残像の遊戯

俳句・音楽・映画・ジャズ・小説などをめぐるコラム。日々過ぎていく目のまえの風景と心象は儚い残像なのかもしれない。

適度な温度、適度な親しみ。~いい床屋さん

2017年03月17日 | 日記
知り合いに、生まれてこのかた、ずぅっと同じ床屋さんに通っている人がいる。
たぶん、半世紀を超えるにちがいない。
子どもの頃、親に連れて行かれた床屋さんに、60に近くなった今も通うという方は
そうはいないように思う。

かく言うわたくしといえば、一つところに長く通ったことはないタイプ。
2~3年通ったかと思えば、別のところに行きたくなるほうだ。

そこがイヤになる理由は、床屋さんが妙になれなれしく話しかけてきたり、
プライベートなことを聞きたがるからである。
逆に、けっこう通っているのに全然対応が変わらないというのも、また合わなくなる要因でもある。
少しは、気をつかって、もう少し丁寧に扱ってくれてもいいのに、と思ったりする。

要するに、
適度な温度、適度な親しみ、適度な語らいがあればな、と思う。

いまは、2年目になる床屋さんに月一回通っている。
その前は、1000円カットの店に4,5年通って節約していたのだが、
職人さんがしょっちゅう入れ替わり、毎回ちがう人にあたり、
カットの仕方にムラがあるのでやめてしまった。

そろそろ散髪していいころかな、と思い、たまたま通りかかったある理容店に飛び込んだ。
ここの店主が、まあ上手で丁寧で、おどろいた。
何回か通ううちに、東京で17年理容師をしていたことを聞いた。

店は古く、いつ行っても空いているので待ったためしはない。
しかし腕は一流、とみた。
少しおしゃべりすぎるかと思う瞬間もあるが、
いまのところ、適度な温度、適度な親しみは保たれている。
仕上がりがよく、2、3週間たっても髪のバランスがくずれないところがありがたい。

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