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アイスクリームが流す涙

本を読んだり、人と会って感じたことなどを書いていく予定です☆

「ほっとけない」は他人に対して使う言葉だから・・・

2005年09月25日 00時19分09秒 | チャリティーのこと
問題と、それでも良いと思う部分を天秤に掛けて、とりあえず保留にしていたこの問題。

とりあえず個人的にホワイトバンドをつけるかどうかに関しては、「つけない」が結論。理由=「ホワイトバンドをつける」ことはホワイトバンド運動に賛同しているという政治的メッセージを含んでいること、及びこの問題についてどのような意見を持っていようとも、着用して外出してしまえばそんなことは関係なしにこの運動の宣伝に寄与することになること。以上です。

さて。とりあえず公式HPを久しぶりに見てみる。質問集の内容が以前よりはみんなの疑問に沿ったものに変わってる。「現地の直接支援はしないのですか?」「経費や流通費が高すぎるのではないでしょうか?」とか。そのまま納得できるほど具体的な回答は得られていないけど・・・まぁそこは別に期待してないからいいです。あと、OxfamJapanの方は生産地が消えているということですが、一応プロジェクトの公式HPのFAQにはまだ生産国が中国と明記されてました。

あ、会計報告の発表日時と監査方法等が明記されたのは進展ですね。あとは1円単位で、明確な用途別に分けて報告してくれれば良いんだけど。それは3月を待たないといけないのか・・・(プロジェクト終了から3ヵ月後に発表するなんて、その頃にはみんなすっかり忘れちゃいますよね・・・あ、それを狙ってるのかな?笑)。

ホワイトバンド、200万本(!)出荷したらしい。だけど・・・本当に貧困についての理解や関心は深まったのかな?

一応、ホワイトバンドのプロジェクトのMLに加入してみていたのですが、メールアクションの進行具合はあまり芳しくない様子。「ほっとけないメールマガジン Vol.6 2005/8/30」によれば、「8月17日よりスタートしました小泉首相の国連サミットへの出席と貧困問題への取り組みの明言を求めるメールアクション、8月29日の時点で200通以上のメールが首相官邸へ送信されました!」とのこと。1人/1万人か・・・(正確には200万という数字は売り上げ数じゃなくて出荷数だから、もっと割合は大きくなるだろうけど。それでも少ないよなぁ・・・)。この様子を見た感じ、メールアクションという方法で結果を出すのは、途方もない努力が必要になるみたいです。

あと、気になるニュース記事を見つけてしまいました。
神戸のNPOが募金活動 カトリーナ被災者支援
この記事によると、「CODEから一本三百円でバンドを購入すれば、うち百円がハリケーンで被災した米ニューオーリンズの貧困層の支援に、百円は戦禍で荒れたアフガニスタンのブドウ畑再生に充てられる」ので、200円(約67%)がいわゆる“活動費”となります。しかし、公式HPの300円の内訳をご説明しますによれば活動に充てられる費用は44%(56%は経費としてかかってしまう)はず・・・・。

おかしいですね・・・考えられる可能性は2つ。
①神戸のNPOが自腹を切って(別の資金源から資金を回して)復興支援をしている
経費に56%かかるなんて嘘。

私が誤解しているならば誰か訂正してください。じゃないと・・・このプロジェクトのことが信用できません。あ~もぅっ!!

あ、もう1こ公式HPで突っ込みたいことがあるんですが、いいですか?まずFAQの一部を抜粋します。

日本はアフリカの貧困に責任あるの?
たしかにアフリカは日本の植民地じゃなかった。アフリカが貧困におちいったのは、奴隷貿易と植民地体制が進められてきたから。アフリカだけじゃなく植民地化されて、貧困におちいっている国はたくさんある。宗主国(そうしゅこく)といわれた先進国の責任といえる。この4月にはブラジルのルーラ大統領が西アフリカを訪問した時に、ブラジルが奴隷貿易を受け入れたとして謝罪をしている。日本にとってアフリカは、希少金属や石油などの原材料が供給できるところ、希少・貴重な種の多様性を保存する地域とばかりみるのではなく、お互いがお互いに発展でき、やがて援助、被援助の関係をなくしていくことが大切ではないでしょうか。そのためにも、まずアフリカの貧困が解消されなくては。


ここでの論理は、「アフリカは日本の植民地ではなかった。だからアフリカの貧困には日本は直接責任はない」というものです。つまり、日本はアフリカの貧困問題に関して責任はない。第三者の立場だとおっしゃっているわけです。

・・・んなわけないじゃん。。

アフリカが貧しいのは、ただ植民地だったからじゃないですよ・・・解放後も経済的に搾取される立場にあったからです。確かにその原因を作ったのはヨーロッパ列強でしたが、戦後から現在まで続いている経済的な搾取は、欧米に限らず私たちの日本だって大々的に参加してます。北の国々の豊かさは、南の国々の貧しさなしには、成立しないんです。この地球の有限さから言って。

日本人、ダイヤ大好きですよね。「給料3か月分」「ダイヤモンドは永遠の輝き」・・・みたいな。アフリカのいくつかの国では、ダイヤが国の収益の多くを占めている国もあります。つまり・・・その金のなる木をめぐって血を血で洗う争いが繰り広げられているわけです。豊かな国の人がダイヤを買えば買うほど、アフリカの内紛を助長しているんです。まぁ・・・そんなことを考えながらダイヤを買う人はいないと思いますが。

直接的ではないにせよ、間接的に、私たちはアフリカの貧困や内紛の原因を作っています。私たちも、決して無関係な第三者じゃないんです。そもそも、「ほっとけない」っていうのは自分のことについていう言葉じゃないですよね。他人のことについて使う言葉です。「貧困?私に責任ないし関係ないけど、ま助けてあげるか」・・・言葉は悪いけど、そういうことなんじゃないんですか?プロジェクト名からして、問題の本質を踏み外していることに、今まで気づかなかったことがむしろ不覚です。アフリカの貧困を自分が関わっている問題だと認識してすらいない、他人の問題だと考えているようでは、その活動が現実、実情に根ざしたものになるとは考えがたい。

だからといって、やはり何か良い対案があるのかといわれてもわからない。自分の生活のレベルを落としてまで、行動に出ることができるのか、といわれて、迷わずyesと答える自信はない。自分が一個の生命体である以上、自分のことと世界のことの関係は、「客観的」に見れば絶対優先順位の高い世界の問題でさえ身の回りのことと同じ比重にしかならなかったりする。自分にとってはやはり自分が世界の中心であるわけだし、自分を切り離して世界を冷静に見る、なんて芸当は凡人にはできっこない。利己的であることに対して、批判できるような立場には誰もいない。

せっかく「ニセモノの良心」の孝好さんからTBもらったから、レスしようと書きながら考えたんだけど・・・。

何もできないことがとてももどかしい。

追記
寄付でなく、ホワイトバンド貧困救済効果は“まっ白”
「善意だけでなくビジネスとしてしっかりやってもらうため、流通コストもそれなりにかけている」とサニーサイドアップ社。「具体的使途についてはまだ決まっていないという。資金を得たNGOの活動が、どこまで貧困撲滅の政策誘導に効果を示すかもまったくの未知数だ。」と主催者はわかってやっている。でも「都内で身につけた人たちの大半が、ホワイトバンドを善意の寄付行為と誤解していた。」とあるように、大半の人は誤解している。この認識のねじれも、意図的に作られてるんだろうなぁ。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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経費として考えられること (デラヒーバ)
2005-09-27 00:50:12
はじめまして

確かに経費50%以上は以上なのですが、考えられることとしてはCMに使った経費です。

あのCM普通ならWBの売上以上の値段がするはずのもの。それを格安で請け負っている企業があります。それでもそのぐらいの経費はいくかとは思いますが、それではあれはボランティアビジネス(●欺)の洗練されたものということになってしまいます。

何か世の中が間違っている気がします。
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なるほど~ (coffee-float)
2005-09-28 01:05:13
コメントありがとうございます。レスが遅れました、すみません。

ホワイトバンドが税抜きだと285円ですから、20万本売ると、5億7000万円。公式HPによると売上の44%(つまり約2億5千万円)が「世界の貧困をなくすための活動費」として使われます。その中の一項目に媒体費(メディアの活用) というのがあるので、ここからCM制作費は出ているはずです。確かに結構経費がかかるみたいですね。

経費で50%以上かかるのはまぁいいんですけど、活動に66%売上金を回せるNPOがあるのに、「活動に充てられるのは44%です(というか、活動開始当初からつい先日までは30%だったし)」といっているあたりに胡散臭さを感じます。ビジネスだということを明らかにせずに、純粋な慈善活動のように振舞ったために、ところどころでほつれがでてきてしまってます。



まぁ、いろんな意味で新しい活動だったと思います(あ、まだ続いてるのに過去形を使っちゃいましたよ)。募金ではない形での資金集めの方法を開拓した、というかある意味新しいビジネスの土壌を開拓したというか(笑)人々の善意を踏みにじった点は全く評価できませんけど・・・
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Unknown (結論から言えば日本にはほとんど責任はありません)
2005-09-29 06:30:57
ホワイトバンドの役目はそういったことをもっと深く考える契機を作ること、なのだと、ボブゲドルフもライブ8のコンサートで言っています。だからお金はとらないと、今回はお金では無いと。アフリカの貧困の原因の1%は日本にあるかもしれませんが、99%は日本にありません。例えば日本はアフリカに武器を全く売っていません。武器を大々的に輸出し大儲けしているのは欧米企業です。アフリカのダイヤにしろ銅にしろ鉱山を持っているのは特にイギリス企業です。日本はアフリカから石油はほとんど輸入していませんし(ナイジェリアが最大の産地でイギリス企業が操業し欧州に輸出されています、ナイジェリアは日本から遠すぎる)。もちろん日本はアフリカからは農産物もあまり輸入していません(豪州やカナダが近いですから)。エイズの薬の特許を持っているけどそれを安く提供することを拒否しているのも欧米の企業です(日本企業は持っていません)。それを日本のアフリカ諸国向け援助は数千億円にのぼりますが、イギリスの援助額はその数千分の1です。アフリカに行けばわかりますが、アフリカにはたくさん「ジャパンロード」があります(日本の援助で作られたので地元の人がそう呼んでいる)。そして今回の債務削減で最大の債務免除をするのは日本です。つまり私達の税金数千億円の回収をあきらめる、ということです。日本の援助は自助努力を進めるために融資という形態をとることが多いのです。これだけの違いがあってなお日本の責任が大きいと、いうことでしょうか。きっと私が見逃しているなにかがあるのでしょう。



こういったことを考えるきっかけをつくることがライブエイトの主旨でありホワイトバンドの主旨であると思います。だとしたらお金を払ってホワイトバンドを買う必要は全く無いのではと思っています。きっかけをつくるだけですから。



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Re:結論から言えば・・・ (coffee-float)
2005-09-30 01:04:14
まずアフリカの貧困と日本の責任の件ですが、確かに欧州諸国に比べて日本は「責任はほとんどない」といえるかもしれませんし、私が「大々的」という言葉を使ってしまったのは言い過ぎという気もしますし極端な例も使っていたので、私の側の非も認めます。すみません。多少言葉が過ぎました。ただついでに弁明させていただきますと、その責任の度合いが誤差の範囲のようなものであったからといって責任を問われない、ということにはなりませんよね?(この点に関しては異論がないかとは思いますが)そういったことは、このホワイトバンドのプロジェクトの主催団体・参加団体の人々の方こそよくわかっていると思っていたのですが、「日本はアフリカの貧困に責任あるの?」という質問に対して、アフリカの貧困に日本は責任があるか否かの直接的回答をせずに、旧植民地の貧困に対する宗主国の責任という一般則を述べ(だから日本には過去に支配した東南アジアや太平洋地域に対する責任はある、という認識はあるようです)、そこからなぜかアフリカの貧困を解消せねばという結論に至ります(「宗主国(そうしゅこく)といわれた先進国の責任といえる。」という文章の「宗主国」を「1つ以上の植民地を所有していた/いる国」、「植民地」を「これまでに植民地とされたことのある地域全て」のように読めば論理的に繋がりはしますが・・・)。この質疑から、「日本はアフリカの貧困に(多少なりとも)責任がある」というメッセージを読み取るのは難しいと思います。



ホワイトバンドの主旨がこのような問題について考えるきっかけを作ることである、というご意見については全く異論がありません。私も、きっかけ作りに成功したという点ではこのプロジェクトは大いに評価できると考えています。むしろ最初はその点でこのプロジェクトに賛同していました。しかし、このプロジェクトのホワイトバンド販売に関して不明瞭な点があります(売上金の用途、経費の多さ、寄付ではないということが購買者にあまり浸透していなかったこと等)。一部の人はこの件に関して「詐欺」だというようなことを言っていますが、以前から公式HPなどで「これは寄付ではなく活動費となる」ということが明記してあったのですから、これは良く調べてから買わなかったほうが悪いといわれても仕方ありません。それに、寄付されないならホワイトバンドを買わないというのは、このプロジェクトの「お金より声」という考えにそもそも賛同していないのだからホワイトバンドはつけるべきではないでしょう。ただし、買った後で知って騙されたと騒ぐ人が馬鹿だといってしまえばそれまでですが、販売側も販売スペースなどに明示するなど工夫の余地はありましたね(結果論的な話になってしまうので一概に販売側を責めるわけにもいきませんが。それに最近では広告などでも寄付ではないことをアピールするようになったそうですから)。ただ、ホワイトバンドの売上の活動に充てられる割合がまちまちであること、ビジネスとしての側面があることなど、疑問を抱いてしまう点もまだまだあると思います。きっかけ作り、そのためにホワイトバンドを製作し販売する、というのは納得できるんだけど、それで販売店や流通業者に利潤が出る仕組みになっているというのは納得しがたい。利潤がでるのならばそれはそれで、ボランティアではなくビジネスでもあるということを明示する誠実さが欲しかったです。

あともう一点。もちろん、この活動に賛同するにあたってホワイトバンドも買う必要なんて全くもってありません。考えに賛同するが、買いたくないという人は買わずに白いバンドを身につければ良いわけです。とはいっても、実際には「白いバンド=貧困への意思表示」というよりは「***のホワイトバンド=貧困への意思表示」のようなイメージが形成されてしまっている気もしますが・・・(p.s.に続く)。とりあえず、私はホワイトバンドは着けずに何か白いアクセサリーでも編んでつけることにします。



p.s.ネットオークションで定価以上の値段で取引してまでオフィシャルのホワイトバンドを買おうとする人々がいることを考えると(ファッションとしてどうしてもオフィシャルのものが欲しかったのなら話は別かもしれませんが)、結局この活動は「白いものをつけることで意思表示する」というものというよりは「ホワイトバンドをつけることでこのムーブメントにのる」というものに摩り替わってしまっている気がします。そのため、オフィシャルのホワイトバンドを手に入れることが、「貧困問題に対する意思表示」という本来の目的から独立したプレミアムの価値を帯びたので、白いものなら何でも良いのだと頭ではわかっていても、オフィシャルのものが欲しくなり、これだけホワイトバンドが売れるという結果となっているんでしょうね。別に流行やファッションでつけるっていうのでも全然構わないと思いますが、その結果ホワイトバンドが形骸化してただの1ブランドとなってしまっては、ホワイトバンドが何百万本売れてお金がいくら集まっても、本来の目的である「声」が集まらないですね。。
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