キャメリアホール

■6月4日　ただいま。

愛媛県美術館で主役をつとめ、圧倒的なパフォーマンスで聴衆・共演者・スタッフを魅了した今治市出身の歌姫・ピアニスト、アヤコレットさんをここに迎える。
このステージに精通したダンサー大野八重子さんの援軍が心強い。

かつて3度にわたってボクはギター１本でここを埋めた。
1995.7.15燦めきのスペイン
あれから11年、それは遠い想い出の世界の出来事になってしまった。

■年老いた母のひとことが胸に残る。（無理言うなよ母ちゃん。）
幕が上がったらあなたがたった独りでギターを弾いている姿をもう一度見たい。
どん底にあえぐ息子のために自宅の一間に近所の婆さんを招き茶菓子をふるまってライブを開いてくれた日もあった。
その日から3年。12月20日（水）19時、ボクはここに戻る。

ありがとう、Ayacollet、Yae、Rosemary & Co.の皆さん。
木洩れ日の下で真剣勝負のギターを弾かせて下さった愛媛県美術館の皆様。
そして、練習に通い続けるボクを18年間温かく支えて下さったコミセンの皆様。

■6月4日、ピカソ展に向かう前にアヤコレットとホールの下見と契約に。
ステージのスタッフの皆様、あれからずっとここに命をかけてこられたのですね。
最大級のおもてなしをありがとうございました。

何もない素のステージに愛器コンデのケースをそっと開く。
照明にかがやき空気に触れたとき、「ただいま」とも「おかえり」ともことばはなかったけれども、木で造ったギターと木で出来たステージからそんな会話が聞こえたような気がする。

アヤコレット、故郷はあなたを待っている。