本日倒産した醤油メーカー・サンビシ。
早速、有価証券報告書を見てみました。
結果論かも知れませんが、ガバナンスがメチャクチャ。
こんな会社が公開企業だったんですね。
まずは、帝国データバンクの倒産情報から。
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2005/10/28(金)
醤油・調味料製造販売
名証2部上場
サンビシ株式会社
民事再生法を申請
負債95億円
サンビシ(株)(資本金3億9200万円、愛知県宝飯郡小坂井町篠束若宮53、
代表及部久嗣〔およべ・ひさし〕氏、従業員83人)は、
10月28日に名古屋地裁へ民事再生法を申請した。
当社は、1896年(明治29年)12月創業、1920年(大正9年)5月に
法人改組した醤油・調味料メーカー。
東海地区を営業基盤として、62年に名証2部へ上場していた。
醤油の扱いが全体の70%を占め、自社製造100%で一部仕入販売も手がけ、
96年には住宅部門を開設、近年のピークとなる2002年3月期には
年売上高約52億8700万円を計上していた。
その後は景気低迷による消費抑制や価格下落などから、
2005年同期の年売上高は約44億6300万円に低迷していた。
こうしたなか、サンビシ商事(株)(同所、同代表)
が別途設立した子会社を通じて行っていたデリバティブ取引で
多額の損失が発生。
これに伴いサンビシ商事(株)が保有していた同子会社への
貸付金約57億円が回収不能となり、同社は10月28日に名古屋地裁へ
自己破産を申請していた。
これにより、当社がサンビシ商事(株)に対して保有していた
合計46億2700万円の債権が回収不能となり、2005年9月中間期に
貸倒引当金を計上することで約20億円の債務超過となる見込みとなり、
今回の事態となった。
負債は2005年9月末で約95億円。
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(独断と偏見の解説)
文中に出てくる「サンビシ商事」。
サンビシ製品の販社のようです。
ところが、
これが連結子会社になっていない。
サンビシは子会社が無く、
単独決算しか開示していない会社なのです。
サンビシ商事は、
当社(サンビシのこと)の上位株主であり、
当社と同一オ-ナーによる兄弟会社なのです。
当社とサンビシ商事の関係は有価証券報告書の
「販売先の状況」や「関連当事者との取引」欄にありますが、
・当社売上の4割くらいがサンビシ商事向け、
・当社からサンビシ商事に年間70億円超貸し付け、同額回収。期末残7億円。
連結されないことをいいことに、やりたい放題。
これなら押し込み販売も容易にできますし。
もともと粉飾しやすい状況にありました。
今回の教訓としては、
「上場会社のオーナーによる兄弟会社」がある場合には、
有価証券報告書「関連当事者との状況」などで分かる範囲で
当該上場会社との取引関係を確認すべき。
不透明な状況であれば、株主であれ債権者であれ是正を求めていく。
ということなのでしょうか。
ここの担当会計士は何やってたんでしょうかねぇ?
文句言えなかったのでしょうね。中小みたいですから。
それにしても、イカリソースに続き、醤油メーカーも破綻。
次はケチャップ?それともマヨネーズ?
早速、有価証券報告書を見てみました。
結果論かも知れませんが、ガバナンスがメチャクチャ。
こんな会社が公開企業だったんですね。
まずは、帝国データバンクの倒産情報から。
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2005/10/28(金)
醤油・調味料製造販売
名証2部上場
サンビシ株式会社
民事再生法を申請
負債95億円
サンビシ(株)(資本金3億9200万円、愛知県宝飯郡小坂井町篠束若宮53、
代表及部久嗣〔およべ・ひさし〕氏、従業員83人)は、
10月28日に名古屋地裁へ民事再生法を申請した。
当社は、1896年(明治29年)12月創業、1920年(大正9年)5月に
法人改組した醤油・調味料メーカー。
東海地区を営業基盤として、62年に名証2部へ上場していた。
醤油の扱いが全体の70%を占め、自社製造100%で一部仕入販売も手がけ、
96年には住宅部門を開設、近年のピークとなる2002年3月期には
年売上高約52億8700万円を計上していた。
その後は景気低迷による消費抑制や価格下落などから、
2005年同期の年売上高は約44億6300万円に低迷していた。
こうしたなか、サンビシ商事(株)(同所、同代表)
が別途設立した子会社を通じて行っていたデリバティブ取引で
多額の損失が発生。
これに伴いサンビシ商事(株)が保有していた同子会社への
貸付金約57億円が回収不能となり、同社は10月28日に名古屋地裁へ
自己破産を申請していた。
これにより、当社がサンビシ商事(株)に対して保有していた
合計46億2700万円の債権が回収不能となり、2005年9月中間期に
貸倒引当金を計上することで約20億円の債務超過となる見込みとなり、
今回の事態となった。
負債は2005年9月末で約95億円。
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(独断と偏見の解説)
文中に出てくる「サンビシ商事」。
サンビシ製品の販社のようです。
ところが、
これが連結子会社になっていない。
サンビシは子会社が無く、
単独決算しか開示していない会社なのです。
サンビシ商事は、
当社(サンビシのこと)の上位株主であり、
当社と同一オ-ナーによる兄弟会社なのです。
当社とサンビシ商事の関係は有価証券報告書の
「販売先の状況」や「関連当事者との取引」欄にありますが、
・当社売上の4割くらいがサンビシ商事向け、
・当社からサンビシ商事に年間70億円超貸し付け、同額回収。期末残7億円。
連結されないことをいいことに、やりたい放題。
これなら押し込み販売も容易にできますし。
もともと粉飾しやすい状況にありました。
今回の教訓としては、
「上場会社のオーナーによる兄弟会社」がある場合には、
有価証券報告書「関連当事者との状況」などで分かる範囲で
当該上場会社との取引関係を確認すべき。
不透明な状況であれば、株主であれ債権者であれ是正を求めていく。
ということなのでしょうか。
ここの担当会計士は何やってたんでしょうかねぇ?
文句言えなかったのでしょうね。中小みたいですから。
それにしても、イカリソースに続き、醤油メーカーも破綻。
次はケチャップ?それともマヨネーズ?
素人でもPBRとかPERとか配当とかは少し気にして株を売買しますが、なかなかバランスシートまでチェックできないのが現実だとおもうんです。
こういうこともあるのでは取引の際にもう少し慎重な下調べをしようと思います。この記事はとても勉強になりました!
経理的なことには疎いので、あの決算報告を見ても、変だとしか思えなかったのですが・・・
良かった、公認会計士さんから見てもおかしかったんだ~と、ちょっと、安心。
ありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきました。
O社長は、T大出で商社勤めの経験があって、初めから醤油製造に興味も関心も無かったのだと思います。
上層部の一族連中は、血も涙もない冷血人間でしたが、下々の人々は優しくて暖かくて、とても楽しい日々を送らせてもらいました。(懐かしいな~~)
工場の現従業員は、朝夕時間を省みずお詫び行脚の旅をしているそうです。
退職以来、Sの製品を今まで一度も購入した事は無かったけどこれからは買ってあげたいと思います。皆さんも買ってあげてください。。。
私は、サンビシは財務状況は悪くないと思っており、株価のチェックリストに入れていました。もし買っていたらと思うとぞっとします。
倒産するような株には、一見とても見えませんから。
でも、数字だけ見てはいけないということがよく分かりました・・・。
これだけ貸付金やら取引があったら、
実質支配力基準でサンビシ商事が子会社になりそうな気もしますが。
株主構成がまったくわからないので憶測以上の何者でもありませんが。
ただ、きららさんの社長の話を聞く限りは、粉飾っぽい感じがして仕方がありません。