危機管理情報センター

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アリコの顧客情報が中国・北朝鮮に流出?(3)

2009-09-27 | 危機管理情報
引き続き「週刊朝日」2009.9.25号掲載ジャーナリスト時任兼作氏の記事より抜粋します。


だが、もっと恐ろしい事実も判明した。公安関係者が次のように証言する。

「カード情報をもとに偽造パスポートが作成され、それを使ってシンガポールなど世界各国で、複数の日本人名の銀行口座が開設されていた。名義人に確認したところ、明らかな架空口座だと判明した。これらの口座には、北朝鮮系の企業や人物からの送金の事実が確認されるなど、北朝鮮の関与が裏付けられている。日本からの送金もあるが、それこそが不正なカード使用で購入した商品を換金したカネだ」

これらの口座は武器転用可能な電子機器購入の決済に利用されるなど、犯罪に使われる可能性もあり、米国の情報機関なども注目しているという。

公安関係者はこうも言う。

「北朝鮮と親密な関係にある中国人らが、北朝鮮人に代わってパスポート偽造、銀行口座の開設などをしてやっているケースもある」

アリコから流出した顧客情報は、かくして被害者当人が知らないまま中国や北朝鮮に漏れて犯罪に利用され、しかもなお、その被害は広がりつつあるというのだ。アリコも、こうした状況を警察を通じて把握しているという。だが、アリコは流出の経緯や被害の背景を公表していない。

なぜなのか。前出の捜査関係者もこう疑問を呈す。

「危機管理に厳格な米国系企業がこの手の被害を受けるのはそもそも珍しい。しかも、A社への委託を勧めたのが米国本社だという。これが第一の疑問。それから、情報流出の広がりなどがある程度わかっていながらそれを発表しない。これが第二の疑問。おかしなことばかりだ」

アリコに事情を聴いた。すると、アリコはA社への委託を認め、現在もなお契約解除はしていないと回答。また委託に関しては、
「必要な(信用)調査は行いました」
と主張するのである。

だが、一方、情報の流出経緯や被害状況、その広がりについて尋ねると、
「コメントを差し控えさせていただきます」
「情報流出については、鋭意調査中であり、適宜、適切に開示してまいります」
と曖昧な回答ぶり。

ところが、本誌の締め切り直前、会見を開き、顧客の個人名は流出していないと発表した。ならば偽造パスポートや架空口座はないことになるが、真実はいかに。

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石油コンビナートの機密情報が中国や北朝鮮に筒抜けになっているのではないかという疑惑とともに、真実とすれば恐ろしい話ですね。いずれも手を拱いていては大変な事態になるのではないかと心配されますが、関係諸機関の対応はいかに。

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