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アリコの顧客情報が中国・北朝鮮に流出?(1)

2009-09-21 | 危機管理情報
週刊朝日2009.9.25号掲載ジャーナリスト時任兼作氏の記事より抜粋します。

「アリコの情報流出は、典型的な産業スパイ事件だ」

警視庁の捜査関係者が、こんな意外な発言をする。

「アリコが情報システムの開発・管理を委託した中国企業から情報が漏れたとみられる。そもそもこの中国企業は、中国軍や北朝鮮工作員と密接な関係があることで知られていたんだ」

アリコジャパンが、顧客情報が流出したと発表したのは7月23日。保険契約者のうち、クレジットカードで支払いをしている10万人以上もの顧客のカード番号などが漏れ、うち約1千人の情報が不正に使用されたというのである。

クジットカード会社の被害届を受けて所轄警察署に捜査本部が設けられたが、そこには外国犯罪などを扱う公安部の捜査官も出向。アリコを含む関係者らの事情聴取などが進められた。

だが、流出の原因は公表されぬまま、被害はその後、2200件、2850件、3500件、4228件と日を追うごとに増え続け、事件は謎を呼んだ。

そこに飛び出したのが冒頭の発言だった。この捜査関係者が続ける。

「アリコがどうしてこの事実を公表しないのか不可解だ。さらに言えば、かなり前から怪しい背景が報道されていた企業に、なぜ委託したのか」

「指摘」とは何か?

それは日本政府を舞台としたものだった。IT技術導入で行政の効率化などを目指す「電子政府化計画」を進めるため、日本政府はそのシステム開発を東芝に発注した。ところが東芝はその一部を中国企業A社の傘下企業に委託、さらにそこから北朝鮮企業に再委託されたいたことが、02年、月刊テーミスの報道で明るみに出た。

この中国企業A社こそが、今回、アリコが業務委託していた企業だ。

ちなみに、A社は中国政府から人的援助を受け、コンピューターネットワークを駆使する「サイバー戦争」のために鍛え上げられた中国の軍関係者が派遣されているという。また、A社と関係の深い北朝鮮企業も同様の性格を帯びているとされる。それだけに日本政府の情報管理に疑問の声が上がったのである。

キーワード クレジットカード アリコ 中国 北朝鮮 顧客情報 流出 東芝





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