○田尾監督はよくやった・野村清原星野？！

東北楽天ゴールデンイーグルス，田尾監督解任ですか…。

田尾監督は本当によくやってきたと思います。
さまざまのプレッシャーに対しても，「１年目はベテラン優先で起用」
など，持論を曲げずにぶれない姿勢で１年よく戦ってきたと思います。

一方で，３年契約の１年だけで田尾監督を解任することについては
球団に対して非難・反対はしません。
極端な話，たとえ優勝しようと日本一になろうと，
来年のチームを指揮するのにもっとふさわしい監督がいて
複数年契約を途中で破棄してでもそちらに代えるほうが
(戦力・人気面で)メリットがあると球団側に判断されたら
下ろされてもやむを得ないのが勝負やビジネスの世界だと思います。
※かなり飛躍した例えでいうなら，第二次世界大戦中に英国で
　リーダーシップを発揮して戦勝に導いたチャーチル首相が
　戦後の政治を任せる選挙で敗退したように，「これまではこれまで・
　これからはこれから」の観点で考える必要があると。
イーグルスの場合，どんなに脆弱な戦力しか与えられず，
記録的な低勝率に終わった原因が監督の手腕によるものではなかったとしても，
大負けした１年目と同じ監督のもとで２年目も戦って
どれだけ上積みが見込めるかというと，大いに疑問が残るのも事実。
８月・９月に借金を大幅に減らしていたら話は別だと思うのですが…
ふがいない戦いを続け，田尾監督を守れなかった選手達の罪は重いです
（その選手自身も大部分は今オフに責任をとらされることになるでしょうが）。

後任には，ホークス（南海）・ヤクルト・タイガースで指揮をとってきた
野村克也シダックス監督の名が上がっているとのこと。
楽天新監督にノムさん決定的（8/26デイリー-yahoo）
楽天　新監督に野村氏有力　成績不振で田尾氏解任 （9/26河北新報-yahoo）
野村氏と親交のある清原和博選手の獲得も視野に入れた人事という話ですが…。

私は，清原選手の去就問題については，もし現役を続行するなら
8/17の記事で
> 僕が清原を評価できるのは，
> 完全出来高契約で楽天に行く場合だけです。
と書いており，ゴールデンイーグルスに移籍するのは
歓迎するにやぶさかではありません。

また，東北にあまりなじみのない同選手を
少しでも働きやすい環境で迎えたいという判断も理解できなくはありません。
ただし，億の年俸を用意して「お願いですから来て下さい」というような，
三顧の礼を持って彼を迎えるようなことだけはしてほしくないと思います。

私は清原和博選手を，事実上，巨人に移籍した時点で一度終わった選手と
思っており，97年以降の9年間に及ぶ巨人時代は自己満足の
ボディビルディングに明け暮れた年金生活だと思っています，
自己管理がまずいとしか思えない故障を毎年のように繰り返し，
３億だ５億だという年俸に全く見合わない働きをしておきながら
起用法に対する不満を漏らしてはばからない彼を
ファンと球団はその“存在感“だけでもてはやし厚遇し
本人もプロ生活＝ちやほやされること　という認識・態度となり，
結果，燃費の悪い一発屋に堕してしまうという悪循環を，
（現役を続けるのなら）今，断ち切らなければなりません。

そのためには，お金を積まれたから楽天に行く，
レギュラーが保証されているから移籍するというのではなく，
他のどこにも行くところがない実力しかないという現状を直視し
「野球できることが楽しい」「使ってもらえることが幸せ」
という気持ちでシーズンに臨めるよう,
肉体改造なんかよりも「精神改造」が必要だと思います。
そうでなければ，ファンにもチームにも，
経営陣にも大迷惑をかけるだけに終わるでしょう。

また，ホリエモン潰しのためナベツネに請われて
新球団設立に手を挙げたというのに
「新規参入は経営黒字化が条件」と既存球団のオーナーに
プレッシャーをかけられて，ろくな戦力補強も行わず
１年目に乗り出したケチ谷オーナー.
エースが岩隈１人だけ，４番不在・スター皆無のチームが
どういう成績に至るか思い知ったと思います。
※昨年オフ，これでは戦えないと，
　機構にエクスパンションドラフトを要求しましたが
　球団数削減・１リーグ化に固執していた年寄りどもが
　そんな要望に応じるわけがなく，理屈的にも自らが望んで
　新規参入したという建前上，選手の無償移譲を義務づける
　ような要望が通用するなど甘すぎる考えでした。

監督を代えても，清原選手が４番レギュラーに座れるような戦力なら
来年も最下位は指定席確定です。清原選手が挑戦者に
ならざるを得ない（守備位置＝ＤＨはともかく打順で）陣容を
作る必要があります。
いくら安い予算でやりくりしようにも，ベテラン・中堅の
層が薄すぎる状態で若手にチャンスだけ与えても
簡単に成長できるわけもなく，
ましてその中からスターが生まれる可能性に期待するなど
あてずっぽうのバクチ以外の何物でもありません。
球団の経営陣は早急によそから戦力を買ってきて
他球団と互角に戦える戦力を整える必要があります。
ファンが見捨てる前に，きちんと投資ということになるでしょう。

■その上でノムさんに期待。
なんといっても南海監督時代，阪神のエースと呼ばれながらボロボロの状態で
放出された江夏投手を，一緒に腕立て伏せをやりながら立ち直らせ，
救援投手の地位が確立されていなかった時代に
プライドが高く先発にこだわっていた同投手を
「野球界に革命を起こしてみないか」の言葉で口説き落として
「守護神」「優勝請負人」に“育て上げた”野村再生工場です。

さすがにあの頃のエネルギーはないかもしれませんし
タイガース時代は最下位ワースト記録をつくり
今岡選手を干したことばかりが印象に残る有様ですが
星野監督に代わって火をつけたとたんブレイクするくらい
戦力を底上げできていたことは事実です。
弱鷲軍団も野村監督就任となれば注目したいですね。
※そして結果を出すにはやはり核になる選手の存在が不可欠。
　岩隈のライバルになる先発投手に押さえ２人，
　打者ではスワローズ時代の古田選手のようなリーダーシップのある
　選手が欲しいところ。
　これはよそから買ってこなければいくら野村監督でも
　今年のドラフトで獲得して即Ａクラス争いというのは無理。
　タイガースの久万前オーナーに「あんたはツメが甘い」
　（四番とエースは獲ってこないとダメといいながら，
　誰が欲しい・いくら必要と具体的な話をしてこなかった。
　星野前監督はそこまでやった）と言われたノムさんですが，
　三木谷オーナーに対してはツメを辛くして臨めますかね？

■星野監督の名前が出ましたが，
堀内氏に代わって来年の巨人監督に就任するんじゃないか
いやもう決まっているとさんざん世間を騒がせてくれましたが
結局はタイガースのシニアディレクター続投という鞘に収まりましたね。
本当にがっかりしました。男・星野仙一の株は私の中で大暴落です。

私はなにも巨人に行って欲しいとは全く思っていません。
過去の記事でも
> 個人的には，星野さんと長嶋さんには特定の球団でなしに
> 球界全体の発展に貢献するような，コミッショナー職とか
> プロアマを統轄する組織の創設とかやってほしいんですけどね…。
と書いています。

では，星野仙一氏の何が私を失望させたのか？

巨人をダシにして自分の“商品価値”を高め，
現在所属する阪神球団の待遇アップに利用したのがみえみえな
一連の行動についてです。

同じリーグのライバル球団，しかも恩義のある人に頼まれて
とかいうならともかく現役時代から宿敵としてきた巨人ですよ。
そんな話題が持ち上がりマスコミに質問されたりしたら
彼のキャラクターなら
「シーズン中だぞ！非常識な。
　契約途中だし，そんなこと(巨人入り)はありえん！」
と正論をぶって完全否定するはず。

なのに，巨人との交渉を否定しなかったり，
そのうち「名前が挙がるのは光栄」と言い出したり。
正直気味が悪かったですし，
巨人入りありきの報道に，
私もそのつもりで成り行きを見守っていました。

ところが，あっさり留任ですもの。
だったら最初からそう言っていればいいでしょうよ！
否定しておいて，あとで一転・巨人入りということになったとしたら
当然裏切り者のレッテルはついてくるでしょうが
「あのケチでお家騒動の耐えない阪神のことだから，
　球団のほうが星野さんを追い出したんだろう」という空気も醸成されるはず。
球団経営陣ともめて２期目のドラゴンズ監督を辞任後
即タイガース入りしたときも，そりゃ名古屋では
裏切り者と思ってる人もいるでしょうが
２年目で優勝という結果を出して全国的に男を上げたわけです。
今回だって同じことが言えるのではないでしょうか。

とにかく，複数の球団を天秤にかけて自分の値を
つりあげるという人は僕は大っっっ嫌いなんです。
※今年，42歳で２ケタ勝利，ハーラーのトップを争うという偉業を成し遂げ
　ようやく見直すようになりましたが，当時ホークスの工藤投手が
　99年オフにＦＡ宣言して，大リーグだ巨人だ中日だと
　さんざん騒がせておいて長嶋さん直々の訪問
　（「セコムのおじさん」と呼ばれたと話題になりました）で
　決着がついた際も，最初からドラゴンズに来るつもりなど
　さらさらないのにあて馬として話を引きのばしていたのが
　みえみえで，それ以来彼のことはずっと嫌いでした。
　（自分の選手寿命を延ばすため１年おきにしか活躍しない点も含めて）

2002-2003年の監督業で功なし名を上げた星野さんが
健康上の理由で勇退後ついたシニアディレクターという
（2004年は違う肩書きじゃなかったかしら？）役職，
要するに肩書きであってほとんど仕事らしい仕事はない名誉職，
つまりは「相談役」なわけでしょう。
現場で戦っているのは岡田監督率いる今のタイガースなのだから
８千万ともいわれる年俸にもろもろの待遇を含めた報酬つきで
居座るのはどうかと思います。
先にも書きましたが，
「これまではこれまで・これからはこれから」。
過去の業績に敬意を表するのは当然としても，
２年も３年も引きずられては…。

監督通算１３年でリーグ優勝２回・日本一なしという程度の
“過去の栄光”で，天下りよろしく実体のない仕事で
高禄を喰むというのは…，もう「晩節を汚す」状態に
陥ってしまったのですか？
まだ58歳！と若いのに，一度得た利権は手放せないのでしょうか？
巨人入りすれば１年契約で10億とも報じられましたが，火中の栗は拾えないというか，
それも阪神での待遇を上げるためのネタにすぎなかったのか。

先週の週プレのコラムで江夏豊氏が
「星野ＳＤにできる最善の仕事は，どいてあげることだ」
と指摘したように，スパッときれいに身を引いて
巨人なりどこなりにでも行くか
報酬なしの肩書きだけを謹んで受け取って
自由な立場になるというのが
彼の美学にもかなったことではないでしょうか。

■過去の記事
04年12/6Ｇの１塁は清原ら４選手で競争－ホリツネ，遅いってば
05年4/29おめでとう清原５００号本塁打！(辛口)
8/10佐々木引退・大荒れ首位決戦
8/17の記事むかつきテレビあれこれ(杉田辻元ロンブ堀江清原)
9/3清原の去就・星野ＳＤの去就

絶対うまくなるバッティング ―確率を高め距離が伸びる スイングづくり 田尾安志 日本文芸社	星野仙一 猛虎革命 田尾 安志 小学館	女房はドーベルマン 野村 克也 双葉社	おうワイや! 清原和博番長日記 ―1997|05→2003|05 舩川 輝樹 講談社

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