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アリコの顧客情報が中国・北朝鮮に流出?(2)

2009-09-23 | 危機管理情報
引き続き「週刊朝日」2009.9.25号掲載ジャーナリスト時任兼作氏の記事より抜粋します。


02年の報道では、
「電子政府関連の情報システムまでも、外国勢にソフト開発を任せていたとなっては、日本の安全保障への意識が問われかねない。日本の基幹システムは、中国軍だけでなく、北朝鮮にも筒抜けなのだ」(テーミス02年11月号)
と指摘されていた。

また警察庁OBで危機管理に精通する宮崎貞至氏も自著『企業情報はこんな手口で盗まれる』(東洋経済新報社)の中で、電子政府のシステム開発を受注した東芝がその一部をA社に発注し、さらに北朝鮮企業に再委託されたことに触れ、「受注した北朝鮮系企業が、そのソフトに裏口侵入用のバックドアをひそかに埋め込んでおれば、わが国の電子政府システムは、いかようにも操作され、情報を吸い取られることになる」
と警告。

さらに、
「北朝鮮にはそういう妨害工作ソフトを専門に開発する「朝鮮電脳センター」があって、日夜新作づくりに励んでいる。また5年制の「軍指揮自動化大学」でサイバー教育を受けた優秀な学生は、人民武力偵察局に入り、日本と米国の技術情報などを盗み出す専門職についている」
とも記している。

つまり、アリコは中国軍と密接なだけでなく、北朝鮮工作員とつながりかねない企業に、機密情報を委ねていたということになる。

その結果、機密扱いの顧客情報が北朝鮮に流出してしまったというのが今回の事件だと、前出の捜査関係者が明かす。

「アリコは事情聴取のなかで、『流出したデータにアクセスできたのはA社の10人。そのうち退社した者から漏れたのではないか』と言っている。だが、そんな簡単なものではない。調べると、北朝鮮が関与し、日本のネット通販ではクレジットカードの暗証番号が必要ないケースがあることに着目。アリコから入手したカードの番号を使って、換金しやすい電化製品や商品券などを購入している」

こうしたカード不正利用は、いまや、偽ドルや覚醒剤取引のような、北朝鮮の外貨収入のひとつに育ちつつあるというのだ。

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