プロレス玩具箱

プロレス&格闘技、本と映画を愛する、武闘派文系管理人・りらが、プロ格中心にあれこれ放り込む玩具箱です。同好の士、歓迎。

観戦記~ZERO-1MAX10.10後楽園ホール大会『Interception』

2005-10-10 23:30:26 | プロレス
ZERO-1MAX10.10後楽園ホール大会『Interception』の二日目も観戦。初日の10.9の観客数が1500人、10.10は1400人と連休にしては気持ち寂しいけど、盛り上がりは両日ともかなりのもの。
 二日続けてサンドマンの参戦があったこと(これでECWファンが来た)と、10.10は新日の金本浩二の参戦があり、明らかに「アニキ」ファンが来場していこと、そしてZERO-1MAX的には重要なタイトルマッチも複数あったことで、熱気いっぱいの会場だったと思う。
 私が特に期待していて、実際見ごたえがあったセミとメイン。このふたつを今のうちに書いておこうかな。
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                    ★ZERO1-MAX 対 新日本★
             ●佐々木義人   VS   金本浩二(新日本プロレス)○      
 
                   (10'00 レフェリーストップ ※失神)
 10.8新日本プロレス東京ドーム大会で、タッグで対戦していたふたり。その試合では高岩が井上亘から勝利を奪ったため、金本からすればこの日の試合は一応はリベンジマッチ。 金本が入場すると、彼目当てで来ていた熱心なファン(主に女性^^)からは熱い「アニキ」コール、それ以外の客の多くからはブーイング。
 とにかく印象的だったのは、金本が終始楽しそうでイキイキとしていたこと。義人とどつきあったり、エグい技をかけたりしながらどうかすると笑みがこぼれるくらい。それもシニカルな笑いというより、本気で楽しそうな笑顔にみえて、こんな金本は私は初めて見るわ、という感じ。 その姿を見ていてあれを思い出した。あの、全日本プロレスの代々木大会に参戦した時の、蝶野正洋の楽しげで元気な姿w
 勝ち負けで言えば義人の負けだけど、金本との自分、そしてZERO-1MAXの間にしっかりと絆を作れる闘いをした義人、すごく良かったよ。うん。

リングに上がった直後から角付き合わせる状態のふたり。
この後、先に行動に出たのは金本。初手からビシビシ張り合いでスタート。

やや劣勢ながら、やられたらやりかえす!
ロープ越しのブレンバスターで場外に投げ捨てられ、
場外でも床に叩きつけられながら、絶対に目が死なない義人。

この笑顔。

義人の魅力のひとつは感情も表情も豊かなところ。
なおかつ、気取らないところが彼の強みのような気がする。

ぼこぼこにやられながらも「全然効いてねぇ!」と顔で現す義人。

アンクルホールドで逃げても逃げても引き戻され、あわやという場面で
金本のつま先に噛みついて逃れた。ブレークしてもしばらく噛みついてたw

スピアー、ラリアットからアルゼンチン・コースター!

かなり粘り反撃した義人でしたが、金本の鋭い蹴りを横面にもろに受け、
その後馬乗り状態で殴られて失神→ レフェリーストップで幕切れ

試合後、金本はマイクを持ち、
「今日は、クソッタレ新日本を背負って来たのと違うぞ。
東京ドームの借りを、自分自身の落とし前を自分でつけに来たんじゃ」
「そこのボク。お前の熱い気持ちはオレのここにしっかりと響いた。
佐々木義人。やるやないかい」


 この後、金本は暗に高岩を指してリングに上がれと要求。応えて高岩が上がり、ふたりがにらみ合ってお互いの頬にビンタ1発…そこでようやく起き上がった義人、まず高岩を突き飛ばし、次いで金本に掴みかかり。そしてマイクをひったくり、「高岩!オマエの出てくる幕じゃねえ!」と顔をくしゃくしゃにして叫び、金本にもう一度やれ…と言いたかったみたいだけど、気持ちが先走って興奮してるから何言ってるかよくわからずw
 金本も「はぁ?」みたいに耳に手を当てるジェスチャーをして一瞥するとリングを降りてしまったけれど、顔にはいい感じの笑みが浮かんでましたね。
 全身から悔しい気持ちが、にじむというより迸り出ていた義人。悔しすぎてもう泣きそうっていうくらい歪んだ顔がなんともいえない。またきっと金本とも、井上亘ともやる機会があるだろうから、そのときにはそれがZERO-1MAXのマットでも新日のマットでも、できる限り観に行きたいなぁと思ったよ。
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             ★NWAインターコンチネンタルタッグ選手権★
               佐藤耕平          日高郁人○
              ●崔 領二      VS     藤田ミノル
   
                       (19'03 飛打キャッチα)
         ※第13代王者が4度目の防衛に失敗。日高・藤田組が第14王者となる

 …いやー、もう、なんか複雑な気持ち。日高と藤田も好きなんだけど、耕平を応援している私としてはこの結果はね…大谷たちから頑張ってこのベルトを獲った時の試合も観ているし、まさかこんな形で失うとは。
 結果もさることながら、会場の応援が明らかに日高・藤田組に寄っていたのも驚いた。彼らが人気あるのは十分知ってるけど、もう少し耕平・崔組への応援もあると思ってた。確かに『火祭り』の時にも、耕平も崔も今ひとつ鋭さや粘りがないような、と思わないでもなかったので、長い目でみてこれがカンフル剤になればいいとは言うものの。敗れた後のふたりの呆然とした姿をみているのは、こっちもしんどかったなぁ。
 ただしそう思うのは少数派なのかも。日高・藤田が勝利した時の歓声と拍手は非常に多かったし気持ちがこもってた。思わず立ち上がった人も多かった。
 彼らの試合内容も文句なしによく、ヘビー級ふたりを相手に何度も劣勢に追い込まれ、マットに叩きつけられ重たいキックを浴びせられても立ち上がり、カットに入り粘りに粘った。その結果、勝利を手にした。その結果のWタイトルであって、幸運で転がり込んだものではないと思うから。

試合前の藤田。緊張の面持ち。

日高は傍目にはいつも通りの印象。試合前によく見せるポーズ。


試合は日高と崔から。始まりは静かで腕の取り合いから関節のかけあいへ。
意識的になのか、得意の蹴りはなかなか出さない崔。

日高VS耕平。耕平の腕の傷は、先日の松永とのデスマッチの時に
つけられた傷だと思う。まだ生々しい。

体格差がこういう技に如実に出る。
かなりの高さまで持ち上げて凄い勢いで叩きつける。

崔のセントーンのダメージからか、割合早い段階で鼻や口から出血した藤田。
崔、どちらにか忘れたけどコーナーからのダブルフットスタンプも入れたよね…

重たい蹴りを得意とする二人から同時に蹴りを入れられる…

タッチしたくてもなかなか手の届かない相方に呼びかけつつ手を差し出す。


後半、かなりダメージが蓄積してる様子の藤田。

         …が、耕平も楽ではない。大技を多く出した分、力をかなり消耗したはず。
よく担ぎ上げた。ここから得意技「サヨナラ」へ。


10.9で大森たちに対しても使った合体技。
ここから崔がミサイルキックで日高を蹴り落とした。


 体格差とパワーの差がじわじわ効いて、やっぱり耕平たちが勝つんだろうなと思いつつ見ていたのに、藤田と日高は執拗に食い下がり。最後はキックで決めようとロープに振った崔の一瞬の動きをついた日高の丸め込みで3カウントが入り、挑戦者側の勝利。
勝った彼ら自身、一瞬表情も動きも止まり、次の瞬間日高に藤田が抱きついた。

しばし呆然と突っ立っていた耕平が、思わず…

崔はこの姿勢のまま、かなり長いこと動かなかった。

ベルトを巻いた勝者。

どちらも何か言いそうで、言いたそうで結局互いに何も言わず。

試合後、マイクをまず持ったのは藤田。なかなか言葉が出てこない。
出てきた言葉は応援へのお礼と、自分たちはZERO-1MAXを大きくするために
情熱と人生のすべてを賭けて頑張っている、といういつにない真面目な言葉。
最後は日高が締めました。

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 この新しいチャンピオン誕生で、次からどう展開していくんでしょうね。
 安田に裏切られた大森もまだベルト奪取の望みを捨てたわけではないだろうけど、大森が神風なりと組んで、日高・藤田に挑戦するのか、あるいは若手が狙っていくのか。
 そして佐藤耕平と崔はどう動くのか。
 この敗北と関係しているかどうかはわからないけど、耕平は来月、急遽ロシアに行って総合の試合に参戦することが決まったらしいし。気になるところです。

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9 コメント

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あっ (dai100)
2005-10-11 00:28:32
赤パンツいましたね~^^

あと、佐々木ってスピアーが得意技なんですね。ドームでもきれいに入ってた。アルゼンチンバックブリーカーから落とす技は、小橋のバーニングハンマーと同じですよね?

金本のくそ新日本ってのが気になりますね。もしや?
返信する
Unknown (愛子)
2005-10-11 09:31:00
フリーからゼロワンの所属になった藤田・日高を、まぁ、なんか。。。ある意味団体のスターというか売りにしていくのでしょうかね。

人気ありますよね。

そんな私も藤田・日高は結構好き。

ディファカップの丸藤・KENTAとの決勝は感動しました~。
返信する
いいですね~ (かず@2年目)
2005-10-11 15:46:01
ZERO-1熱いですね!

まさか新日本でかませ犬キャラとして売り出された藤田がここまでくるとは!



そんで金本。

惜しいなぁ。やっぱ今の新日本いちゃ腐っちまうぜ。
返信する
いいっすよ^^ (りら)
2005-10-11 16:06:53
>dai100さん

義人の得意技というとスピアーとアルゼンチン・コースターが思い浮かびます。

後者が小橋のその技と同じかどうかは、小橋の方のを知らないんで…(汗

背はないけどパワーあるので、ラリアットもイケますよ



金本はねー。長州現場復帰の件もあるので、去就に要注意かも。

継続参戦は絶対ありそう。金本自身は「次は高岩」と言ってました。



>愛子さん

日高・藤田はほんと人気ありますよね。私もディファカップ決勝は

観に行ってまして、彼らの試合は叫びまくってもう大変でした^^

藤田たちもZERO-1MAXにかける思いはかなり強いみたいですね。



>かず@2年目さん

おお、なんだかお久しぶりではないですか~。

金本はね、観客からも「こっちに来いよ!」と言われてました^^

年齢的にも先のこととか、色々考える時期ではあるんでしょうねー。
返信する
うれしいわああ (ゆっき)
2005-10-11 17:20:03
藤田・日高組が ヘビーからとっちゃった~~って感じでした。

でも GKが ZERO-1MAXに対する思いが強い方が勝った・・ような話をしていました。。

確かに 外に目を向けないで 自分たちがZEROのマットにお客さんが来るようにしたい。。会社に対する思いが凄く強いのが試合後のコメントから良くわかりましたね。。

VTR必ず見なきゃ♪
返信する
思いの強さ (りら)
2005-10-11 20:20:33
>ゆっきさん

日高・藤田は本当に凄いこと達成しましたよね~。今までも人気あったけど

これでもっともっと上へいくことでしょう。

それとは別に、私は耕平たちにもっと頑張ってほしいんです。

ZERO-1MAXが大きくなるためには彼らの力、存在を大きくすることも

絶対に大事だと思うし、まぁ単に好きな選手だからっていうのもあるけど^^

これをいい機会にさらに一皮剥けてもらわないと!
返信する
観戦お疲れさまです! (ばーにんぐK)
2005-10-11 21:38:39
写真の一枚一枚にリングの熱気を感じます。

キャプション(写真説明)も丁寧で伝わります。

金本の顔を見て、やりたいプロレスがここにあるのかな…と思いました。

それも佐々木が喧嘩を売ったからこそ。ゼロワンの男達は逞しいと感じました。
返信する
タッグで2冠! (あんちゃん)
2005-10-12 00:57:13
ジュニアがヘビーに勝つこと自体がうれしいし面白いと思っているので、藤田、日高組には素直におめでとうです。

金本アニキはZERO1-MAXに来た方がまだまだ輝けるんじゃないかと思います(あっちでは輝いてないという意味じゃなく)

ここにも赤タイツいましたw
返信する
赤タイツ… (りら)
2005-10-12 21:32:22
崔のタイツは後は赤だけど前は白も使われてるんですよ~w



>ばーにんぐKさん

ありがとうございます^^

義人は今、ZERO-1MAXの中でも有数の逞しく、元気のある男だと

思います。日高・藤田の存在感と人気もこれでまた上がるでしょうし、

この勢いで団体もステップアップするといいですよね~。



>あんちゃん

そうねー、ジュニアの選手は私も好きだし、日高・藤田の勝利は嬉しい。

でもその一方で耕平たちのことも同じくらい気にかかってます^^;

これでもっともっと強くなってくれると思いますけど。

金本待望論は多いですね! 少なくともVS高岩、VS大谷の試合は

絶対観たいよね。それもZERO-1MAXのリングでね。
返信する

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