中西正男の「ご笑納ください」

デイリースポーツで13年半、芸能記者として勤務。現在は朝日放送「おはよう朝日です」などに出演させていただいております。

吉本百年物語6月公演。

2012-06-13 15:44:15 | Weblog
吉本興業100周年記念公演「吉本百年物語」の6月公演「舶来上等、どうでっか?」(大阪・なんばグランド花月、7月1日まで)が昨日、初日を迎えました。

詳細は今朝のデイリースポーツにも掲載しておりますが(マートンの冗談、ブラザーコーンで困惑、アメマに晴れ間など盛りだくさん、デイリースポーツ)、ミュージカルの要素もふんだんに盛り込まれた華やかな舞台でした。

昭和初期を舞台に、主演の中川晃教さんは東京花月の責任者・林弘高を熱演。仙台生まれだけに、不慣れな大阪弁にも真っ正面から立ち向かい、歌やダンスの部分では「さすが‼」と誰をもうならせる力を発揮されていました。

林正之助を演じた寛平さんは普段のイメージとは違う重厚で迫力ある演技をされていましたが、しっかりと客席の空気を読んで、時折、絶妙に硬軟の軟を取り入れて大きな笑いを生み出してらっしゃいました。

ベテランお茶子役のアジアン・隅田さんは初めてのお芝居とは思えないほど堂々とした演技を披露し、奮闘されていました。

いちいち書き出せば、枚挙にいとまがないくらい、見所はあるのですが、中でも、僭越ながら、僕が心から感心させられたのは吉本新喜劇座長・川畑泰史さんの芝居力でした。

役柄として、3~4番手くらいの役となる吉本興業の事務員役でしたが、川畑さんが出てくると、それだけで舞台全体に、否、劇場全体に、何とも言えぬ安心感が生まれ、観客の側も落ち着いて舞台を楽しめる雰囲気になるのです。

やはり、普段からなんばグランド花月をホームグラウンドにしてらっしゃる川畑さんの強みが存分に発揮されている部分もあるのでしょうが、それにとどまらず、それを差し引いたとしても、舞台全体に安定感を与える川畑さんのお芝居、存在感というのは、すごいのだなと驚きました。

吉本新喜劇という枠を出て、普通のお芝居に出た時に、さらっとすさじい力を見せる。掛け値なしに、かっこいいなと思いました。

真壁刀義選手がフラッとUFCに出て、サクッと相手をボコボコにして、何事もなかったように、翌日からまたチェーンを腕に巻いてラリアットをする。そんな幻想を川畑座長に感じました。

そんな取材を終えて、吉本のプレスルームで原稿を書いて、劇場裏口から帰宅しようとしたら、出待ちをしているファンの方々がたくさんいました。

いろいろな人気者が出ている舞台だけに、すごい人数のファンだなと思って、駅に向かおうとしたら、その中の一人の男性が僕の方を向いて、おっしゃいました。

「もう、川畑座長出てきたで」

以前から、川畑座長との酷似具合には何度も言及してきましたが、昨晩は夜目遠目だったこともあり、しっかりと間違われたようです。

僕としては、あんなに腕のある方と間違えられるのは非常に光栄なのですが、続いて、男性のお連れの女性が口にされた言葉がショックでした。

「あ、ホンマや。口笛吹く人やな」

口笛を吹く人も、達者です。とっても、とっても。

僕を座長だと思った時点から“くすぶっていた”のかもしれませんが、お二人とも達者な方だけに、できれば、そこはしっかりと覚えていてほしかったです。

お金とお時間に余裕がある方は、是非とも「吉本百年物語」6月公演をごらんになってください。忘れようと思っても、間違えようと思っても、川畑さんが頭に焼き付くはずです。

重ねて、誠に僭越ながら、そんな思いが頭に渦巻いた夜でした。

プロレスラーが売る最大の夢は、強さだと思う37歳。






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