いやぁー、W杯。
サッカー音痴の私ですが、もうドイツ優勝だと思います。
スウェーデン戦、開始5分のポドルスキのゴールで、
私の中でW杯は終わりました。
チームは若いし、ホームの後押しも大きく、上り坂の「勢い」を感じます。
まっ、どこかで外れたら、からかって下さい。
そして日本代表の監督に千葉・オシム氏が浮上とか。
メディアの評価を見ると(これが曲者ですけど)、良い監督のようです。
惜しむらくは、年齢65歳とご高齢なことですかねぇ(←一応、ダジャレです)。
さて本日のネタは、W杯に因みまして、日経ビジネス2006.6.26号にあった
「もう一つのW杯 -FIFA肥大化の歴史に電通あり」のご紹介。
原文もぜひご覧下さい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・電通とFIFAの関係史
1977年 電通がペレの引退試合(国立)を企画、6万5千人の観衆を集める。
それを聞きつけたFIFAのブラッター氏が当時担当していた
ワールドユース大会をどう盛り上げるか相談するために
電通に接近。
1982年 同じくペレ引退試合で電通に着目した独アディダスが、
電通との折半出資でスイスを拠点とする「ISL」社を設立。
1996年 ISL社は日韓大会、ドイツ大会の全世界の放送権を、
独のメディア企業グループ、キルヒ社と共同で一括購入。
ISLの購入額は2大会分で28億スイスフラン(当時の為替で
約2,300億円)
電通は、日本におけるスポンサー権と放映権の優先交渉権を
保ちながら、ISLへの出資比率を10%程度に引き下げ
(←ISLと基本的にスピリットが違うためとか)。
1998年 ブラッター氏がFIFA会長に就任
1999年 日本への放映権交渉開始。
ISL側は2大会一括で6.5億スイスフラン(同約600億円)
(1大会300億円でも、NHKがフランス大会で支払った放映権
料の50倍以上)
2000年 日韓大会の交渉が暗礁に乗りかけた時、救世主「スカパー」登場。
日韓大会全64試合の放送権を約130億円(同誌推定)で購入。
この他、NHKと民放が一括購入して分け合う
「ジャパン・コンソーシアム(JC)」方式で69億円(同誌推定)。
2001年 FIFA,100%出資のスポーツマーケティング会社
「FIFAマーケティング」を設立(→ISL破綻の直前)
ISL破綻
(男子テニスの放映権獲得に12億ドルもの巨額投資が引き金)
2002年 キルヒ破綻
(衛星子会社「プリミエール」への過剰投資が引き金)
ISLとキルヒの権利はFIFAマーケティングが引き取り。
2004年 電通はCS(通信衛星)に続いて登場したBS(放送衛星)
デジタル放送に照準を向け、BSデジタル普及への先行投資の
名目でJCの拠出額を上げさせた。
結果、総額153億円(NHK107億円、民放36億円、
スカパー10億円)(いずれも同誌推定)で決着。
うちJCで143億円と前回大会の2倍超に引き上げさせた。
→NHKのBSで全64試合を生放送。
地上波生放送は民放とNHKが各20試合。
2005年 電通は、2007~2014年のFIFA主催大会の国内向け
放映権をFIFAマーケティングから獲得。
(同誌によれば、電通は南ア大会の国内向け放映権料として
総額250億円を目指していると)
欧州放送連合などは、2010年南アフリカ大会の欧州向け放映権
を総額10億ユーロ(約1340億円)でFIFAマーケティング
から獲得
2006年 電通とスイス「インフロント」社は2007~2014年の
FIFA主催大会の日本以外のアジア向け放映権を
FIFAマーケティングから共同で獲得
(取得金額350億~400億円)。
インフロント社・・・・キルヒ破綻時にその一部が母体となった
スポーツマーケティング会社。ISLとキルヒが共同設立した
放送製作会社HBSも、現在インフロント社の子会社。
HBSは、日韓大会からW杯の全ての国際映像の製作を一手に
引き受けている
(HBSの部門責任者は、ブラッター氏の親戚だとか)。
電通の狙いとして、収益性の高いスポーツ映像制作のノウハウ獲得
の思惑もあるとか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(コメント)
①そりぁ、日本の放送局からすれば、高額な放送権料を少しでも回収するには、
高い視聴率が取れる時間帯で日本戦の生中継がしたい、と思うのは経済合理性
から見て当然といえば当然。
でもその結果、日本チームは、やはり不利な時間帯で試合をせざるを
得なかった。
ブラジル戦の後半の失点も、前2試合での酷暑でのダメージがボディブローの
ように効いていたと書いたら、彼らを庇い過ぎでしょうか。
先日、「日本は日本に負けたのかも」と書きましたが、
その思いを強くした次第です。
②しかし、頑張って全試合放送してくれているNHK。
よりによって受信料不払問題。
南アフリカ大会の日本国内の放映権料250億円ですか・・・。
次回はどこが頑張って無料放送してくれるのでしょうか。
南アフリカと日本の時差は、ドイツと同様7時間。
でも、6月の当地の平均気温は約10度と寒い。季節が逆ですから。
次回こそ現地午後3時の試合開始のほうが、ウエルカムかも知れません。
③でも、そもそも、日本が出場できるかどうかも分かりません。
南ア大会では、アジア出場枠が削られる見通しのうえに、オーストラリアも
予選に加わってきます。
(私見ですが)2002年から続いていたサッカーバブルも、
今回の惨敗、若手の台頭イマイチ、といった状況からすると、
収束に向かうかも知れません。
こうやって考えると、(思いっきり語弊がありますが)
今回のドイツ大会が、いろんな意味で、日本にとって
「W杯が身近に感じられる最後の大会」かもしれませんね。
サッカー音痴の私ですが、もうドイツ優勝だと思います。
スウェーデン戦、開始5分のポドルスキのゴールで、
私の中でW杯は終わりました。
チームは若いし、ホームの後押しも大きく、上り坂の「勢い」を感じます。
まっ、どこかで外れたら、からかって下さい。
そして日本代表の監督に千葉・オシム氏が浮上とか。
メディアの評価を見ると(これが曲者ですけど)、良い監督のようです。
惜しむらくは、年齢65歳とご高齢なことですかねぇ(←一応、ダジャレです)。
さて本日のネタは、W杯に因みまして、日経ビジネス2006.6.26号にあった
「もう一つのW杯 -FIFA肥大化の歴史に電通あり」のご紹介。
原文もぜひご覧下さい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・電通とFIFAの関係史
1977年 電通がペレの引退試合(国立)を企画、6万5千人の観衆を集める。
それを聞きつけたFIFAのブラッター氏が当時担当していた
ワールドユース大会をどう盛り上げるか相談するために
電通に接近。
1982年 同じくペレ引退試合で電通に着目した独アディダスが、
電通との折半出資でスイスを拠点とする「ISL」社を設立。
1996年 ISL社は日韓大会、ドイツ大会の全世界の放送権を、
独のメディア企業グループ、キルヒ社と共同で一括購入。
ISLの購入額は2大会分で28億スイスフラン(当時の為替で
約2,300億円)
電通は、日本におけるスポンサー権と放映権の優先交渉権を
保ちながら、ISLへの出資比率を10%程度に引き下げ
(←ISLと基本的にスピリットが違うためとか)。
1998年 ブラッター氏がFIFA会長に就任
1999年 日本への放映権交渉開始。
ISL側は2大会一括で6.5億スイスフラン(同約600億円)
(1大会300億円でも、NHKがフランス大会で支払った放映権
料の50倍以上)
2000年 日韓大会の交渉が暗礁に乗りかけた時、救世主「スカパー」登場。
日韓大会全64試合の放送権を約130億円(同誌推定)で購入。
この他、NHKと民放が一括購入して分け合う
「ジャパン・コンソーシアム(JC)」方式で69億円(同誌推定)。
2001年 FIFA,100%出資のスポーツマーケティング会社
「FIFAマーケティング」を設立(→ISL破綻の直前)
ISL破綻
(男子テニスの放映権獲得に12億ドルもの巨額投資が引き金)
2002年 キルヒ破綻
(衛星子会社「プリミエール」への過剰投資が引き金)
ISLとキルヒの権利はFIFAマーケティングが引き取り。
2004年 電通はCS(通信衛星)に続いて登場したBS(放送衛星)
デジタル放送に照準を向け、BSデジタル普及への先行投資の
名目でJCの拠出額を上げさせた。
結果、総額153億円(NHK107億円、民放36億円、
スカパー10億円)(いずれも同誌推定)で決着。
うちJCで143億円と前回大会の2倍超に引き上げさせた。
→NHKのBSで全64試合を生放送。
地上波生放送は民放とNHKが各20試合。
2005年 電通は、2007~2014年のFIFA主催大会の国内向け
放映権をFIFAマーケティングから獲得。
(同誌によれば、電通は南ア大会の国内向け放映権料として
総額250億円を目指していると)
欧州放送連合などは、2010年南アフリカ大会の欧州向け放映権
を総額10億ユーロ(約1340億円)でFIFAマーケティング
から獲得
2006年 電通とスイス「インフロント」社は2007~2014年の
FIFA主催大会の日本以外のアジア向け放映権を
FIFAマーケティングから共同で獲得
(取得金額350億~400億円)。
インフロント社・・・・キルヒ破綻時にその一部が母体となった
スポーツマーケティング会社。ISLとキルヒが共同設立した
放送製作会社HBSも、現在インフロント社の子会社。
HBSは、日韓大会からW杯の全ての国際映像の製作を一手に
引き受けている
(HBSの部門責任者は、ブラッター氏の親戚だとか)。
電通の狙いとして、収益性の高いスポーツ映像制作のノウハウ獲得
の思惑もあるとか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(コメント)
①そりぁ、日本の放送局からすれば、高額な放送権料を少しでも回収するには、
高い視聴率が取れる時間帯で日本戦の生中継がしたい、と思うのは経済合理性
から見て当然といえば当然。
でもその結果、日本チームは、やはり不利な時間帯で試合をせざるを
得なかった。
ブラジル戦の後半の失点も、前2試合での酷暑でのダメージがボディブローの
ように効いていたと書いたら、彼らを庇い過ぎでしょうか。
先日、「日本は日本に負けたのかも」と書きましたが、
その思いを強くした次第です。
②しかし、頑張って全試合放送してくれているNHK。
よりによって受信料不払問題。
南アフリカ大会の日本国内の放映権料250億円ですか・・・。
次回はどこが頑張って無料放送してくれるのでしょうか。
南アフリカと日本の時差は、ドイツと同様7時間。
でも、6月の当地の平均気温は約10度と寒い。季節が逆ですから。
次回こそ現地午後3時の試合開始のほうが、ウエルカムかも知れません。
③でも、そもそも、日本が出場できるかどうかも分かりません。
南ア大会では、アジア出場枠が削られる見通しのうえに、オーストラリアも
予選に加わってきます。
(私見ですが)2002年から続いていたサッカーバブルも、
今回の惨敗、若手の台頭イマイチ、といった状況からすると、
収束に向かうかも知れません。
こうやって考えると、(思いっきり語弊がありますが)
今回のドイツ大会が、いろんな意味で、日本にとって
「W杯が身近に感じられる最後の大会」かもしれませんね。