日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

寂聴文学塾第8回「森鴎外」

2017-10-23 06:19:43 | 趣味
 寂聴文学塾第八回は漱石と並ぶ明治の文豪、森鴎外です。
 
 イギリス文学者であった文系の漱石と異なり、鴎外は医師で軍医の最高位まで上り詰めたガチガチの理系です。
 幼い頃から秀才ぶりを発揮し、13歳の時に古今集の和歌を漢訳したそうです。

 しかし寂聴さんは別の面を見ていて「鴎外は女性と別れると冷たい、そっけない」と言います。
 ドイツ留学の時に知り合った女性(後に小説「舞姫」となります)も、結婚した妻と離縁するときも・・・。
 後年、40歳の鴎外は22歳の志げ(18歳年下!)と再婚します。その際に友人に自慢した言葉は、「少々美術品のような妻をもらった」などとつぶやいています。

 寂聴さんは鴎外の娘の森茉莉さんと親交があり、その話で盛り上がっていました。
 茉莉さんは厳格なイメージの鴎外と違って天真爛漫・破天荒で「こどもがそのまま大きくなったような人」と言われたそうです。

 鴎外の「雁」を取り上げて解説していました。
 高利貸しに囲われて東大近くに住んでいた妾と学生との恋(一歩手前)の物語。
 寂聴さんが語るとあまり面白そうな小説に聞こえてきません(^^;)。
 たぶん、ストーリーよりもその表現や心理描写が優れているのでしょう。

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