◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

ローソン、オーゾン

2010-02-09 | 会計・株式・財務
お疲れ様です。

どうなったらこんなに損が膨らむのか、と職場でも話題沸騰でした。
まずは日経記事から。
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ローソン子会社専務ら、チケット代金不正流用 被害150億円に

 ローソンは9日、チケット販売を手掛ける連結子会社、ローソンエンターメディア
(東京・品川、LEM)の専務(38)と経理担当の取締役(53)が2008年10月から
今年1月にかけて、コンサート企画会社に支払うはずだったチケット代金を
不正流用していたと発表した。
LEMの被害総額は最大で約150億円に上る見通しという。

 ローソンとLEMは、専務ら2人や、不正に関与したとされる仲介会社の社長について、
背任などの疑いがあるとして捜査当局への刑事告訴や告発を検討するとともに、
民事上の責任も追及する方針。チケットを購入した消費者への影響はないという。

 ローソンの新浪剛史社長は同日、記者会見し「子会社への監視の目が行き届かず、
関係者の方々にご迷惑をおかけした。大変申し訳ない」と謝罪。
専務ら2人と、LEMの日比靖浩社長ら2人の計4人を事実上解任するなどの
社内処分を発表した。
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(以上引用終わり)


プレスリリースはこちら
  ↓ ↓ ↓
「株式会社ローソンエンターメディア取締役による不正行為の発覚について」


それでは決算短信でこの不正流用を検証してみましょう。
できるかどうかわからないけど。

■2008 年10 月31 日~2008 年11 月4 日
取締役がコンサート企画会社1社へ約23 億円支払う
  ↓ ↓ ↓
H21/2 第3四半期短信


p.4が貸借対照表。
23億円の支出があったワケですから、貸借対照表に何らかの痕跡があるはずですが・・・・・
営業未収入金28.5億円ですかね。この大半が不正支出だったのでしょうか。


■2009 年10 月1 日~2009 年12 月15 日

取締役が販売前のチケット代金の前払金名目でプレジール社に対し合計46 億円を送金
 ↓ ↓ ↓
H22/2 第3四半期短信


H21/11月末の状態ですので、46億円全額は送金されていません。
p.5が貸借対照表。営業未収入金が38.4億円に膨らんでいます。
前払金勘定は見当たらなかったので
またまた営業未収入金勘定で処理したのでしょうか?


しかし、それでは流石にバレバレでしょう。
もしかしたら負債サイドの営業未払金勘定を操作していたのかもしれませんね。


いずれにしろ総資産100億円超の会社でこれだけの資金流出があれば
とうの昔に足がつくはず。
どうやってここまで誤魔化すことができたのか、
関係者による真相究明に期待しましょうか。
それではまた。

なかのひと

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3 コメント

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Unknown (ぐりーん)
2010-02-14 02:24:00
こんにちは
”マクドナルド決算に思う”
その後のMcDonaldの決算はどう分析されますでしょうか?
色々、新しいアイデアを出して客である若者らには好評のようではありますが、店舗売却が進んでいるのでしょうか??

もし、お時間がお有りでしたら解説お願い申し上げます。
ローソン (丘の上)
2010-02-14 11:52:14
初めまして。いつも楽しみに拝見しております。
当方、某監査法人で監査に従事しているのですが、同業者としては、監査法人がどう対処したのか興味があります。四半期は分析中心といえども、これほどの規模なら異常を当然察知していたはず。

いろいろ追及してはみたものの、質問対応の最終責任者はこの件を主導した専務やCFO。結局逃げ切られてしまったというところなのでしょうか。

そうだとすると、内部統制は経営者不正には無力という典型例といえそうです。
これひどいですよね。 (as)
2010-02-18 12:36:52
プレジール側は投資会社も持ってるみたいなんで、それの損失穴埋めにでも使ってるんじゃないですかね。郵政との絡みも気になるし、こんなんじゃまともに投資なんてできませんよ。

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