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一つ断言できることがある。それは、「速読を学んでよかった」ということだ〈下〉

承前

5.通教での受講

 通教と通学とでは、その内容にほとんど差がない。質は同じと言って支障ないと思う。また「通教は飽きるのでは?」という不安を抱く人もいるだろうが、このプログラムは非常によくできているので、55回のトレーニングを通して飽きたと感じたことは一度もなかった。

 通教は先生が見ていないので集中しないと思うかもしれないが、私の場合はそのようなことはなかった。一つはやはりCDの質の高さ故だと思う。トレーニング中に流れるBGMが集中を促してくれた。このBGMは教室でも流れているので、その点でも通教は通学と同じ環境だといえるだろう。また、「通学の人に劣らない成績を出すぞ!」と思いトレーニングに取り組んだため、モチベーションは常に高かった。

6.通教のメリット

 通教のメリットは何か。それは、自分でBTRメソッドについて考えを深められる環境にある、という点だと思う。通教では郵便やメールで質問が可能だが、通学とは違いダイレクトに返事を聞けるわけではない。そのため、どのようにしたらもっと成績が伸びるのかを考える際に、そのトレーニングの目的や特徴を吟味して、自分なりに解釈をし、その結果を次回のトレーニングで実践するという、自分の中でのサイクルが作られる。それが近道かはわからないが、トレーニングへの理解が深められたのは良い経験だと思う。

 どのような技術にも共通だと思うが、その技術に関する知識が少ないと習得は困難になる。理解を深め、本質をとらえることができれば、その技術の習得や能力の向上は非常にスムーズになるだろう。

7.通学のメリット

 通学のメリットは、やはり講師が非常に「近い」ことだと思う。毎回のように講師の方がトレーニングやBTRメソッド自体についての考えやポイントをお話してくださるというのは、通教では得られないメリットだ。わからないことや悩みがあったらすぐに相談できる点も、非常に良いところだと思う。また、一緒に受講している方々の能力の高さや熱意に触れると、自分のモチベーションも否応なしに上がる。

8.通教と通学の違い

 通教と通学の違いはダイレクトな反応の有無だけだと思う。通教は対面ではないため、どうしても質問への返答には時間を必要とする。これはシステム上の問題のため、通教の方が「劣っている」ということではない。

9.通教と通学の共通点

 通教と通学の両者に言えることは、本人の主体性が非常に重要である、という点だ。高いモチベーションを維持することも、トレーニングに集中することも、結局は本人がどこまで積極的に取り組むかで決まる。通学の方がその助けは多いかもしれないが、あくまで「助け」なのだ。講師の方に甘えたり、周りの受講者の方の集中力に押されたりということでは、通学しても伸び悩んでしまうのではないだろうか。

10.通学の決意

 なぜ通教を終えてから通学し始めたのか。通教だけで修了としなかったのか。それは、自分の読字数に満足がいかなかったからだ。こう言うと「3倍までいかなかったのか」と思われるかもしれないが、読字数は通教終了時には受講前の約4倍に伸びた。粗筋も問題なく書ける速さで。3倍まで伸びれば満足ではなかったのか」と思われるかもしれないが、そこで満足させてくれないのがBTRメソッドなのだ。

 BTRメソッドの「認知視野の拡大」や「読書内容への集中」のトレーニングは、通教55回を通して非常に成績が伸びた。それに伴い読書訓練でも日常の読書でも、非常に広い範囲の文字を見ることができるようになった。しかし、「見えているのに読めない」というジレンマも感じるようになったのだ。「見えているのだから読んでいるのではないか」と思う方もおられるだろうが、私の感覚は違うのだ。「文字が見えてはいる。だが、理解した箇所はもっと手前まで」なのだ。これは、非常にもどかしい感覚だった。

 これを解消するには更にトレーニングを続ける必要があると、通教の40回目くらいで感じていた。はじめはクリエイト速読スクール公式ブログを閲覧したり、通教のメール質問のシステムを利用して自分なりに工夫を続ければ、いつかはこのもどかしさを解消できると思っていた。しかし、通教が終わる頃に「一生懸命トレーニングに取り組んだが、このもどかしさは解消されなかった。このまま自力で続けて本当に解消されるだろうか」と思い始めた。

11.通学での受講

 10回通学した今、自分の選択は正しかったと思っている。受講するごとに講師の方が訓練結果にコメントをしてくださり、自分の良い点や今後もっと伸ばすべき点をすぐに知ることができるのは、次の回の目標が明確になり、励みにもなる。通教時に自分なりにトレーニングについて考えていたため、講師の方に相談するときも「自分でできる限り考えた」という自信からか悩みを正確に伝えることができ、助言も全て「自分が思い至らなかった点だ」と思えるためか吸収が速いように感じる。

 今は通教時にはあまり読まなかった小説に取り組み、少しずつだが成長しているように感じる。日常で読む本も、十分理解できる速さで読んでも以前よりずっと速くなっている。

12.速読との今後の「つきあい」

 そして、あのもどかしさもわかりかけてきている。つまり、序盤の「視野」と中盤の「理解」が、終盤の読書速度に本来的な意味で連携できていないのではないかということだ。これまでの通学での10回は、まだ通教の延長線上にあったのかもしれない。これからは、1回ごとの倍速読書により強い負荷をかけて臨んでみたい。

 文章を読むことから決して離れることのない環境に身を置いている以上、速読という技術は今後非常に強力な「武器」となるだろう。同時に、読書を通して日々の生活をより楽しむための味方にもなると思っている。自分のための技術なのだから、今後も主体性を持ってトレーニングに取り組みたいと思う。

                      

 

 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
納得。 (古い生徒3。)
2010-04-27 09:14:33
 あ、どうも。おはようございます。

 読み応えのある体験記でした。まず、文が
常に簡潔で、内容や思いがすんなりと入ってきます。
長々としていませんね。

 内容はどれも、つい「うんうん」と頷ける
ものばかりでした。自分は生徒で、レッスンの内容が
わかっているのでなおさらなのでしょう。

 生徒こそこんな体験記を読むべきですね。
主体性を持ってレッスンに臨むことの必要性を
感じるべきなんだな~、と思います。

 全編にわたって、全てに納得してしまいました。
(自分は通教は受講していませんが。)またさらに
教室でがんばろうという気持ちが強くなりました。
ありがとうございました。

 それにしても、この記事にコメントがないのは
少し残念に思ってしまいました。

 今朝はこのへんで。失礼します。
 
 
 
読み応え (Tさん)
2010-04-27 14:32:22
こんにちは。
嬉しかったので、またコメントを。

子どもの頃から作文が苦手だったので、
「読み応えのある体験記」
「常に簡潔で、内容や思いがすんなりと入って」くる
というお褒めの言葉が、とても嬉しいです。
というか、照れます。

作文が苦手なため体験記も辞退させていただこうかと
悩んだりもしましたが、
こうして他の方の反応を知ることができたので、
書いてよかったなーと思います。
 
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