんは噛み応えがありますね」とか「肉があるので思ったよりも豪華に見えます」とか言っているのを見てると、天敵が逮捕されてはしゃいでいるテレビ局の様子がうかがい知れて嫌な気分になりました。こんなんだったら本当にホリエモンに買収されればよかったのに…

オレは経済について知らないので事件についてわからないことも多いんですが、みんなどう思ってるんでしょうか?どういう罪なのかピンときてないから、まだ擁護する人も多いんですかね?
オレは堀江社長が旧来のシステムをぶち壊そうとしたことは評価しつつも、今回のことには何の同情の余地もない気がしています。
どうも今回の事件は捜査当局が、ライブドアが不正を指示したメールを早めにつかんだことで急速に展開していったようです。新聞によると、逮捕された岡本容疑者がグループ幹部に出したメールで、疑惑の取引について「リスクも思いのほか少ないことが、堀江社長との会話でわかりました。LD(ライブドア)からの出資に関しては、5社くらいの国内外ファンド、個人を通しており、99.9%発覚することはないと感じました」と語っていたそうです。(1.24 日刊スポーツより)

この内容をメールでやりとりするのは、あまりにも杜撰でしょう。いや、いくらなんでも危険性を知らなかったわけではないでしょうから傲慢だったという方が正しいかもしれません。自分たちの考えることは他人の考えつかないようなことだ、という妙な自信がそうさせたんじゃないでしょうか。もしも、もしもですよ、こういうことをするんだったら、この文面は文書にしてシュレッダーにかけるでしょ?間違いなく。こんな世間をなめたようなことして捕まったんだから同情しようがないというのがまず1点。

もう1つは、完全に法を犯しているという点です。法の隙間をつくっていうやり方を肯定するわけではないんですが、旧来のシステムを壊して新しいものを作る時にはそうやって革命を起こすことが必要なのだと思います。でも、革命を起こす人間は旧来のシステムに精通していなくてはいけません。今の世界を支配しているシステムを把握して、その手が届かないところで事を進めなくてはいけないのに、ライブドアはそこを完全に無視しました。旧来のシステムを否定するだけなら誰にでもできます。
たぶん今のシステムで既得権益を貪っている人間たちは、これをきっかけに、それ見たことかと新しいモデルの出現を否定するでしょう。でも、それは違います。この事件があったからといって、社会が変化しなくていいという錯覚がおきるのが1番恐いなと思います。もう全国民中産階級という時代が戻ってこないのは事実であって、ライブドアはそういう社会の一部分を象徴していたはずです。

次の挑戦者はいつ現れるのか。そこに希望が見出せるのか。
株にはあまり興味がないので、オレはそっちを楽しみにしています。

松井大輔と前園真聖

2006-01-23 23:59:33 | Weblog
松井大輔(ルマン)がトロワ戦で2ゴールをあげて評価を急上昇させています。
去年の日本代表対アンゴラ代表でも同点ゴールを決めた松井は今年大ブレークが予想される1人なので、W杯前に注目して人に差をつけておきましょう。
フランス紙はこの2ゴールを「スマートでエレガントなゴールだ!!」と絶賛したそうです。「スマート」っていう表現は何かいいですよね。日本語でいうと何なんでしょうか?いい言葉が思いつきません。でも、すごく上品で特別な香りのする言葉で、松井のプレーにぴったりだと思います。やたら外来語を使うのはダメだって言われてますけど、スポーツを表現する言葉は外来語の方がしっくりくることが多いんじゃないですかねえ。
それにしても、2年前までJ2にいた男がすっかり世界のトップリーグに馴染んでます。京都パープルサンガは松井だけでなく、朴智星(マンチェスター・ユナイテッド)も輩出してるし本当にすごい!!

さて、松井の優れているところといえば何と言ってもテクニックです。それも、ゲームの中で出すことのできるテクニックという意味では現在日本人NO1なんじゃないかとオレは思っています。小野よりも俊輔よりもです。小野も俊輔も高いレベルのテクニックを持っていますが、試合ではチームのためにシンプルなプレーに徹する傾向があります。それは、彼らがゲームメイクを任せられているからでしょう。好き勝手しなくても、彼らは十分に海外でプレーできる選手なのです。
松井は今のところテクニックを発揮することを期待されていて、それをやってのけています。しかし、この幸せな関係がいつまでも続くとは限らず…
いつか、松井がチームの舵取りを任せられるようになると、プレーの仕方を変えざるを得なくなる時がくるかもしれません。でも、オレは今のこのスタイルが維持できないと、松井は才能を潰される危うさも持っていると思います。
ちょうど鹿児島実業の先輩である前園真聖がそうだったように…

前園という選手も素晴らしいテクニックを持った選手でした。ドリブルで果敢に相手を抜きにいくスタイルはどこか松井と通じるものがあります。
前園は横浜フリューゲルスで活躍し、アトランタ五輪日本代表に選ばれましたが、その後大きな活躍をすることはありませんでした。前園のプレーする位置には「司令塔」がおかれたからです。今もそうですが、日本サッカーは司令塔=パスを出す選手というイメージが強すぎます。でも正直、あんなにゴールに近い位置でパスしか出せない選手というのはいらないでしょう。フランス代表のジダンなんかも日本で言えば司令塔の部類に入るんでしょうが、ジダンのすごさはパスというよりもキープやドリブルにあります。

前園は日本の「司令塔」像を変えることができませんでしたが、オレは松井ならそれができるんじゃないかと思っています。ドリブルが上手い選手はサイドで使いたいところですが、あえて中村や小野、そして中田英が君臨しているあの位置に松井大輔を投入です。松井は抜群のキープ力があり、シュートセンスも十分にあるのでできるだけゴールに近い位置でプレーさせた方が相手にとって脅威が増します。中田もそれに当てはまりますが、何をしてくるかわからないという恐さでは松井の方が上でしょう。
松井が相手DFを翻弄して、大黒が決める。
そんなのはどうでしょう?ジーコ監督。

WBCはどこへ行く?

2006-01-21 21:38:59 | Weblog
随分と間をあけてしまいましたが、今後はなるべく更新します…

正月スポーツも一段落して、スポーツの話題はWBCにだんだん向いてきました。
松井が出ない、井口も出ない、イチローはやる気満々。
ちょっとイチロー株が急上昇してますね、意外な形で。
何はともあれ、メジャーではイチローくらいしかWBCには出ないようです。なんかしょっぱいですね…
個人的な感想になってしまいますが、オレはやはり松井や井口はWBCに出るべきだったんじゃないかと思います。2人とも、プロとして契約しているチームへの貢献を優先するということを言っていて、それはそれで筋が通ってるように感じた人も多かったんじゃないかと思います。
でも、そんな正論をかなぐり捨てて、クラブチームのオーナーを黙らせてでもやるのがWBCをやる意味なんじゃないでしょうか。

WBCは野球をやっている少数の国が「野球の普及」とか「野球人気の向上」を目的として作ったものです。だったら、大会を盛り上げるべく華のある選手が出場できるよう日程からルールから便宜が図られないといけません。それが、アメリカの大リーグ機構が主導権を握っているせいで、アメリカの大リーグ球団の思惑に左右されてしまい、全く本来の趣旨からそれ始めているような気がしてなりません。
ちなみに、サッカーはFIFAがクラブチームとは全く関係なく大会を運営しています(FIFAの利益追求にも問題はあるわけですが、世界一を決めるという点はしっかり守られています)。

まあ、逆にいえば、WBCのスタンスは今のアメリカ野球界の認識を忠実に表しているということにもなるわけです。
世界一決定戦よりもワールドシリーズ(アメリカの日本シリーズ)の方がアメリカ人の関心を集められる(つまり、日本やキューバに勝ってもアメリカ人は狂喜乱舞できないってこと)。WBCは普段見ることのできない選手をスカウティングできるチャンスくらいにしか思っていないのでしょう。正直、松井や井口はもう大リーグに所属してるから、他の選手が見たかったというアメリカ側の力が今回の辞退劇の裏にあるんじゃないかと邪推しています。
だから、WBCがW杯みたいになるには、逆説的かもしれないけどアメリカ野球の衰退が必要不可欠だとオレは思います。

大リーグの国内人気がなくなる→アメリカ人で優秀な選手が確保できなくなる→他国の選手レベルを上げる必要性が生じる→WBCに力を入れる


こんなサイクルです。
アメリカに主導権を握られたままならこうなるでしょう。
ただ、日本代表がアメリカ代表に圧勝して、アメリカが次の大会を本気で世界一決定戦にしないといけなくなる。
「神風」がおきないとは限りません。
色んなパターンを考えながら、WBCの行く末を案じる。
第1回はそんな大会になりそうです。