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腸内細菌:人では800種類が未知の細菌=東京大学

2007年10月18日 | 生きもの色々
 1000種類に上るとされる健康な人の腸内細菌は8割が未知で、同じ食事をとることが多い家族同士でも細菌集団に大きな違いがあることが、東京大や宮崎大の共同研究で分かった。乳幼児から成人まで日本人13人の腸内細菌の遺伝子を解析し、18日発表した。今後、炎症性腸疾患や大腸がん患者などの腸内細菌と比較することで、予防や診断に役立てる。

 腸内細菌としては大腸菌やビフィズス菌などが知られているが、全体像やその役割はほとんど知られていなかった。

 服部正平・東京大教授(ゲノム科学)らは、生後3カ月から45歳までの健康な13人(乳児4人、幼児2人、成人7人)の大便に含まれる腸内細菌の遺伝子計66万個を解析し、その機能や個人差などを調べた。

 その結果、細菌の8割は未知のものだと推定された。乳児の細菌の遺伝子では、母乳に含まれる糖類やビタミンなどを取り込む遺伝子が増えていたが、離乳した幼児や成人はDNAを修復したり殺菌性物質に抵抗する遺伝子が増えていた。

 DNA修復に関する遺伝子の多さは、食品に含まれる有害性物質が予想以上に存在しているためだと考えられるという。

 生まれたばかりの乳児の腸は無菌だが、母乳を飲み始めると細菌群が生じる。細菌が親から子どもへ伝わる可能性も指摘されていたが、親子や夫婦間で細菌群は似ておらず、それぞれ独自の集団が形成されていた。

 服部教授は「家族間で腸内細菌に大きな違いがあったのは予想外だった。これだけ詳細な腸内細菌の調査は初めてで、食と病気との関係解明などにつなげたい」と話している。【足立旬子】

[毎日新聞 / 2007年10月18日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20071019k0000m040057000c.html


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