Le contrebassiste

コントラバス奏者ちんの日常。
趣味の音楽、フランス語、興味関心などを書き散らしています。

クラシック音楽漫画

2004年11月22日 06時12分36秒 | 音楽
今、巷ではクラシック音楽漫画が大流行、と言いたいところですが、どうもアマオケ中心の局所的な動きの様子。
何はともあれ、読まないと話題についていけないかなという日和った根性丸出しの私は、早速いくつか手を出して見ることにしました。

大分前に10巻まで読了したのが「のだめカンタービレ」
面白くてボケボケの愛らしいピアニスト、のだめが主人公。
指揮者志望の千秋やその他大勢の個性的なキャラが出てくる音大を舞台とした漫画。
作者が音大生他にリサーチをしているためか、描写が細かく、それがきっとうけているんだと思います。
コントラバス弾きのキャラもいて、佐久桜という背の低い女の子。
授業料を払うためにアルバイトばかりして、コントラバスの腕は一向に上がらないのに、毎日大きなコントラバスを背負って学校にやってくる。まるでコントラバスが歩いているような風貌。
「うん、こういう子、いるよなぁ」とずいぶん共感してしまい、私の一番好きなキャラです。
10巻で、のだめはフランス留学をすることになりますが、そこで出てくるフランス語も学校の授業で習ったような表現が出てきたりして、これまた面白い。
一粒で何倍もおいしい漫画でした。


次に読んだのが「マエストロ」。これが今日漫画喫茶で読んでたやつ。
とある有名オケがつぶれ、楽団員が路頭に迷っていた時、一人のおっさんがメンバーを呼び寄せてオケを再結成した。
その呼んだおっさんがマエストロ天道。
彼は運搬会社のおっちゃんのような怪しげな風貌をしているが、再結成されたオケで演奏される「運命」と「未完成」について、オケがびびるような棒を振る。

しかも彼は、オケメンバーの悪いところを指摘して、良い方向に導いていく。
この指摘というのがまたマニアックで、これは絶対作者がクラシック好きか、詳細なリサーチが無ければ書けない内容。
1巻については、ホルン吹きの方、オーボエ吹きの方、とりあえず見てみてください。
コントラバスのキャラはまだ前面には出てきていないが、今後の活躍に期待。
まだ1巻しか出てないし、これからでしょう。


最後に「いつもポケットにショパン」
これは完全にピアニストの話で、主人公麻子ときしんちゃんこと季晋(としくに)は小学校の頃同じピアノ学校に通っていたが、きしんちゃんがドイツ留学をしてしまう。
麻子は大してピアノがうまいわけではないのに比して、きしんちゃんは留学するくらいうまい。
でもきしんちゃんが留学先のドイツで事故に遭う(ここできしんちゃんのお母さんは亡くなってしまうんです。これまた悲しい)。
麻子とはそれ以降連絡が取れなくなるが、高校の時にきしんちゃんに再会する。
でも彼は麻子に心を開いてくれない。
様々な葛藤があったあと、麻子は自分が本当にピアノが好きだということに気付く。
そんなストーリー。ちょっと切なさが残ります。

かなり古い漫画(1980年別冊マーガレット連載)なんですよね。
その割にはすいすいと読める、面白い本でした。
伏線がいたるところにしてあるため、読むときは一気に読んでしまった方がいいでしょう。
4巻までしかないし。


というわけで、いくつかクラシック音楽漫画に手を出してみました。
最近のクラシック音楽漫画の傾向は、演奏シーンや描写がより忠実になったことが一番大きいかと思います。上に挙げた作品は当てはまっているかと思います。

実はこの本以外にブラームスの生涯を描いた漫画を読んだのですが、こちらは描写がひどかったです。
ブラームスのお父さんはコントラバス弾きだったというのは有名かと思いますが、そのお父さんの弾いているコントラバスの姿がひどかったのです。他もひどかったのですが、これに関してはもうツッコミどころ満載で。
弓の持ち方はガンバに近いし。
「ここの3連符はお父さん弾けないなぁ」みたいなコメントがあるのですが、それはお父さんが悪いんじゃなくて、その姿勢のせいですから、その姿勢では3連符は無理ですから、という弾き方をしています。
というわけでこちらについては、あえて作者、作品名は出しません。
それを読んだ後に、「マエストロ」や「いつも~」を読んだから、なおさら良かったのかもしれません。


さて、よいクラシック音楽漫画の話に戻ると、他に「マエストロ」を書いたさそうあきらの「神童」という作品は素晴らしいんだそうで、かの評論家呉智英氏も評価する作品だそうです。
この作品が「のだめ~」や「マエストロ」に影響を与えているのではないかと言われている(らしい)。

まだチェックするものはもう少しありそうです。

最新の画像もっと見る