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鳩山首相にとってすべては「ゆらぎ」なのか?(産経新聞)

2010-03-17 22:54:42 | 日記
 鳩山由紀夫首相は3月16日で政権発足6カ月を迎える。首相の自覚は多少は芽生えてきたのだろうか。それを推し量ることができそうな記者団とのやりとりが3月11日にあった。以下はその詳報である。

--政権発足半年が経って首相自身で一番変わったところはどこか

 「かなり決断、意思決定を求められるときが多い。また、野党時代に比べて、やはり意思決定における責任感の大きさを強く感じるようになりました。即断をかなり求められることも含めてですね。変わらなければいかんなと思いますし、徐々に自分自身が変わりつつあるなと思います」

--野党時代と比べて責任は重いですか?

 「責任はやはり重いですよね」

--想像していた以上か?

 「あまり想像もしていなかったものですから…。しかし、想像以上のものだと感じています」

 東京・永田町の首相官邸は、国家統治機構の頂点にあたる。だが、ガラス張りの瀟洒な建物は霞ヶ関の省庁群に比べ、あまりに小さいし、スタッフも少ない。

 なぜか。首相官邸は政策を最終的に「決済」するところだからである。つまり、首相の仕事とは「決断する」こと。どんなに悩ましいこと、辛いことでも首相が決断しなければ前に進まない。そしてその決断が日本の指針を決めることになる。歴代首相は日々悩み苦しみながら「決断」を続けてきたのだ。

 鳩山首相は就任半年になって、やっとそれに気づいたようだ。だが、遅すぎやしないか。しかも首相就任まで首相にとってもっとも求められることが「決断」であることを「あまり想像もしていなかった」のか。ホントに鳩山一郎元首相の孫なのか。

 頭の中が「?」マークでいっぱいになってしまうが、とにかく記者団とのやりとりを続けて追ってみよう。

--旧民主党代表当時、講演などで「民主主義の本質はゆらぎ」と言っていた。国民の声を取り入れて主義主張を変化することがあるという考えを示していたが、今でも民主主義の本質はゆらぎだと考えるか

 「物質の本質はゆらぎなんですよね。そういう意味であらゆる…。地球も宇宙というものも本質はゆらぎだと思っています。人の心も人間そのものもですね。さらにいえば民主主義自体もゆらぎだと。ひとつのものにすべてが何か確信的に決まっているということではなくて、ある意味で民主主義は多くの皆さま方の意見を聞かせていただきながら、その思いを大事にしていく過程の中で、ゆらぎ、まったく人の意見を聞かなければ、ゆらがないかもしれませんが、色んな意見を聞きながら、ゆらぎのなかで本質を見極めていくのが宇宙の真理ではないかな…」

 さすがは東京大学工学部計数工学科卒。首相には「我が意を得たり」の質問だったようで、まるで学校の先生のように喜々として、物理学における「ゆらぎ」論を説き始めた。そういえば、そよ風や潮騒など自然界の心地よい「f分の1ゆらぎ」が話題を集めたこともあったな。

 民主主義の本質が「ゆらぎ」だというのは当たっているような気がする。政権交代は大きな「ゆらぎ」、政局は小さな「ゆらぎ」…。「ゆらぎ」があるからこそ、国内外の情勢変化にしなやかに対応できる。独裁国家や社会主義国が最後はカタストロフィー(破滅、悲劇的な結末)を迎えたのは「ゆらぎ」がなかったからではないか。

 だが、ちょっと待てよ。民主主義における「ゆらぎ」を説きつつ、自らの「ゆらぎ」を正当化してはいないか。普天間飛行場移設問題で発言が二転三転したのは「ゆらぎ」とは言わない。これはただの「ブレ」です。もちろん心地よい響きもない。ついでに言えば、決断の先送りも「ゆらぎ」とは言わない。職務放棄であり、現実逃避ですよ。わかってますか?

 そういえば、首相は3月12日の参院予算委員会の集中審議でこのように大見得を切った。

 「日本丸は決してタイタニックではない。新しいエンジンのつけた。まだ波は高い。その波をいかにして静めていくか。道筋をつけて到達させるか。それが新政権の大きな役割だ」

 タイタニックは船が老朽化して沈没したわけではない。氷山に気づくのが遅れて衝突したから沈没したのだ。今の国内外の情勢は氷山だらけ。船長がゆらいだり、ぶれたりしてる余裕はない。(石橋文登)

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