「人のいやがることは儲かる」
コレ、商売の鉄則です。
このことに気づいたのは、中学卒業前の「最後の冬休み」でした。
ここから考えますとCGはたいして儲かりません。やりたい人にはおもしろい仕事ですからね。
今でこそ、どこでもブログ記事は「無料」で提供されているわけですが、学生時代、文章を書くというのは、誰にでも、めんどうでイヤなことでした。
つまり、誰でもいやがる=商売になる、ということです。
大学にもなれば、露骨に卒論を代筆する商売がありますが、このようなアコギなことに、私は中学時代に気づきました。
思えば、初めてやった「商売」だったように思います。しかも儲かりました。
きっかけは単純なことです。どのようなビジネスもヒントはそのへんにころがっているもの。
当時、従兄弟のジュンちゃん(いいのか?実名出して)は、私よりひとつ上の高校生。
彼はこの年の冬、バイクの無免許運転でつかまりまして、学校から停学をくらっておりました。
停学中は、「反省文」というものを毎日書かなくてはなりません。しかも毎日提出。
現在、国家公務員であるジュンちゃんは(いいのか?職業出して)、当時この「反省文」に悩んでおりました。
ムリもありません。「バイクに無免許で乗る」などという楽しいことをして、反省などできるわけがありません。
かと言って、曲がりなりにも反省文。「面白かった」などとは、おくびにも出せぬことなわけです。
反省も1日目くらいはなんとかなります。しかし、これが1週間もたてば、書く事はつきてしまいます。誰だってそうです。
しかし停学は2週間。
私が彼の家に宿泊に行っていた日も、彼は白紙の反省文ノートに向かっておりました。
「書いてやろうか?」
私にすれば、彼がこの難関を超えてくれないと一緒に遊べないので、実に利己的に言ったことなのですが、この言葉に、彼は一も二もなく飛びついたのです。
当時、新聞委員長という、東西新聞社で言えば、小泉局長にも匹敵する役職をやっておりましたワタクシ(そんなにえらくない・・・)には、容易い仕事でした。
結局、私が彼の家に宿泊していた期間、道路交通法に違反した彼の「反省」は、彼が停学が解けるまで、私が代筆しました。
その彼がいまや国家公務員・・・素質あったなぁ。公務員の(笑)。
彼はその1週間分の原稿料をくれました。金で解決するあたりが国家公務員の才能ありありですが、当時の彼には、そんな邪心はありません。
むしろ「邪心」を抱いたのは私です。
そうか。文章って儲かるんだなぁ。
やがてその年、私も高校入学。その年からさっそく「ビジネス」にかかります。
「反省文」は需要が少ないですから、たいした商売にはなりません。
なんと言っても、繁忙期は「読書感想文」が必要となる時期です。
この年の夏休み、私は暇があれば読書感想文を書いておりました。いわゆる「仕込み」です。
みんな同じような文章では「商品」になりませんので、書き方や文体を変えて、20作品くらいを書き上げておきました。
実は、当時も今も、あまり読書好きではなかったのですが、ビジネスとなれば話は別です。
スタンダールもヘッセも小泉八雲も太宰も、ほとんどこの時期に読みました。これほどヨコシマな気持ちで文学を読もうとは、さしものスタンダールも予測できなかったことでしょう。
さて。夏休みも終わる頃、友人宅をまわりますと、案の定、みんなこの「読書感想文」に頭をかかえておりました。
今思うと、ろくな友人がいなかったのだなー、と思いますが、言い換えれば、彼らは上客です。
このうち数人は、「予約制」のお客様でしたが、やはりおいしかったのは「切羽詰まったヤツ」です。
「感想文、あるよ。いくらで買う?」
このセールストークは無敵。
自動延長の「ヨン様プライベートDVD」のごとく、ぐんぐん値段はつり上がり、全てを売り切る頃には、読書感想文の原稿は超高値取引。みごとに「感想文ビジネス」は大成功し、この夏休みは大金持ちとなったのでした。
比較できませんが、ホリエモンくんは、当時小学生だったので、この時点では、私のほうが彼よりリッチマンであったと思われます(そんな空しい比較してどーすんでしょ・・)。
しかし。ホリエモン君を引き合いに出すまでもなく、悪事には落とし穴があります。
すべての原稿が売れたのはいいのですが、調子に乗りすぎたために、自分の「感想文」がありません。
気づいた時には、夏休み終了日。
もう、さんざんな読書三昧な日を送っておりました私は、もとより読書好きではないため、もうほとほと嫌気がさしておりました。
どうしよう?
販売した読書感想文は、同じ本で3通りくらい書いておりましたので、同じ本ではすでに書けません。
「紺屋の白袴」とは良く言ったものだなぁ、などとヘンな感心をしておりましたが、読書感想文に熱中するあまり、他の宿題もやっておりませんでしたからすでにパニック状態。
そこで、苦肉の策で書いたのが
「マンガ・ブラックジャックを読んで」
しかし、芸術作品「ブラックジャック」も、当時は連載中(少年チャンピオン)のマンガでした。
こんな感想文が話題にならないわけがありません。
もちろん、悪い意味でですが。
後編につづきます・・・・・
------------------------------
あいうえお順INDEX
コレ、商売の鉄則です。
このことに気づいたのは、中学卒業前の「最後の冬休み」でした。
ここから考えますとCGはたいして儲かりません。やりたい人にはおもしろい仕事ですからね。
今でこそ、どこでもブログ記事は「無料」で提供されているわけですが、学生時代、文章を書くというのは、誰にでも、めんどうでイヤなことでした。
つまり、誰でもいやがる=商売になる、ということです。
大学にもなれば、露骨に卒論を代筆する商売がありますが、このようなアコギなことに、私は中学時代に気づきました。
思えば、初めてやった「商売」だったように思います。しかも儲かりました。
きっかけは単純なことです。どのようなビジネスもヒントはそのへんにころがっているもの。
当時、従兄弟のジュンちゃん(いいのか?実名出して)は、私よりひとつ上の高校生。
彼はこの年の冬、バイクの無免許運転でつかまりまして、学校から停学をくらっておりました。
停学中は、「反省文」というものを毎日書かなくてはなりません。しかも毎日提出。
現在、国家公務員であるジュンちゃんは(いいのか?職業出して)、当時この「反省文」に悩んでおりました。
ムリもありません。「バイクに無免許で乗る」などという楽しいことをして、反省などできるわけがありません。
かと言って、曲がりなりにも反省文。「面白かった」などとは、おくびにも出せぬことなわけです。
反省も1日目くらいはなんとかなります。しかし、これが1週間もたてば、書く事はつきてしまいます。誰だってそうです。
しかし停学は2週間。
私が彼の家に宿泊に行っていた日も、彼は白紙の反省文ノートに向かっておりました。
「書いてやろうか?」
私にすれば、彼がこの難関を超えてくれないと一緒に遊べないので、実に利己的に言ったことなのですが、この言葉に、彼は一も二もなく飛びついたのです。
当時、新聞委員長という、東西新聞社で言えば、小泉局長にも匹敵する役職をやっておりましたワタクシ(そんなにえらくない・・・)には、容易い仕事でした。
結局、私が彼の家に宿泊していた期間、道路交通法に違反した彼の「反省」は、彼が停学が解けるまで、私が代筆しました。
その彼がいまや国家公務員・・・素質あったなぁ。公務員の(笑)。
彼はその1週間分の原稿料をくれました。金で解決するあたりが国家公務員の才能ありありですが、当時の彼には、そんな邪心はありません。
むしろ「邪心」を抱いたのは私です。
そうか。文章って儲かるんだなぁ。
やがてその年、私も高校入学。その年からさっそく「ビジネス」にかかります。
「反省文」は需要が少ないですから、たいした商売にはなりません。
なんと言っても、繁忙期は「読書感想文」が必要となる時期です。
この年の夏休み、私は暇があれば読書感想文を書いておりました。いわゆる「仕込み」です。
みんな同じような文章では「商品」になりませんので、書き方や文体を変えて、20作品くらいを書き上げておきました。
実は、当時も今も、あまり読書好きではなかったのですが、ビジネスとなれば話は別です。
スタンダールもヘッセも小泉八雲も太宰も、ほとんどこの時期に読みました。これほどヨコシマな気持ちで文学を読もうとは、さしものスタンダールも予測できなかったことでしょう。
さて。夏休みも終わる頃、友人宅をまわりますと、案の定、みんなこの「読書感想文」に頭をかかえておりました。
今思うと、ろくな友人がいなかったのだなー、と思いますが、言い換えれば、彼らは上客です。
このうち数人は、「予約制」のお客様でしたが、やはりおいしかったのは「切羽詰まったヤツ」です。
「感想文、あるよ。いくらで買う?」
このセールストークは無敵。
自動延長の「ヨン様プライベートDVD」のごとく、ぐんぐん値段はつり上がり、全てを売り切る頃には、読書感想文の原稿は超高値取引。みごとに「感想文ビジネス」は大成功し、この夏休みは大金持ちとなったのでした。
比較できませんが、ホリエモンくんは、当時小学生だったので、この時点では、私のほうが彼よりリッチマンであったと思われます(そんな空しい比較してどーすんでしょ・・)。
しかし。ホリエモン君を引き合いに出すまでもなく、悪事には落とし穴があります。
すべての原稿が売れたのはいいのですが、調子に乗りすぎたために、自分の「感想文」がありません。
気づいた時には、夏休み終了日。
もう、さんざんな読書三昧な日を送っておりました私は、もとより読書好きではないため、もうほとほと嫌気がさしておりました。
どうしよう?
販売した読書感想文は、同じ本で3通りくらい書いておりましたので、同じ本ではすでに書けません。
「紺屋の白袴」とは良く言ったものだなぁ、などとヘンな感心をしておりましたが、読書感想文に熱中するあまり、他の宿題もやっておりませんでしたからすでにパニック状態。
そこで、苦肉の策で書いたのが
「マンガ・ブラックジャックを読んで」
しかし、芸術作品「ブラックジャック」も、当時は連載中(少年チャンピオン)のマンガでした。
こんな感想文が話題にならないわけがありません。
もちろん、悪い意味でですが。
後編につづきます・・・・・
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あいうえお順INDEX
野良ヤギからすっかりはまって愛読させていただいております。
今回も前後編でおもしろそうな予感....。期待しちゃいます。
読書感想文。私も不得手でした。1000円くらいなら買ったかも?
いくらで販売されてたんでしょうか?気になります。
それで、読書も増えて、イッセキニチョウ!!でも、詰めが甘かったですね!?
娘もいつも読書感想文が最後に残ってしまいます。
「美味しんぼ」全巻購入、愛読書です。