紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ジャズ・ソロ・ピアノ演奏のベスト1?…キース・ジャレット~ザ・ケルン・コンサート

2008-04-05 23:54:09 | ジャズ・ピアノ・ソロ~トリオ
今日、紹介するアルバム(演奏)は、かつては、自動車メーカー、ホンダのレジェンドのコマーシャルにも使用された事があって、ある程度の年齢の方なら、この演奏・曲だとは気付かないまでも、多分一度は耳にした事がある有名なフレーズ・序奏から、このケルン・コンサートは始まる。

ロマンティックで、哀愁たっぷりで、時には軽やかにスウィングし、時にはクラシカルにしっとりと…ジャズ・ピアノと言うよりは、もはやピアノと言う楽器の様々な演奏テクニックとスピリットの全てのエッセンスが凝縮された様な演奏で…正にジャズ・ピアノ演奏の最高峰では無いかと思わざるを得ない。

「キース・ジャレット」と言う、これまたジャズ・ピアノ史上でも最高位に位置する、ジャズ・ピアニスト界のカリスマが、全身全霊をかけて、己の持てる全てのありったけを出し切った演奏なんですよ。

勿論、トランス状態になり、超ハイになった時には、「キース」お得意の「うなり声」も沢山録音されています。
ライブ録音なんだから、これはしょうがないし、クラシックで言えば、奇才「グレン・グールド」も有名な得意技ですよね?
まぁ、その辺りは気にしないで、聴いて下さい。
こんな素晴らしい演奏、本当に無いですよ。
究極に突き詰めて聴けば、実は怖いぐらい研ぎ澄まされた演奏なんだけど、耳ざわりの良い、メロディアスでロマンティックな演奏&曲調から、(恐れ多くも)BGMとして聴いてもバッチリ、フィットするのも、ある意味不思議な感じです。

今夜はお疲れの諸氏に、このアルバムを捧げましょう!

アルバム・タイトル…ザ・ケルン・コンサート

パーソネル…キース・ジャレット(p)ソロ

曲目…1.ケルン、1975年1月24日パートⅠ(26:02)、2.ケルン、1975年1月24日パートⅡa(14:54)、3.ケルン、1975年1月24日パートⅡb(18:12)、4.ケルン、1975年1月24日パートⅡC(6:56)

録音1975年1月24日 ケルン、オペラ劇場にてライブ録音

原盤…ECM  発売…ポリドール㈱
CD番号…J33J-20185

演奏について…全体的な演奏についての印象、総評は、今日は冒頭の序説で結論を述べてしまったので、割愛させて頂こう。
それから、次に着目して頂きたいのが、この日演奏された曲名で、パートⅠとパートⅡの3部作の違いは有っても、曲名は全て「ケルン、1975~」である。
「キース・ジャレット」にとっては、ピアノ演奏のインプロビゼーション、即興が
全てあって、曲名などはどうでも良いことだと言うのが人目で理解できる。

さて、その演奏についてだが、個人的には、やはり一番有名で、長大な作品である「ケルン、1975年~パートⅠ」がお薦めであり、お気に入りである。
前半~中盤過ぎまで、とにかく、エモーショナルで、ロマンティックで、まるで恋愛物の映画音楽の様である。
いつまでも聴いていたい演奏&曲であり、このままずーっと終わらないで欲しいと思わず願いたくなる演奏である。
独身男性なら、彼女を部屋に招待した時に「決め」の1曲にしても良いと思う。
超ロマティックな、ジャズ・ソロ・ピアノ演奏…間違いなくセンス抜群な人だと認識してもらえるでしょう。
終盤は一転して、ポップス的で、早めのテンポ、リフレインを多くとって、アクティブなイメージで締め括る。
単語で言うなら、「ロマンス」&「アクティブ」でしょうか?

次いで、「パートⅡa」だが、この演奏&曲は、審美的で「ドビュッシー」をポピュラー化した様なイメージである。
とても高尚な感覚で、湖に落ちた一輪の花を起点として、水面に水輪が拡がって行く様なイメージをしてもらうと、感覚的に理解できると思う。
言葉なら、これはずばり「幻想」と「静寂」でしょう。

「パートⅡb」では、同じようなフレーズが、ほんの少しずつ変化を遂げるアドリブが展開される。
イメージを考えるなら、刻々と燃える、暖炉の炎かなぁ?
まぁ、炎の様に熱い感じではないけど、演奏&曲自体は、どちらかと言えばクールな感じなんだけど…。
火は同じように燃えてはいても、炎の形は微妙に違うし、燃えている木も、刻々と形を変える。
劇的に変わる訳ではないが、微妙に変化をしている。
火の燃え方も、段々強くなって行き、最後は消えて行く…その様な微妙な変化を表現した演奏なのです。
そして、「キース」の心はどんどんと深く奥底に入って行って、彼の深層心理は何を求めているのか?
しかし、曲の終盤では、明るめの曲調に変わってくるので、苦悩して考えた挙げ句に、前向きな結論に達したっていう感じなんだと思います。
生みの苦しみってやつかな?
単語で言うと、「輪廻」、「誕生」が相応しいでしょう。

ラストの「パートⅡC」ですが、この曲はコンサートのアンコールで弾かれた曲で…と言う事は、壮大な曲としては、「パートⅡb」までで終了しているんだね。
このアンコールの曲&演奏は、「パートⅠ」的な軽やかで、ロマンス溢れる佳曲で、「キース」がポップス曲的に仕上げています。
小さな滝から発生した水滴が、チョロチョロと注ぎ、やがてきれいな小川へと変わって行く…そんな感じがします。
単語なら、在り来たりですが、「希望」と「平和」と言うイメージでしょうか?

「キース・ジャレット」が、ライブで皆へ送った、ピアノと言う楽器を使っての究極の愛のメッセージを、是非、聴いて下さい。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
名盤ですね (pooh)
2008-04-13 09:55:54
エリック$Φさん、こんにちは。お久しぶりです。
キース・ジャレットといったらこのアルバムですね。
私が最初に聴いたのは、もうかなり前ですが、キースの他の作品の中でもやはりダントツにいいですね。
他のどのアルバム聴いてもこれを超えるものはないのでは
と思ってしまいます。
すばらしい作品ですね。
poohさんからのコメント嬉しいです。 (えりっく$Φ)
2008-04-14 18:30:27
コメント、どうもありがとうございます。
とても嬉しいです。
poohさんのブログにも、私もご無沙汰していて、どうもすみません。
実は「阿部薫」の時におじゃましたかったんですが、恥かしながら、私、「阿部」のアルバム…1枚も持っていないんです。
演奏自体は、テレビ等のビデオで見た事や聴いた事が何度か有って、どんな演奏かは?脳裏に残っていますし、アルバムも…例えば「なしくずし…」なんて是非欲しいんですが、別のアルバム紹介で書いています様に、最近、直輸入の超廉価のクラシック名盤セットにすっかりはまっちゃいまして、「阿部」を購入するのは、もう少し後になりそうです。
購入し次第、「阿部薫」の紹介もしたいと思っております。

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