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自分の身体を好きになる

2010-06-06 21:12:48 | 日記
自分の身体を好きになる

先進国の政府は、悪化する一方と見受けられる肥満率の問題にますます懸念を深めています。その動向は、細ければ細いほど健康的だという考え方に拍車をかけているようです。しかし、一部の科学者は、このような風潮に警鐘を鳴らしています。アメリカ政府がアメリカ人の健康と寿命について最近行った研究では、人によってはほんの少し太っているほうが長生きすることが指摘されました。
アメリカの疾病対策予防センター(CDC)は国立癌研究所と共同研究を行い、死亡した成人37,000名について、死亡時の年齢、性別、身長、体重、癌や心臓疾患で死亡するリスクといったデータを詳しく調べました。
その結果、興味深いことに、やや太りぎみ(一般的に標準と言われる体重の範囲よりほんの少し肥満側に外れている人)のほうが、癌や心臓疾患にかかる確率が低いことがわかりました。さらに意外なことに、やや太りぎみの人々は、パーキンソン病、アルツハイマー病、感染症や慢性の呼吸器疾患といった病気での死亡率も低かったのです。
太っていると腎臓病や糖尿病による死亡率が高くなりますが、痩せていることも同様に健康を損なう原因となり得ます。少なくとも、この研究結果に見る限り、痩せている人、肥満の人、標準体重の人よりも、やや太りぎみの人は長生きしていたのです。
もちろん、肥満が健康だと言っているわけではありません。肥満ではなく、やや太めでも標準に近い人たちの健康状態
が他より良好だったということです。これは、標準より太っていると寿命が短くなる可能性があるというこれまでの研究結果と相反するため、研究者の間で大きな議論を巻き起こしました。CDCではこのような研究結果が出た理由について詳しく調べてはいませんが、キャサリン・フリーガル博士は、体の構成に少し余裕があることで、手術や病気などからの回復期に体が守られているのではないかという仮説を立てています。
一方、CDCの研究では何才まで生きることができたかを対象にしているものの、その間の生活の質は検討されていないという点も考慮に入れなければなりません。
やや太めの人が長生きしたことが事実であったとしても、その生活の質は他よりずっと低かった可能性も残されているわけです。しかし、サウス・カロライナ大学のスティーブン・ブレア教授は、病的な肥満や拒食症などの極端な例を除けば、体重に関係なく健康な人生を送ることができると考えています。
同教授は以前、活動的で健康なやや太めの人は不健康な標準体重の人よりも死亡のリスクが低いという研究結果を発表しています。自分の体重を他の人と比べて評価すべきでないことは、ここからもわかります。何キロだったらいいのかよくないのかよりも、どれだけ健康かという点から見て考えることのほうがずっと大切なのです。
もう一度強調しておきますが、上記の研究結果は太っていることが健康だと言っているわけではありません。自分の体重について前向きにとらえ、健康に留意して活動的に過ごすことが重要なのです。少し太っているからといってそれを気にしすぎるとストレスになり、そのせいで健康を損なうことにもなりかねません。
この研究結果からもう一つ考えさせられることは、非現実的な固定観念に縛られないことが大切だということです。巷には雑誌やテレビ、映画に登場する細身のモデルのイメージが常に溢れています。あるがままの自分を受け入れ、健康的な生活を送るための工夫と正しい選択をすること。それは、他の誰でもない自分のためにできる、最も価値あることのひとつと言えるでしょう。

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