【097】橘寺 奈良 飛鳥
住所 高市郡明日香村橘532
宗派 天台宗
山号 仏頭山
開山 聖徳太子
本尊 聖徳太子像
重文 木造聖徳太子坐像 木造如意輪観音菩薩坐像 木造地蔵菩薩立像 木造日羅上人立像
備考 新西国霊場10
聖徳太子誕生の地、仏頭山上宮皇院菩提寺が正式名称とのことです。天台宗であることに耳を疑ったが、昔は法相宗であった。四天王寺の和宗、法隆寺の聖徳宗でもないのが不思議な寺です。まだ、法相宗や華厳宗なら理解できる部分があるのだが、少なくとも聖徳太子誕生の寺と言う限りは聖徳太子に義理があるだろうに。聖徳太子の産湯を使った泉のある頂法寺(六角堂)も単立であるけれども天台宗系です。ここ飛鳥で生まれ、産湯は京都と言う矛盾きわまりない話はさておき、太子哀れなり。
昔、光明皇后より丈六の釈迦三尊を賜ったとあり大仏さまがあったことになります。淳和天皇から薬師三尊を賜ったり多くの仏像があったようです。しかし、五重塔が落雷により焼失したり、多武峰の僧兵により焼かれたりして殆ど残っていないようです。
境内の二面石が良い。吉備姫王古墳にある猿石と同じ種類の顔面石です。亀石は、当麻の大蛇と飛鳥湖の大亀と戦い亀が石にされてしまったために沼が干上がり飛鳥盆地になったと言う話があります。亀石が当麻の二上山の方角へ向くと大亀に戻り、橿原一帯沼に戻るとのこと。大和三山は沼に浮かぶ小島と言うことになります。他に鬼の雪隠などの石文化が栄えた飛鳥時代、どこから石を持ってきたのかと言う話があります。この地に大きな石はなく、木津川や大和川周辺しかない。運河を掘って運んできたと言うのが信憑性のある話です。飛鳥寺近くに運河跡が発掘されています。飛鳥、法隆寺、道明寺、四天王寺と大和川で結ばれています。
御詠歌
仏いで 花ふるにはの ありけるに
遠きくにとは 何おもうらん