9/3~10/19 秋涼の特別展…【高台寺】
10/9~12/5 銀閣寺東求堂公開…【銀閣寺】
10/14~10/16 引声阿陀経会…【真如堂】
10/15~10/16 龍谷会…【西本願寺】12:40
10/15 手作り市…【百万遍知恩寺】
10/15 例大祭…【粟田神社】11:00
【西本願寺】→「風俗博物館」
【西本願寺】
最悪である。
私は、ここで15日と16日に行われるはずの龍谷会を見に来たのである。
しかし、境内一丸、全く祭事をする様子が無い。皆無。
15日の祭事は12:40からと、公式サイトにあった。
サイトに掲載されている写真を見る限り、かなり大規模な祭事だ。
仮設のテントも用意されている。
おかしい。白いテントの様子すら、境内にはなかった。
閑散としている(観光客や、門徒さんの姿はちらほらあった)
おかしい。
本願寺への入り口の門は正面に2つある。
ここはかなり気遣いが細かいお寺さんで、両方の門の先に案内人みたいな人が常に立っている。
前を通り過ぎるとパンフレットをくれたり、質問すると色々教えてくれる、かなり優しい所だ。
腹を決めて、その人に尋ねてみる。
この閑散さである。サイトの情報が間違っているか、私の記憶違いか、どちらかであろうとは思っていた。
しかし…。
衝撃だった。
龍谷会は、ここ【西本願寺】で行われるのではなーーーい!!!とな。
愕然とした。
でも、確かにサイトに書いてあるわ。
“大谷本廟の報恩講”
とな。
しかし…。それで分かる、初心者はおるかいと、訊きたいのである。
結論を言います。
【大谷本廟】という場所が、五条坂の上にあるんです!
15日と16日に渡って行われる龍谷会の法要は、そっちでやるんです!!
もおお!!!
知らんよ! 分からんよ、それ!
ンまったく知らなかった。【大谷本廟】が【西本願寺】の管轄だったなんて!
サイトの情報をちゃんと見ろ、って感じですか。はいはい…。
そんなだったら、【粟田神社】のお祭りに行ってりゃ良かったよ…。
それを知った時点で、時刻は12:20
チャリを飛ばせば、ほぼ堀川六条に位置する【西本願寺】から五条の東詰めの【大谷本廟】まで割とすぐだ。
しかしだ。
【大谷本廟】へはまだ行ったことはないが、前を通ったことは何度かある。
ここの前には、客待ちのタクシーが路上駐車してプラプラしている以外、駐車場も駐輪場も無い。
それどころか五条通付近ってのは、とにかく自転車を置いておける場所が無い!
まあ五条坂沿いに商店が幾つかあるんで、軒をお借りして路駐なんてのは可だ。だがそれはしたくない。
五条坂の辺りに行くには、四条の祇園にある駐輪場に置いて、徒歩ってのが一番だ。
【清水寺】辺りに行く時は、仕方なくいつもそうしている。
しかし、直接【大谷本廟】へ行けないもんだから当然時間がかかる。
間に合わない…。
……。
もういいや、という気になる。
一瞬すげー葛藤したんだけども。いいや。明日もあるし。
てなわけで、【西本願寺】の北斜向かいに建つ、私の大好きな博物館に行こうと決める。
自転車で自宅から30分位かかるから、こういう時じゃないと行けないのよね。
その話はもうちょっと後でするとして、一応、【西本願寺】のことで分かったことを書いておく。
初めて知ったが、ここにはちゃんと公式の駐輪場がある。駐車場も同じ場所だ。
【西本願寺】の北沿いの細い道路がコレ↓
この左の塀が【西本願寺】の、ついでに言うと太鼓楼がある場所だ。
↓これがその太鼓楼。
その道をちょっと行って、右側が駐輪場(駐車場)だ。自転車はもちろん無料。ありがたい。
ま、今日は結局お参りもしなかった訳だが…。
一応お西さんの写真も載せておこ。
門からしてすっげ立派。かっこいい。
さてと。
お西さんから出て左折。目の前の大きな道路を渡り、ちょこっと左へ行けば【風俗博物館】がある。
“京都の観光名所”の中で、分かり難い場所トップ3ぐらいに入るな(1位は【晴明墓地】)
道路などに、「こちら【風俗博物館】」とかの表示は一切ないので、初めての人は必ず迷うだろう。
分かり難いが、この建物がそう。ここの5階。
本当に、ここ入っていいんだろうか…と二の足を踏むが、勇気を出して入ろう。
エレベータがあるのでそれで5階へ。
まぁもちろん好き好きだが、たまらん人にはたまらんよ、ここの博物館は。
私としては、多分世界一好きな博物館だろう。世界の博物館には行ったことないけど。
最高である。
平安時代が好きなら、たいてい「素晴らしい!!」と目を輝かせるだろう。
本当に、いいから。
これで一般400円は安いって。年間パスポートが欲しい…。
今年の12月から長期の閉館となる!
今のうちに見ておかねば。
1階分の、決して広いとは言えない部屋の中に、どどんと置かれたミニチュアの平安貴族邸。
しかしまず、奥の部屋の等身大から見て行こうか。
等身大とあって、結構怖い。眼なんかしっかり造られてて、夜には絶対来たくないな…。
こちら等身大の女房さん3人と、男性貴族。
ここは、ホントにもうさすがである。時代考証がばっちりなのだ。
私なんかがそんな評価をするのさえおこがましいのだが。
中央の女房さん、座っている。これが、片膝なのだ…。
こんなところにウットリとするほど、やっぱり他で見る平安貴族の女性の座り方なんかはテキトーなのだ。
そう、当時の貴族の座り方って、絶対に正座ではなかった。あれは茶の湯から来たものだから。
あぐらか、片膝なのね。
そこら辺ねえ、ちゃんと考証してドラマ作ってるのは韓国なんだよねぇ。
と言うか、韓国は今でもそうなのかな? 片膝なんですよ。
とにかく。
写真では分かり難いと思うので、まあ実際に行って見て下さいよ。
服を剥ぐわけには行かないから(当たり前だ)、近寄って服の皺の具合とか見て。
それだけで溜め息出ちゃう。
ここの右に、実際に着られる狩衣と唐衣がある。
全く自由に着られる。着方が分からない人は、受付の人に頼めば教えてくれるっぽい。
あと、実物大の調度品もある。
御帳台(みちょうだい)天蓋つきのベッド。実際に中に入って座布団(ではないが)に座れる。
そう言えば、今まで訪れた中で、今日が最もお客さん居た気がするなあ。
っても6人くらいだが。
ここはホント、穴場なのだ。たまに団体さんが来たりもするらしいが。
知っている人が少ないので、訪れる人も少ない。
なんとももったいない話だが、そう大々的に宣伝する気がないという辺りも、好きだなあ。
ミニチュアコーナ。
シーン1。
『枕草子』に書かれた、法華八講という仏教行事のようす。
小物までも細かーいそしてきれーい。
お坊さんの人形ってのも案外可愛いな。
お坊さんの人形なんか中々見られないからね。
法要に参加している貴族さん達はどことなく暇そう。
これは貴族童かな? 可愛いなあ。みずらに結ってますね。
雑用さん達。
牛と牛飼い童。
遠目から撮るとこんな感じ。
天井が低い為照明が入ってしまうのは仕方ない。
意匠を凝らしたミニチュアなのに、柵なんてない!(屋敷の模型なので、塀はあるが)
もちろん触ることなんて御法度だが、相当乗り出して見ることも可。
で、柵がないからこんなアングルも可。
手前にあるのは蓮。お花でもなんでも4分の1スケール。
牛車! 3台もあるぜ。も、ちょ~キレイ。ちょーキレイ!
よーく見ると、中にちゃんと女性が乗ってんの! 小窓や後ろから姿が見える。
牛車の後ろから長い装束を覗かせる。
この人は従者…ではないな。何だろう?
シーン2。七夕のようす。
子供ちゃんがススキを見てる。やや斜め上からと、下からの撮影。臨場感あ~る~。
水差しを持つ女房さん。
几帳の先では何を?
この子は何をしているんだろう。自分の髪を纏めて…。
梶の葉に和歌を書いている。七夕の行事だそうです。
しかし凄い、ちゃんと筆持っているのだ…。
硯。小さい。ホントに小さいのだ。
後ろの棚には反物などが置かれている。七夕に関係ある物だ。
欄干の下には牽牛と織姫へのお供え物が並ぶ。筝の琴に、梶の葉に針を刺したもの。
角盥(つのだらい)に葉を浮かべている。下に入っているのは氷。
その先ではお香の調合をしている。
女房さんの後ろにある駕籠。この中に香炉が入っていて上に衣が掛けられている。
こうして衣に匂いを移すのである。
用意されたお菓子は索餅(ねじり菓子)と削氷(かきごおり!)
シーン3では何やらお忙しそうな女房さん達。
2人がかりで装束を畳んでいるようだ。
裁縫をする女房。
こちらもちゃんと針を持っている。細かいッ!
この人達は綿を取りだしているらしい。
小物。
シーン4。季節の重ね。
私は装束と言ったら男性の、しかも狩衣が最も好きだが、こうして四季に準ずる女性装束の重ねってのもかなり好き。
これは春。やっぱり春のが一番良いわ!
白にピンクのグラデーションで重ねて行って最後に緑で閉めるなんて最高。草花を表してますなあ。
梅かさね。
よじり紅葉。
こういう重い色になって来ると冬だ。
今回の展示で驚いたもの、その1
光クン…。
すーごーいっ!! エロいぞこいつ。
展示の説明を細かく書いてくれたレジュメにはこんなことが…
「しどけなく乱れた髪筋もそのままに、紅の下袴に白い袿を無造作に纏い」
ああ(笑)ホント、そんな感じ。髪は乱れてなかったけど。
少しでも平安時代の装束について興味がある人なら分かるだろう。
狩衣も直衣も着けていない、この姿。おいおい、何してたのよ今まで? って恰好ね。
2ヶ所ほど、階段があって登って上から全体を見ることが出来る。
俯瞰の図。凄い、こんな真上から見えるのだぞ。ないぞ、普通の博物館じゃ。
↑ちなみに「へんつぎ」をして遊んでいる。
「へんつぎ」の「へん」とは漢字の「さんずい」とか「きへん」とかの偏。
偏とつくりがそれぞれ書かれた札を、合わせてひとつの文字にするっていう教養を兼ねた遊びだ。
この女房さんの右奥に置いてあるのは双六。
絵巻物を持っている女房。こーまーかい!
お仕事中の女房さん。綿を運んでいます。
シーン5空蝉への歳暮。お歳暮で贈る装束を選んでいるところか? 右の扇広げているのは紫の上さん。
この人光くん。
お隣の部屋には『源氏物語』に登場する姫達の装束が飾られている。
これがミニチュアに見えますかあ?
緑の方、上品で美しい! と思ったら、末摘花の装束だって!
……そういや私、【源氏物語ミュージアム】の占いの結果が末摘花だったなぁ…。
こちらでもお仕事中の女房さん達。お食事の入った高杯を運んでいる。
扇片手に高杯て結構大変だと思うのだが…。
半蔀を取り外す女房さん達。女性の仕事か、これは? しかもこんな重い装束着けて。
高貴な姫様以外の女性は結構働き者なのだ。
驚愕その2
正確に言えば、かつて驚愕した事実を実際に目の当たりにした驚愕。
格子を押し開ける女房。これ、碁盤に乗ってるんですよ。
以前本で読んで、「まさかあ」とあまり信じてなかったんだけど、
こうやって碁盤の上に両足を載せて、格子をよっこいしょと上げるなんてことを、
女房がしていたということが『枕草紙』に書いてあるんですって。
人前で顔を隠し、堂々と屋敷内を歩くなんてこともあまりしなかった、高貴な女性がですよお。
まぁ女房だから高貴とは限らないですけども。『枕草子』の作者が実際にやったことらしいから。
いやあ……。現代の女性だってやらないよ(笑)
碁盤すよ、碁盤。たまたまそこにあったって、踏み台にはしないよ…。
感覚の違いかねえ。
たっぷり1時間は居た。自分で呆れてしまうわ。
帰りがけに、持っていない書籍を発見して思わず購入。
ここの博物館の館長が出している書籍って幾つかあって、大変面白いのだ。
『源氏物語 六條院の生活』と『六條院へ出かけよう』は家宝モンである。
3万する、風俗の書籍はいつか買おうと虎視眈々と狙っている。
今回買ったのは『年中行事と宮廷文化のかたち』という平成17年に出版された本。
上記の2冊とは、またかなり趣が違っている。ひひひ(何度も言うが、私はオタクである)
前頁カラーというのも最高。ああ、ホント好きだこの博物館。
10/9~12/5 銀閣寺東求堂公開…【銀閣寺】
10/14~10/16 引声阿陀経会…【真如堂】
10/15~10/16 龍谷会…【西本願寺】12:40
10/15 手作り市…【百万遍知恩寺】
10/15 例大祭…【粟田神社】11:00
【西本願寺】→「風俗博物館」
【西本願寺】
最悪である。
私は、ここで15日と16日に行われるはずの龍谷会を見に来たのである。
しかし、境内一丸、全く祭事をする様子が無い。皆無。
15日の祭事は12:40からと、公式サイトにあった。
サイトに掲載されている写真を見る限り、かなり大規模な祭事だ。
仮設のテントも用意されている。
おかしい。白いテントの様子すら、境内にはなかった。
閑散としている(観光客や、門徒さんの姿はちらほらあった)
おかしい。
本願寺への入り口の門は正面に2つある。
ここはかなり気遣いが細かいお寺さんで、両方の門の先に案内人みたいな人が常に立っている。
前を通り過ぎるとパンフレットをくれたり、質問すると色々教えてくれる、かなり優しい所だ。
腹を決めて、その人に尋ねてみる。
この閑散さである。サイトの情報が間違っているか、私の記憶違いか、どちらかであろうとは思っていた。
しかし…。
衝撃だった。
龍谷会は、ここ【西本願寺】で行われるのではなーーーい!!!とな。
愕然とした。
でも、確かにサイトに書いてあるわ。
“大谷本廟の報恩講”
とな。
しかし…。それで分かる、初心者はおるかいと、訊きたいのである。
結論を言います。
【大谷本廟】という場所が、五条坂の上にあるんです!
15日と16日に渡って行われる龍谷会の法要は、そっちでやるんです!!
もおお!!!
知らんよ! 分からんよ、それ!
ンまったく知らなかった。【大谷本廟】が【西本願寺】の管轄だったなんて!
サイトの情報をちゃんと見ろ、って感じですか。はいはい…。
そんなだったら、【粟田神社】のお祭りに行ってりゃ良かったよ…。
それを知った時点で、時刻は12:20
チャリを飛ばせば、ほぼ堀川六条に位置する【西本願寺】から五条の東詰めの【大谷本廟】まで割とすぐだ。
しかしだ。
【大谷本廟】へはまだ行ったことはないが、前を通ったことは何度かある。
ここの前には、客待ちのタクシーが路上駐車してプラプラしている以外、駐車場も駐輪場も無い。
それどころか五条通付近ってのは、とにかく自転車を置いておける場所が無い!
まあ五条坂沿いに商店が幾つかあるんで、軒をお借りして路駐なんてのは可だ。だがそれはしたくない。
五条坂の辺りに行くには、四条の祇園にある駐輪場に置いて、徒歩ってのが一番だ。
【清水寺】辺りに行く時は、仕方なくいつもそうしている。
しかし、直接【大谷本廟】へ行けないもんだから当然時間がかかる。
間に合わない…。
……。
もういいや、という気になる。
一瞬すげー葛藤したんだけども。いいや。明日もあるし。
てなわけで、【西本願寺】の北斜向かいに建つ、私の大好きな博物館に行こうと決める。
自転車で自宅から30分位かかるから、こういう時じゃないと行けないのよね。
その話はもうちょっと後でするとして、一応、【西本願寺】のことで分かったことを書いておく。
初めて知ったが、ここにはちゃんと公式の駐輪場がある。駐車場も同じ場所だ。
【西本願寺】の北沿いの細い道路がコレ↓
この左の塀が【西本願寺】の、ついでに言うと太鼓楼がある場所だ。
↓これがその太鼓楼。
その道をちょっと行って、右側が駐輪場(駐車場)だ。自転車はもちろん無料。ありがたい。
ま、今日は結局お参りもしなかった訳だが…。
一応お西さんの写真も載せておこ。
門からしてすっげ立派。かっこいい。
さてと。
お西さんから出て左折。目の前の大きな道路を渡り、ちょこっと左へ行けば【風俗博物館】がある。
“京都の観光名所”の中で、分かり難い場所トップ3ぐらいに入るな(1位は【晴明墓地】)
道路などに、「こちら【風俗博物館】」とかの表示は一切ないので、初めての人は必ず迷うだろう。
分かり難いが、この建物がそう。ここの5階。
本当に、ここ入っていいんだろうか…と二の足を踏むが、勇気を出して入ろう。
エレベータがあるのでそれで5階へ。
まぁもちろん好き好きだが、たまらん人にはたまらんよ、ここの博物館は。
私としては、多分世界一好きな博物館だろう。世界の博物館には行ったことないけど。
最高である。
平安時代が好きなら、たいてい「素晴らしい!!」と目を輝かせるだろう。
本当に、いいから。
これで一般400円は安いって。年間パスポートが欲しい…。
今年の12月から長期の閉館となる!
今のうちに見ておかねば。
1階分の、決して広いとは言えない部屋の中に、どどんと置かれたミニチュアの平安貴族邸。
しかしまず、奥の部屋の等身大から見て行こうか。
等身大とあって、結構怖い。眼なんかしっかり造られてて、夜には絶対来たくないな…。
こちら等身大の女房さん3人と、男性貴族。
ここは、ホントにもうさすがである。時代考証がばっちりなのだ。
私なんかがそんな評価をするのさえおこがましいのだが。
中央の女房さん、座っている。これが、片膝なのだ…。
こんなところにウットリとするほど、やっぱり他で見る平安貴族の女性の座り方なんかはテキトーなのだ。
そう、当時の貴族の座り方って、絶対に正座ではなかった。あれは茶の湯から来たものだから。
あぐらか、片膝なのね。
そこら辺ねえ、ちゃんと考証してドラマ作ってるのは韓国なんだよねぇ。
と言うか、韓国は今でもそうなのかな? 片膝なんですよ。
とにかく。
写真では分かり難いと思うので、まあ実際に行って見て下さいよ。
服を剥ぐわけには行かないから(当たり前だ)、近寄って服の皺の具合とか見て。
それだけで溜め息出ちゃう。
ここの右に、実際に着られる狩衣と唐衣がある。
全く自由に着られる。着方が分からない人は、受付の人に頼めば教えてくれるっぽい。
あと、実物大の調度品もある。
御帳台(みちょうだい)天蓋つきのベッド。実際に中に入って座布団(ではないが)に座れる。
そう言えば、今まで訪れた中で、今日が最もお客さん居た気がするなあ。
っても6人くらいだが。
ここはホント、穴場なのだ。たまに団体さんが来たりもするらしいが。
知っている人が少ないので、訪れる人も少ない。
なんとももったいない話だが、そう大々的に宣伝する気がないという辺りも、好きだなあ。
ミニチュアコーナ。
シーン1。
『枕草子』に書かれた、法華八講という仏教行事のようす。
小物までも細かーいそしてきれーい。
お坊さんの人形ってのも案外可愛いな。
お坊さんの人形なんか中々見られないからね。
法要に参加している貴族さん達はどことなく暇そう。
これは貴族童かな? 可愛いなあ。みずらに結ってますね。
雑用さん達。
牛と牛飼い童。
遠目から撮るとこんな感じ。
天井が低い為照明が入ってしまうのは仕方ない。
意匠を凝らしたミニチュアなのに、柵なんてない!(屋敷の模型なので、塀はあるが)
もちろん触ることなんて御法度だが、相当乗り出して見ることも可。
で、柵がないからこんなアングルも可。
手前にあるのは蓮。お花でもなんでも4分の1スケール。
牛車! 3台もあるぜ。も、ちょ~キレイ。ちょーキレイ!
よーく見ると、中にちゃんと女性が乗ってんの! 小窓や後ろから姿が見える。
牛車の後ろから長い装束を覗かせる。
この人は従者…ではないな。何だろう?
シーン2。七夕のようす。
子供ちゃんがススキを見てる。やや斜め上からと、下からの撮影。臨場感あ~る~。
水差しを持つ女房さん。
几帳の先では何を?
この子は何をしているんだろう。自分の髪を纏めて…。
梶の葉に和歌を書いている。七夕の行事だそうです。
しかし凄い、ちゃんと筆持っているのだ…。
硯。小さい。ホントに小さいのだ。
後ろの棚には反物などが置かれている。七夕に関係ある物だ。
欄干の下には牽牛と織姫へのお供え物が並ぶ。筝の琴に、梶の葉に針を刺したもの。
角盥(つのだらい)に葉を浮かべている。下に入っているのは氷。
その先ではお香の調合をしている。
女房さんの後ろにある駕籠。この中に香炉が入っていて上に衣が掛けられている。
こうして衣に匂いを移すのである。
用意されたお菓子は索餅(ねじり菓子)と削氷(かきごおり!)
シーン3では何やらお忙しそうな女房さん達。
2人がかりで装束を畳んでいるようだ。
裁縫をする女房。
こちらもちゃんと針を持っている。細かいッ!
この人達は綿を取りだしているらしい。
小物。
シーン4。季節の重ね。
私は装束と言ったら男性の、しかも狩衣が最も好きだが、こうして四季に準ずる女性装束の重ねってのもかなり好き。
これは春。やっぱり春のが一番良いわ!
白にピンクのグラデーションで重ねて行って最後に緑で閉めるなんて最高。草花を表してますなあ。
梅かさね。
よじり紅葉。
こういう重い色になって来ると冬だ。
今回の展示で驚いたもの、その1
光クン…。
すーごーいっ!! エロいぞこいつ。
展示の説明を細かく書いてくれたレジュメにはこんなことが…
「しどけなく乱れた髪筋もそのままに、紅の下袴に白い袿を無造作に纏い」
ああ(笑)ホント、そんな感じ。髪は乱れてなかったけど。
少しでも平安時代の装束について興味がある人なら分かるだろう。
狩衣も直衣も着けていない、この姿。おいおい、何してたのよ今まで? って恰好ね。
2ヶ所ほど、階段があって登って上から全体を見ることが出来る。
俯瞰の図。凄い、こんな真上から見えるのだぞ。ないぞ、普通の博物館じゃ。
↑ちなみに「へんつぎ」をして遊んでいる。
「へんつぎ」の「へん」とは漢字の「さんずい」とか「きへん」とかの偏。
偏とつくりがそれぞれ書かれた札を、合わせてひとつの文字にするっていう教養を兼ねた遊びだ。
この女房さんの右奥に置いてあるのは双六。
絵巻物を持っている女房。こーまーかい!
お仕事中の女房さん。綿を運んでいます。
シーン5空蝉への歳暮。お歳暮で贈る装束を選んでいるところか? 右の扇広げているのは紫の上さん。
この人光くん。
お隣の部屋には『源氏物語』に登場する姫達の装束が飾られている。
これがミニチュアに見えますかあ?
緑の方、上品で美しい! と思ったら、末摘花の装束だって!
……そういや私、【源氏物語ミュージアム】の占いの結果が末摘花だったなぁ…。
こちらでもお仕事中の女房さん達。お食事の入った高杯を運んでいる。
扇片手に高杯て結構大変だと思うのだが…。
半蔀を取り外す女房さん達。女性の仕事か、これは? しかもこんな重い装束着けて。
高貴な姫様以外の女性は結構働き者なのだ。
驚愕その2
正確に言えば、かつて驚愕した事実を実際に目の当たりにした驚愕。
格子を押し開ける女房。これ、碁盤に乗ってるんですよ。
以前本で読んで、「まさかあ」とあまり信じてなかったんだけど、
こうやって碁盤の上に両足を載せて、格子をよっこいしょと上げるなんてことを、
女房がしていたということが『枕草紙』に書いてあるんですって。
人前で顔を隠し、堂々と屋敷内を歩くなんてこともあまりしなかった、高貴な女性がですよお。
まぁ女房だから高貴とは限らないですけども。『枕草子』の作者が実際にやったことらしいから。
いやあ……。現代の女性だってやらないよ(笑)
碁盤すよ、碁盤。たまたまそこにあったって、踏み台にはしないよ…。
感覚の違いかねえ。
たっぷり1時間は居た。自分で呆れてしまうわ。
帰りがけに、持っていない書籍を発見して思わず購入。
ここの博物館の館長が出している書籍って幾つかあって、大変面白いのだ。
『源氏物語 六條院の生活』と『六條院へ出かけよう』は家宝モンである。
3万する、風俗の書籍はいつか買おうと虎視眈々と狙っている。
今回買ったのは『年中行事と宮廷文化のかたち』という平成17年に出版された本。
上記の2冊とは、またかなり趣が違っている。ひひひ(何度も言うが、私はオタクである)
前頁カラーというのも最高。ああ、ホント好きだこの博物館。