元館長の統合ブログ

空手・セイルボート・身長を高くするトレーニング・その他を全て統合。

メクリジンで大人の背を伸ばすことは可能か?

2016-11-30 22:15:47 | 武道

世界初!大人の骨を伸ばす運動 身長を高くするトレーニング

 

メクリジンで身長を伸ばすことは可能か?というご質問も最近多くなってきました。

メクリジンの機能も線維芽細胞増殖因子(シグナリング分子、広義のホルモン)の受容体に影響するという仕組みですから、ホルモンが苦手な私に問合せをいただいても名古屋大から発表されていること以上の回答ができるはずが無く、発表と同じ内容を回答させていただいております。

 

結論から述べまして骨端線が閉鎖した大人には効果がありません。
これは名古屋大のプレスリリースにも明記されております。

 

それでも多くの人が期待をしてしまうのは、「FGFR3を抑制する」などの専門的な表記が何を表しているのかが分かりにくいからと思いますので、ここを簡単に説明させていただきます。

 

メクリジンで改善されるのは?

成長ホルモンの投与で低身長が改善できるのは、ごく限られており低身長児(成人身長で男子159cm以下、女子147㎝以下)のうちの5%に過ぎません。

 

これは、成長ホルモンが原因ではない低身長が95%を占めるからですが、メクリジンはその内の軟骨無形成症の患者に効果があると考えられています。

 

軟骨無形成症は読んで字の如く、骨端線にある成長軟骨が形成されにくい疾患です。軟骨が作れないので成長ホルモンを投与しても効果がありません。

 

軟骨無形成症の原因とされるのが線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR3)の異常です。FGFR3は「軟骨を作るの中止!」という命令を出しますが、軟骨無形成症では、この中止命令が出っ放しになります。

 

メクリジンはFGFR3の機能を抑制し、中止命令が出ないようにするので、軟骨が形成されるようになり成長が改善されるという仕組みです。

 

以上のように、メクリジンでの成長は成長軟骨があることが前提ですから、「関節の軟骨が増えて骨になる」とか「骨端線が復活する」等の効果はありません。

 

したがって、大人には全く効果がありませんから、不要な服用は避けるべきでしょう。

 

身トレとの併用は無意味

身トレと併用してメクリジンを飲めば効果が高まるのでは?というご質問もいただきますが、身トレの成長は、骨端線で起きるものではありませんので、併用の効果はないと考えられます。

 

副作用は不明
名古屋大でも、常用した場合の副作用については未だ調査中であり、超高濃度群のラットは全て死亡、イヌでは嘔吐という報告があり、当初の目的である「既存の認可薬による早期認可」も、メクリジンの認可基準が古すぎて現在の基準に合致せず、という状況のようです。


嘔吐止めの薬のはずが、犬では逆の効果になっているのですから、前回記事のパラトルモンのように 効果が逆転してしまうような服用方法もあるのかもしれません。

 

ネットでは、「自己判断で試している」という書込みを多く見かけますが、研究というのは、「上手くいく方法を見つける」という作業ではありません。「失敗する方法を見つけていく」というのが実態で、最後に残った方法が「成功法」ということが多いものです。

それをご自身の身体で試すのはリスクが高過ぎると思います。

 

大人の足を長くする 身長を高くするトレーニング

骨を太くする骨鍛錬を改良し、骨を成長させるトレーニングの開発に成功

日本も再び、平均身長の上昇が始まります!


成長ホルモンで大人の背が伸びるのか その2

2016-11-27 01:43:33 | 身長

大人の足を長くする! 身長を高くするトレーニング

 

身トレのように骨代謝に影響のある運動を行うと、骨だけに変化が現れるのではなく、消化器からのカルシウムの吸収や腎臓での回収など全身的な変化、体質的変化がおこることが分かっています。

 

足で発生した負荷の情報を受け、小腸や腎臓が活動を変えるわけですから情報伝達する媒介が必要です。より簡単に言えば、「足に負荷が掛かった」ことを小腸や腎臓が直接知って動くはずがなく、何かが伝え、指示を出しているはずですが、「こうしろ!」という命令を臓器に伝えるのがホルモンの役割です。

 

逆に「足」が何に伝令を頼み、どこに伝えているのか?というのは、私には分かりません。興味を持った科学者が現れる将来に期待するしかないでしょう。

 

とは言え、何が起きているのか?という興味はあり、色々と調べてはきました。しかしホルモンの仕組みは超難解です。今回は「私にはホルモンの動きを理解するのは不可能」と判断するに至ったホルモンを紹介します。


それは、骨粗鬆症の治療薬としても使われるパラトルモンです。

まずは、パラトルモンはどんなホルモンでしょう?


By Photo generated through PyMol by Der Yang - 

①84アミノ酸から構成されるポリペプチドホルモン。
②血液のカルシウムの濃度を増加させるように働く。
③パラトルモン受容体(PTH受容体)は骨、腸、腎臓の3箇所。

 

簡単に言えば、パラトルモンは「骨を溶かすホルモン」です。パラトルモンの過剰分泌は骨粗鬆症の原因となります。逆の作用を持つのはカルシトニンで、こちらは簡単に言って「骨を作るホルモン」です。

 

どう考えても骨粗鬆症に有効であろうホルモンは、カルシトニンと思われますし、骨を成長させるにもカルシトニンが効きそうです。

 

しかし事実はそうではなく、パラトルモンを間欠投与(時間を空けて投与)することが骨密度の上昇につながります。その機序については「なんでそんな、ややこしい仕組みに?」と私は頭を抱えてしまうので、解説なんてとてもできません。この治療法を開発した人に称賛あるのみです。

 

身トレでも骨の成長が起きる以上はパラトルモンとカルシトニンの影響を受けていることは間違いありませんし、それは成長ホルモン以上の直接的な影響であるはずです。

 

しかし、ホルモンの投与によって大人が成長することは困難であると思われます。パラトルモンの例を見ればわかる様に、ホルモンによる制御はオン・オフの単純なスイッチングではなく、パルス(間欠)分泌や血中ミネラル濃度のコントロールによる間接的な制御、消化器での吸収量のコントロール等々、全身の体質が一つの目的に向かって変化していく制御です。

 

これには反対の働きをするカルシトニンは当然のこととして、さらに多くのホルモンが関与し、健康上の問題が起きないようにバランスを取りながら時間をかけて骨が成長できる体質へと変化していくのでしょうし、それが身トレで初期3ヶ月の成長しない期間に該当すると思われます。

 

ホルモン投与によってこの体質変化を引き起こすには、これに関わる全てのホルモンをどのタイミングで使うか?ということを調べ上げる必要がありますが、今はまだ科学がその段階に達していないと考えられます。

 

おそらく身トレで発生する負荷が、この制御を変化させるためのパスワードだったのだろうと思います。これも骨を太くする鍛錬を編み出した流祖に脱帽する以外にありません。

 

大人の足を長くする! 身長を高くするトレーニング

骨を太くする骨鍛錬を、骨を伸ばす効果へと改良した

「身長を高くするトレーニング(=身トレ)」
成長が止まった大人の骨を伸ばし、背を高くすることが可能です
最高齢の成長確認は50代。大人が成長できる時代の到来です


お客様の成長記録 人工物の利用について

2016-11-26 00:52:11 | 身長

大人の背を伸ばす! 身長を高くするトレーニング

 

HPにてお客様の成長記録を更新しましたが、トレーニングで人工物をご利用と書きましたので、いくつか質問をいただいております。

簡単に一問一答形式で、こちらでも回答させていただきます。

 

Q人工物の利用もOKになったのですか?

A現在でも人工物の利用はお勧めできませんし、サポートの対象外とさせていただいております。

 

Qなぜ人工物利用だとサポート対象外になるのですか?

Aお客様がご利用になる人工物の特性の全てを把握することができません。それをするには私自身が全く同じものを設置する必要があります。

 

Q人工物の特性とは何ですか?

A強度、硬度、弾力性、設置強度、密度、比重などで、これが千差万別で把握しきれません。自然物はこれらが一定の範囲に収まります。

 

Q特性の違いがどの様に影響しますか?

A対象物の特性が変化すると負荷が変化します。単純化して筋力トレーニングで考えると分かり易いと思います。指定方法で運動しても、バーベルの重量が違っていれば結果が変わってしまいます。

 

Q特性の違いに合わせ運動を変えれば良いのでは?

A成長を可能とする負荷は限られた条件でのみ発生するため、変化要素が「環境+運動能力」の二重になってしまうと、コントロールができません。固定可能な環境の方を固定し、個人差がある運動能力をコントロールするという方法でなければ、必要負荷の実現が困難です。

 

大人でも背が伸びる! 身長を高くするトレーニング

骨を太くする「骨鍛錬」を骨を伸ばす鍛錬へと改良した「身長を高くするトレーニング =身トレ」は、骨端線が閉鎖した大人の骨を成長させるトレーニングです。


成長ホルモンで大人の背が伸びるのか その1

2016-11-18 07:04:45 | 武道

「身長を高くするトレーニング」は、通常の健康状態であればどなたでも成長可能で、サプリメントや食事、睡眠時間などの影響も受けませんし、飲酒、喫煙者でも成長可能です。

 

成長の根本的な原理が異なるため、従来からある身長を伸ばす方法については詳しくなく専門外なのですが、ご質問いただいたことには正確に回答するため可能な範囲で情報を集め回答させていただいております。


しかしながら、成長ホルモンに限らずホルモンの働きは未だ不明なこと多く非常に複雑です。投与方法によって、そのホルモンの持つ機能とは逆の効果が発現する場合もあり、研究者でもなければ回答できない問題ばかりですので、今回は回答可能なことを一問一答形式で記していきます。


Q 大人に成長ホルモンを投与すれば成長するのですか?

A 骨端線が閉鎖した後に成長ホルモンを投与しても成長効果は得られません。大人の骨は「骨のかたちを変えない骨細胞の入れ替え」を行っていますが、成長ホルモンの分泌量が変化してもこれを変えることができないためです。


Q 身トレをすると大人でも成長ホルモンが出るのですか?

A 成長ホルモンは、思春期に多く分泌され、20代でその1/2程度、40代で1/4程度に減少していきますが、生涯分泌されています。
また、身トレの運動量では成長ホルモンの分泌促進にはなりません。身トレの成長は自然成長とは異なる原理です。

 

Q ジャンプや縄跳びをすると成長ホルモン分泌が増えると聞いたのですが

A 運動による成長ホルモンの分泌促進は、「血中の乳酸濃度の上昇による」とするのが一般的だと思います。そのため、ジャンプや縄跳び以外でも高強度の運動によって成長ホルモンの分泌が可能です。


Q 身トレと成長ホルモン促進のサプリを併用すると効果があがりますか?

A 成長ホルモンは細胞分裂を活発化させる要因になりますので、影響する可能性はありますが、身トレには特別な栄養供給は必要なく通常の健康が保てる食事で十分な効果が得られます。

 

Q 夜勤のため成長ホルモンが出る時間に眠れません。それでも身トレで成長しますか?

A ネットでは「成長ホルモンの分泌ピークはX:00~」という記述が多いのですが、それに関わる論文は発見できませんでした。
一方、日本睡眠学会の論文では、「成長ホルモンを放出させる脳ホルモンは特定の睡眠物質と同時に分泌され、ともに睡眠を促進する。その時間帯は熟睡期と同調している。」とありましたので、正しくは時間でピークが来るのではなく、熟睡期が分泌ピークであると考えられます。

 

小学生が20~21時には就寝するので、分泌グラフが夜中にピークとなるものが多く、これを見て生まれた誤解であると思います。

 

また身トレは健康が保たれていれば、睡眠時間の長短・開始時間の影響は受けません。筆者の睡眠時間は4時間ほどであり、開始も20:00~明け方までバラバラです。(意図的に好条件にならないようにしています)

 

以上のようなご質問をいただきます。多くの方が「背が伸びる」というと成長ホルモンを連想されるのだと思います。

 

ところが、大人であっても成長ホルモンを分泌させるのは困難ではなく、乳酸の血中濃度を上昇させれば分泌が促進されます。ランニングであれば60分間走がそれに適した運動で、これによって分泌が200倍程に増加します。

 

ランニング60分はジョギングが日課の方には通常程度の運動だと思います。これで成長が始まるのであれば、多くの事例が確認されるはずですから、大人に成長ホルモンを投与しても背を伸ばす効果は無いことがわかります。


 

足を長くする方法! 身長を高くするトレーニング

 


背が伸びるスポーツは何か? その6

2016-11-16 18:03:28 | 武道

骨端線が閉鎖した大人が成長できる! 身長を高くするトレーニング

 

女性の踵骨が成長するのは、「骨端線閉鎖・骨強度・マクロモデリングの終了」この三つが交差する時期に原因があるのではないか?と指摘したのが前回です。

骨端線閉鎖

男性は17歳、女性は15歳程度で骨端線が閉鎖し成長が停止するとされています。

骨密度の成長期

骨密度は14歳頃まで男女ともに差がなく上昇していきますが、15歳では女子の上昇が減速して差が開き、男子は18歳頃に上昇が緩やかになります。これがいわば「骨密度の成長期」と言えるでしょう。女性は最大となる時期でも、男子15歳より低い骨密度になります。

 

マクロモデリング

そしてマクロモデリングの終了時期、これは明らかになっていません。
しかし、モデリングが起きれば骨量が増加しますので、骨密度上昇が緩やかになる時期から何等かの転換期が訪れ、ピークに達する20代(諸説あり)までかけゆっくりと終了すると思われます。すなわち、男子18歳頃、女子14歳頃から緩やかに終了すると考えられます。


①男子 骨端線閉鎖17歳、骨密度18歳まで上昇、成長期終了後もモデリングが続く。
②女子 骨端線閉鎖15歳、骨密度14歳まで上昇、成長期終了前にモデリングが低下。

 

この三つの動きからまず最初に考えられる可能性は、女子の骨端線閉鎖が15歳ではなく14歳ではないかということです。

骨端線閉鎖とは身長測定の統計から推定されている数値で、骨端線を直接確認しているデータではありません。
したがって、実際には骨端線閉鎖しても踵骨が成長している場合、統計データでは骨端線閉鎖が1年遅れて見えている可能性があります。つまり、


①女性は14歳で骨端線閉鎖閉鎖しても
②中学2年生なので体重の増加が続き運動負荷は高くなる。
④緩やかなモデリングも続いているので、
⑤負荷の最も集中する踵骨が発達する。

 

という、言わば「自然な身トレ状態」が起きている可能性です。一方で男子は、骨端性閉鎖とされる17歳以降、さらに骨密度上昇が続くので、女子の様な特殊状況がありません。


次は、もっと複雑な構造を持っている可能性についてです。

男子で骨端線閉鎖後に活発なモデリングが起きるのは、骨の太さ方向への成長で必要な強度を養うためと思われます。つまり、長さと太さの成長を同時に終了せず、長さが決まってから太さが決定されるということです。骨端線があるうちは筋肥大も制限されるので、強い筋力を持ってから骨の太さが決まるという仕組みは理にかなっています。

実際、オリンピック女子では14歳の金メダリストが時々誕生してきたのに対し、男子ではほとんど例が無いことからも、女子では骨強度が早い時期に決まる一方で、男子では成人するまで骨強度が完成せず、それがパフォーマンスに反映されていると推測されます。(現在は出場年齢下限が設定されており14歳は出場できません)

①男子 骨の長さが決定してから、骨の太さが決まる。運動能力に見合った骨強度を持つ

②女子 骨の長さが決定する前に、骨の太さが決まる。運動能力に対し骨強度が不足する

この違いは男子vs女子という構図ではなく、各々の10代vs20代の運動能力と考えると分かり易いと思います。

男子では年齢に沿ったパフォーマンスを示しますが、女子では、成長期終了前に強度向上が限定的になるので、14歳で最高のパフォーマンスを示す選手が現れ、その後成長があると骨強度の不足が足枷となってパフォーマンスが低下するという考え方です。勿論女子では初経時期の問題もありますから、骨強度だけでこれを主張するものではありません。

この場合でもやはり、14歳頃の骨密度上昇の頭打ちが原因で骨強度が不足し、大きな負荷に晒される踵骨が肥大すると考えられます。

 以前にも指摘しましたが女性では出産後の授乳期にも同様の現象が起きている可能性があり、これが高齢者で男女の内果端高が逆転する原因であると思われます。

しかし、なぜ強度不足を作る仕組みになっているのか?

そこは難問ですが、この仕組みのおかげで、身トレでは女性が男性より少ない運動で成長できるという利点が生まれます。体力差という視点で見ると男女平等になっているのかもしれません。

 

さて、これまで成長期に見られる「骨への負荷」の各場面で、成長と運動の関係性を考えてきましたが一つ注意すべきことを述べておきます。

当ブログでは、「骨への負荷が大きいほど伸びる」という場面に焦点を当ててきましたが、科学・生理学的にどうなのか?と言えば、二つの実験結果があります。成長期の皆さんにも分かり易いように簡単に書きますので覚えておいてください。

①マウスを尻尾でぶら下げたまま飼育→足が成長しない→負荷が少ないと成長しない。

②マウスを強制的に走らせて飼育→足の成長が止まる→負荷が多すぎると成長しない。

このような実験結果がでています。

結局は骨を成長させるためには、「適度な運動」が必要という結論なのですが、その「適度」がまだ正確に分かっていません。特に骨強度が不十分である成長期に無茶をすると、すぐに負荷過剰となり②の状態に陥る可能性があります。くれぐれも、この点には注意してください。

 

大人の成長が可能になった! 身長を高くするトレーニング