越澤明(越沢明)と都市政策、歴史・文化のまちづくり

歴史・文化の都市づくり、都市再生、危機管理を取り上げます。Prof.Akira KOSHIZAWA,PhD

共同通信の震災3ヶ月大型特集。越澤教授がコメント。北海道新聞6月10日「復興プラン 東日本大震災」。

2011年06月14日 | Weblog
6月10日付けで共同通信から配信された大型特集<「日本を創る―東日本大震災3カ月」高齢化、過疎化への対応>が越澤教授のコメントを掲載。全国の各地方紙で掲載された。北海道新聞6月10日(金)に掲載されたものをアップします。






「(大型特集「震災3カ月」」●●6月10日付朝刊以降使用

大型特集「日本を創る―東日本大震災3カ月」高齢化、過疎化への対応

◎人口流出、加速の恐れ 集団移転に懸念の声
復興プランの展望/(3)/高齢化、過疎化への対応

 東日本大震災の津波で甚大な打撃を受けた三陸沿岸地域は、人口減や高齢化という深刻な問題を抱えてきた。政府の復興構想会議や被災自治体は高台への集団
移転や集落の統合を検討しているが、逆に人口流出が加速したり、高齢者の健康を害したりする恐れがあると懸念する声も根強い。
 「漁村では職業柄、海から離れることに抵抗があり、集落ごとの帰属意識も強い。統合はなかなか進まないだろう」とみるのは、災害復旧や復興に詳しい越澤明(こしざわ・あきら)北海道大大学院教授(都市計画)。「漁業に従事しない若い世代が見切りをつけて地元を離れ、高齢の親もいずれ『高台に行くよりは』と子に引き取られていく」として、コミュニティー崩壊につながる可能性があると分析する。
 65歳以上の比率を示す高齢化率は全国平均で20%だが、三陸沿岸は岩手県の岩泉町34%、陸前高田市が31%という「超高齢社会」が到来している。国立
社会保障・人口問題研究所の推計によると、2035年までに人口が05年から半減する市町村も多い。
 1933年の昭和三陸津波では、政府の復興計画に高台への移転が盛り込まれたが、実際は緩やかな傾斜地や麓に移転するケースが多かった。越澤氏は「復興よりも、まずは暮らしを元に戻す復旧が原則」と主張。避難ルートを確保できる場所で個室を確保しつつ、食堂や大浴場などの共用部分がある高齢者向けの共同住宅を集落ごとに建設するよう提言する。
 松井克浩(まつい・かつひろ)新潟大教授(災害社会学)は、住み慣れた自宅を離れた高齢者が精神的に孤立し、体調を崩すような事態を懸念。2004年の中越地震の際、被災者が話し合って丸ごと移転した集落があると指摘した上で「近隣の人間関係を壊さないことが大事。押し付けではなく、住民が自分たちで決めたと感じられる手順が必要だ」と話す。
 大都市への人口流出を食い止める方策はあるのか。東北各地で地域づくりを実践する北原啓司(きたはら・けいじ)弘前大教授(都市計画)は、今回の震災を受け「過疎の問題が?年以上早まって眼前に現れた。若い世代が就業できる状況を生み出すことが必要」と強調。隣接する自治体が連携し、教育や雇用など定住に必要な環境を補完し合うネットワークづくりを訴えている。





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