Bunkamuraでは「ほつれ髪の女」がフライヤーに使用されています。
今回の展覧会のアイコンでもあるわけですが、「ほつれ髪の女」という風に呼ばれているとは知りませんでした。この呼び名、いつ頃から当たり前になったのでしょうか?「女の頭部」とだけ呼ばれていたような気もするのですが。。。でも、なんの詩情も感じさせない呼び名よりは「ほつれ髪の女」の方がダ・ヴィンチの意をくみ上げているようで、意外にしっくりきますね。
普通なら、パルマ国立美術館まで行かなくては見られない作品です。それが渋谷で見られるのであれば、四の五の言わずに出かけていった方がいい。。。(いや、そりゃぁ、パルマで見られるならそれに越したことはないのでしょうけど。)
名だたる「奇跡」のような大作よりも、僕はダ・ヴィンチの素描が大好きなのですけど、そういうささやかな「好み」の話は脇に置いておくとしても、ダ・ヴィンチの素描が当時の世に与えた影響の深さははかり知れません。一見するとマニアックにさえ思える数々の研究が報告していることは、ダ・ヴィンチが何を変えてしまったのか?についてをつまびらかにしようとする試みと言い換えても差し支えないような気がしてきます。現在の僕らがブラウズしている「ヨーロッパ絵画」というのは、「ダ・ヴィンチ以後の世界観だ」と言ってしまえるほどに。。。
「絵画論」やその他の手稿に見られるように、「素描」の重要性をダ・ヴィンチは言葉で説いているのですが、それを具現化した存在が残されている。
素描、習作も数点展示されています。
この天才に徒弟時代があるということを知識として知ってはいても、想像するのは本当に難しい。
上の『キリストの洗礼』の左下の天使はダ・ヴィンチの手によるとされていますが、展示されている素描の「帰属については、いまだに研究と論議が続けられている。」のだそうで。。。
この部分の素描が、下のようになっている。
「いまのところ」という注釈付きのダ・ヴィンチ作品。
しげしげと眺めるにつけ、ダ・ヴィンチでないならいったい誰がこれを描きえたのだろうか?と、素人ながら首をかしげてしまいます。
ダ・ヴィンチ展/Bunkamura
ダ・ヴィンチ展/Bunkamura(2)