タイガー＆ドラゴン 第五話「厩火事」の回

びっくり。
度肝を抜かれました。
まさかタイガー＆ドラゴンで泣かされるとは。

厩火事って、基本的には裏切りの話だと思うんですよ。
噺のほうは、「おまえさん、もろこしだよう」「おまえに怪我でもされてみろ、あしたっから遊んで
酒がのめなくなる」
というサゲでお笑いで幕ですが、亭主を試すっていうのはもう裏切りじゃないかと。
遊んで酒が飲めなくなる　っていうのは照れのようにも取れるし、本気のようにもとれますが（笑。
愛のフェイントとでもいいましょうか。

今回のタイガー＆ドラゴンも裏切り／フェイントの回でした。
前半、メグミのオープニングからしてもう裏切り（笑。メグミかよ。
竜二のアパートは、あれはもう江戸の貧乏長屋より酷い（笑。でもあれは長屋モチーフですねえ。
いろいろ、蕎麦屋の酒飲む飲まないとか、お母さんが「まりもちゃん泣いてるよ！」とか、
いろんな小ネタというか、フェイントをかましてくれましたね。あげくの果ては
孔子のいえ　で中国人芝居ですよ（笑。　虎の出囃子がいつのまにか出来てて、「仁義なき戦い」だったり（笑。
古田さんの芝居の勢いも加わって、かなりハイテンポの前半から、あれですよ。あの後半。
しかも「かんにんにん」で井上和香ですよ。

見てる自分もフェイントにうまく振られました。
まだうまく消化できてません。でもすごい回だった。
これ、タイガー＆ドラゴンではなくて、ドラマ史に残る１本だったんじゃないかなあ。

思いつくまま書きますが、竜二はそうとう「詰め」られてますね。
警察に身柄を引き取りに来たどん兵衛からもキツい一言を言われています。
古田に酒を飲ませた事も背負ってしまいましたし。その業が、「落語はうまいけど、
心にひびかない。何かが足りない」という竜二の捨てた「落語」にいつか
何かを与えるのでしょうか。

虎児が「受け入れられて行く」物語と、竜二が「受け入れられなくなる」物語
が並行して進んでいるような。
あと、ジャンプはボス片岡絡みではなく、セルフプロデュースっぽいのかなあ。
二つ目の噺家さんは仕事が無いと、自分や自分たちで会を立ち上げて
仕事を作ったりしてますから、そういうことなんでしょうか。

そうそう、ドラマ史に残る一本というと、新選組！の「友の死」山南切腹の回がありますが、
その翌週がとんでもなく弾けていた事を思い出しました。来週はヤバいぐらい笑える…かも。