アルプスのぺりかんぶう

アメリカ生活同様、沢山のハプニングに見舞われながら、たくましく生きて行くぺりかんぶうのスイス滞在日記です。

JODLERFEST

2008-06-29 20:13:25 | 文化
26日から3日間、ヨーデルフェストというお祭りがルツェルンで開催されました。街の至る所で、スイスの民族衣装を着ている人達が見受けられます。毎年開催されているものの、3年に一度のサイクルでルツェルンが開催地になるという事だったので、私はとてもラッキーでした。よく分からないまま、街をふらふらしてみます。まず、ビールスタンドの前で足を止めます。お祭りと言えば、やはりビールでしょう。でも、あれれ?5フランと書いてあるのに、10フラン出したら、おつりが3フランと変な2フランと書かれたプラスチックのお金が返って来ました。主人が、「多分、ここでしか使えないお金なんだよ。これを使って、もっと色々買えって事じゃない?せこいな。」と言いました。真に受けた私は、その偽2フランを足してハンバーガーを買おうとしました。すると、レジのお姉さんが、「これお金じゃないの。使えないのよ!」とドイツ語で言いました。そして、私の手から2フランを取り出し、再び偽の2フランをくれました。「えっつ!!偽金もういらないんですけど。使えないんでしょ!!」私と主人はびっくり仰天。偽2フランが2枚になってしまいました。400円も損した気分です。するとお姉さんは一生懸命ドイツ語で、指を指しながら「そのビールを飲み終わったら、そのプラスチックの容器を返すのよ。ハンバーガーを食べ終わったら、その紙皿はここに戻すの。そうしたら2フラン返して貰えるわ。」と説明しました。と言うか、そんな感じの事を言われた気がしました。「オッケエー・・・。」私と主人は一先ず退散し、他の人がどうしているかを観察する事にしました。するとどうでしょう。みんな食べ終わったら、ゴミをポイポイせずに、きちんと屋台に運んでキャッシュバックを受けています。やはり、エコ化が進んでいるスイスはすごいです。200円返して貰えるとなれば、みんなゴミは捨てませんよね。お陰で街は、人の割には汚れずにいるようでした。

美味しいカラマリを食べていると、どこからともなくヨーデルが聞こえてきました。ヨーデルと言うと、私は「アルプスの少女ハイジ」の前奏「ヨーロロロヒッヒヨーロヒッヒヨーローヒヨー」しか聴いた事がなかったのですが、今回何とも美しいハーモニーに驚かされました。このお祭りの目玉は、街中でヨーデルが歌われる事です。会場の予約がなくても街を歩いていると、コンテストにやって来たヨーデル隊が仲間同士で歌い始めるのです。その歌声に、心が洗われる気分になり、涙が自然と零れました。主人は「スイスの人って優しい人種なんだね。」とぐすんぐすんしながら感動しています。周りで聞いていた男性も「ズーパだね」と話しかけて来ました。人間には言葉を超えて共感できる物が沢山ある事を実感しました。

さて、花火が見物と聞いていたので、花火を見ずには帰れません。時刻は7時。最近どんどん日が伸びているスイスでは、7時はまだ、3時の日差しです。花火の打ち上げは何時かと聞いてみると、日が暮れてからとの事。一体いつ日が暮れるんだろうかと途方に暮れました。夜10時になっても沈まない太陽に、「もうへとへとだから、今日は沈んで下さい。」と懇願しながら、今か今かと待ちあぐねます。漸く10時半になって、辺りが暗くなり始め、ヨーデルが流れ出しました。アメリカでもそうでしたが、花火の打ち上げと同時に音楽が流れます。湖から上がる花火を素敵な音楽と共に楽しみました。

それにしても、海外はお祭りが本当に盛り沢山。アメリカ在住時も、毎週のようになんらかのイベントが催されていましたが、スイスでも、先々週まではサッカーのユーロ戦の為、街中大騒ぎ。先週は犬の世界コンテスト、今週はヨーデル祭りです。毎週毎週、何かと出費が嵩みます。


とことん戦え!ぺりかんぶう

2008-06-27 06:51:18 | 生活
最近、窓を開けていると蚊が部屋の中に入って来るようになりました。こんなに緑に覆われているのに網戸がないのは、スイスに蚊がいない証拠と勝手に思い込んでいた為、蚊がいるのに網戸がないシステムに腹が立ちました。アメリカでは、日本と同様、窓の外側に網戸が付いていました。しかしスイスでは、どの家も網戸が付いていないようです。どういう事なのでしょう?お陰で、夜中に顔の周りをブンブンと飛び回る蚊のせいで寝不足が続きます。皆どうしているのだろうと思いながら、暑いのに窓を極力開けずに生活していました。「もう限界!」と思った日、ちょうどスーパーの店頭に蚊退治用品が並びました。その用品の使い方は分からないものの、パッケージに描かれた憎々しい蚊の絵を見て、早速購入しました。しかし、パッケージはいつもの如くドイツ語、フランス語、イタリア語で説明されており、英語は見つかりません。結局その夜は使用を諦めて、3匹ほど蚊を退治してから眠りに就きました。しかし夜2時をまわった頃、ブーンと音がして蚊が私の顔を刺しに来ました。「もう頭に来た!!」私は飛び起き、素手で蚊退治を始めました。しかし、なかなか仕留める事が出来ません。時間だけが刻々と過ぎていきます。「こうなったら、あの秘密兵器を使うしかない!」私は辞書片手に、購入したばかりの蚊退治機の説明書の翻訳を始めました。1、要換気 2、食品の側で使用不可 3、アレルギーの人は使うな 4、飲むな 5、使用中、何かを被せるな 6、肌に付いたらすぐ洗え 7、正しい電圧のもとで使用 と言った事が書かれていました。別に特別の使用法がある訳ではなく、ただコンセントに差し込んで、有効成分が部屋に漂うのを待つだけのようです。でも、何が何だか分からない殺虫作用のある液体を、使用法を確認せずに使う事には抵抗がありました。主人は隣で、「ただコンセントに挿すだけだよ。有毒ガスとか出て死ぬようなものは売る訳ないじゃん。」と言って寝ていましたが、私はやっぱり何か起こって後でドイツ語で苦しむのをどうしても避けたかったのです。ドイツ語の翻訳を終えたのは朝の4時半。結局たいした事も書かれてなかったのですが、漸く眠りに就く事が出来ました。この得体の知れない蚊退治機のお陰で、今は蚊と格闘せずに眠る事が出来るようになりました。でも、やっぱり網戸があった方が良いと思います。何故、スイスは網戸がないんだろう?

KUMATOとゴートなぺりかんぶう

2008-06-23 07:39:20 | 食べ物
近所のショッピングモールに行った際、デモンストレーターのおばさんに声を掛けられました。「クマトはいかが?」クマトって一体何だろう?私と主人は恐る恐る、薄黒いトマトのような食べ物を受け取りました。正しく濃厚なトマトの味でしたが、色が何だか綺麗じゃない!おばさんは一生懸命説明をしてくれたけれど、ドイツ語だったのでさっぱり分からず、とりあえずクマトとレシピを受け取りました。そのレシピには、美味しそうなチーズとクマトが交互に並べられた写真がありました。折角なので作って見ようとレシピの材料を見ます。ふむふむ、これと同じものを作るには、Ziegenkase(aの上にはウムラウト)という物が必要のようです。最後の4文字ケーゼがチーズという事しか分からないまま、チーズコーナーへ進みます。そしてショーケースにいっぱいのチーズの中から、Ziegenkaseという物を探します。一体ツィーゲンケーゼとは、どんな物なのでしょうか?何のチーズか不明のまま、漸く見つけたツィーゲンケーゼを購入しました。さて、レシピ通りに作り、主人が一口食べてみます。途端に「ヤギだああ。こんな美味しいヤギ初めてだあ。」と嬉しそう。「えー、ヤギなの?微妙・・・。」と私。と言うのは、私たち夫婦は、恐らく経験不足か、ヤギのチーズを好き好んで食べた事はありませんでした。独特の臭みが嫌で、可能なら牛や羊のチーズを食べています。覚悟を決めて、私も彼に続きました。あれ?美味しい・・・。独特の臭みもまた新鮮で、とても美味しいのです。そして何より、クマトと相性がピッタリでした。日々勉強ですが、今回もゴートチーズ(ヤギのチーズ)が美味しくないという考えを払拭し、また新たな味覚に目覚める事が出来たようです。

Internationale Hundeausstellung 2008 Luzern

2008-06-23 02:14:43 | 文化
一週間ほど前から、街の至る所で犬のポスターを見掛けるようになりました。何でも、犬の世界コンテストが近所で行われるようです。犬好きの私は、いまいちそのコンテストの内容も分からないまま、会場へと足を運びました。会場の中は、綺麗にして貰っている犬でごった返しています。みんなコンテストに参加する訓練された犬なので、いまいち触らせて貰うのに抵抗があります。犬同士で吠えあう事もあまりありません。紐で繋がれていない犬も沢山います。みんな飼い主にしっかり従って、お利口さん。人間の子供の方が言う事聞かないだろうなあと、つい犬贔屓で感心してしまいます。私と主人にはいまいち審査基準が分からなかったのですが、口内のチェック、立ち姿、飼い主と共に走る姿で選考が進んで行きます。飼い主も真剣。犬が上手く立ち回れないと、真剣に怒っています。選ばれた犬と飼い主の嬉しい歓声を聞くと、ずっと一緒に頑張って来たのだろうなと涙さえ誘います。その後、ショー会場へも行ってみました。そこにはナント、私がどうしても飼いたいと思っているスイスの放牧犬がいるではありませんか。ショーの中で、アヒルやラマを操って、所定の場所へ導いています。真剣に仕事をしている姿を見て、なんて律儀なのだろうと熱い物が込み上げて来ました。私たち夫婦は、将来犬を飼う事を目標にしているのですが、今回このコンテストを訪れたお陰で、飼いたい犬が決まりました。スイスの放牧犬(名前知らず)、日本の犬(シバ、アキタ等)、パグ、そしてゴールデンレトリバーです。この4匹を養うには、相当頑張らなくてはなりません。新たなる目標が出来た休日でした。

帰って来たぺりかんぶう

2008-06-03 16:04:51 | 旅行
漸くスイスに帰って来ました。当初2,3週間日本に滞在する予定でした。しかしビザの発行が遅れた為、1か月の足止めを食らってしまいました。久しぶりの日本の印象は・・・まず成田。汚い・・・。成田から新宿まで成田Expressで帰りますが、電車の旅が苦痛です。これはスイスとえらい違い。スイスのチューリッヒは、ヨーロッパの中でも評価の高い空港で、近未来都市のよう。住んでいるルツェルンからチューリッヒまで40分ほど電車に乗りますが、あっと言う間に着いたと感じるほど、景色が美しいです。今回は、オランダ航空を利用して、チューリッヒからオランダのアムステルダムへ行き、アムステルダムから成田へ帰って来ました。面倒な乗換えはうんざりでしたが、価格の問題と食事が素晴らしいので、我慢、我慢。オランダ航空の機内食は、なんとホテルオークラアムステルダムの「山里」というレストランのシェフがプロデュース。エコノミークラスの席でも、驚くほど美味しいのです。他、12時間のフライト中、軽食さえも美味しい!!これがビジネスクラスに搭乗出来たら、どんなに楽な事か・・・。でも、格安航空券を買っているので、文句は言えません。さて、成田から電車に乗り込む時、二人の外国人と話をしました。一人はこれから姫路城を回ると言います。アムステルダムから一緒のフライトでやって来て、これから成田Expressで東京駅へ。その後新幹線で姫路!!!?すごい長旅です。もう一人は新発田に行くと言います。「新発田ってどこ?」と聞くと、新潟って言っていたかしら。遠すぎるう。二人とも「日本はとっても不便で、英語も通じない。残念。」を連発。それを聞いた私もとっても残念。さて、日本からスイスへ戻る際、コリアンエアーの格安航空券で韓国を経由しました。韓国の空港も、びっくりするほどきれい。成田って一体・・・と悲しくなりました。機内食は、ビビンバ。コチュジャンを混ぜて頂きます。食べ方が分からなかったので、周りの韓国人に習いました。「さとうのご飯」のようなレトルトパックのご飯(さとうのご飯って結構美味しいですよね)を、ビビンバのナムルの上にドサッと乗せ、ごま油とコチュジャンをご飯にかけて、良くかき混ぜます。そして、カップラーメンの容器に入ったわかめスープにお湯を入れて貰い、お米のデザートと共に頂きました。これで十分美味しいのに、よそのエアラインはどうしてわざわざまずい機内食を出してくれるんだろうと呆れます。チューリッヒに到着4時間前にもう一度出た食事は、他のエアラインと同様、まずいものでしたが、韓国人が皆コチュジャンを貰っているのを見て、私も貰いました。するとどうでしょう・・・。たちまち韓国風味に早変わり。美味しく頂きました。さて、上空からスイスの国土が見えるようになった時、日本人の子供が叫びました。「お母さん、見て見て。すっごいきれいだよ。すっごーい。」私も思わず窓の方を目にやると、綺麗に整備された牧草地が見えました。子供は大興奮。「スイスってきれいな国だね。」と大きな声で話します。日本も海外から来る人に、そんな風に言って貰えるようになるといいなあ。勤勉な人種だと思うのだけど。良い所を見てもらうには、どうしたら良いのでしょう・・・。観光立国宣言をした以上、良い国になって、海外の人に足を運んで貰えるようになるといいなあ。