発達障がい・こころのやまい

専門外ながら相談を受けることがあり、その際に読んだ本や集めた情報を書き留めました(本棚9)。

「躁鬱(そううつ)なんです、私。」(藤臣柊子 著)

2016-07-27 14:43:39 | 
帯:元祖・うつ漫画家の迷走日記
ポプラ社、2013年発行

当初、「うつのち晴れ」というタイトルでうつ病のカミングアウト漫画を書き始めた著者が、途中で診断名が「躁うつ病(双極性障害Ⅱ型)」へ変わったため、タイトルもこのようになったそうです。

これ、実はよくあるパターンらしい。
初発時にうつ状態だと、それがうつ病なのか双極性障害のうつ病相なのか、専門医師にも判別不能。
治療経過で、どうも抗うつ剤の効きが悪いとか、そう病相に気づいてはじめてわかるようです。

その過程が患者目線で書かれているこの漫画は、ある意味貴重だと思います。
ときどき、ストーリーがまとまらなくなる傾向を感じますが、それもこの病気の特徴かと。
同じ病気に苦しんでいる患者さんには、双極性障害へのつき合い方の参考になり、暗闇の中の一筋の光になるのではないでしょうか。

<メモ> ・・・目に止まった文言を抜粋

体の調子とおんなじで、心も常に一定ではなく、調子のよい日もあれば、ベッドから起き上がれず、そのまま寝たきりで数日を過ごす・・・・・、なんてこともしょっちゅうでして、そんな時には、焦らずに、ただ嵐が過ぎ去るのを静かに待つ、これしかないんですね。

今、この国には心を病んでしまった人が数多くいます。その多くの方すべてに共通する悩みは、見た目じゃ健康な人と変わらないってことなんです。
これって、本当につらいんですよ。だって誰ともこのつらさを共有できないから。この痛みは、おそらく、自分にしかわからない。そう思って生きていくのって、涙が出るくらい寂しくてつらいことだと思いませんか。

ちょうどいい状態っていうのがすごく少ないんだよね。時間的に。一日の中でもバラバラ・・・・・。お医者さんには、きちんとリズムを作りなさいといわれるのだが、無理・・・・・。
そこらへんが、双極性障害Ⅱ型の問題点かもしれないんだけど、そう状態にもうつ状態にもいききれないっつーか、多少の波だったらそれはフツーのことかもしれないんだが、それよりはちょっと針が振れすぎてしまう。
落ち着きすぎて寝過ぎるとか、今度は何とかしなければと焦りすぎて過呼吸気味になるとか。
そんなに気にしなくてもいいのにね。

双極性障害と診断されたその後の私は、まだこの心の病気と闘う日々を送っております。
毎日とてもしんどいです。でもそのしんどさって、たぶん自分の抱える生きている証みたいなものだと思っています。
こんな時もあって、こんなにつらい時間を過ごしてもまだまだ生きていけるぞ、ってことをわずかでも知って欲しかったんです。
一人でがんばりすぎないで、弱った時には弱ってるって弱音を吐いてもいいと思う。
誰かにいわなくても、独り言でもいいから口に出してみる。そうすると少し抜ける。
そうしたら、本当に少し去るんだよ。
この前も、どうしてもつらくてどうしようもない時に、トイレでボソッとつぶやいたら、ちょっとだけその痛みが抜けたんです。
なんも言いたくない場合はちょっと深めの呼吸でもいいらしい。
深呼吸じゃなくていいから「ふーーっ」て言って、あとは寝ちゃえばいいそうです。
そうやって吐き出すことで、自分の中にたまっていた、どろどろ思いモノみたいなのが去って安眠できたりする。
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