またたびエッセイ集

ふと心に刺さった棘のようなもの。
それをきちんとしたコトバにしてみたい。

恋、なんて。

2006年10月11日 12時48分57秒 | 裏切り

矛盾だらけの自分のこころに疲れています。

 

憎んだり 愛したり

冷淡になったり 石になったり

涙のかたまりになったり

 

ただ ひとつだけ

ほんのりとあたたか にだけは なれなくなりました。

一番 なりたい心。

 


嫉妬? いいえ そんな単純な感情とは違う。

憎しみ? それは ずっと心にある。

軽蔑?  軽蔑すべき悪しき品性の片鱗を知ったのは ずっとずっと最初のころ。

   だけど それが100%ではないのだから 別に、いい。
      だいたい、この私だって 軽蔑すべき卑しき人間のひとりだ。

 

 

 

では・・・・さみしさ?

さみしさ、なのだろうか?

わからない。

寂寥感?・・・・そうかも。

暖かな夏の海の水の中に ふわふわ漂っていても

ときたま 冷たい水のかたまりが 通り過ぎて ぞくっと鳥肌をたたせる

 

 

恐怖?・・・・・・・・・たぶん きっと そんなのも混ざってる

 

 

泣けない。泣く場所がない。

泣いて泣いて 吐き出してしまわないと

石臼のように海のそこに沈んで浮かんで来れなくなるかもしれない。

だけど 

彼の横で泣いてはいけない。

 

 

 

だって人は 自分を責められるのは大嫌いでしょ?

自分を責める人を憎むじゃない。

しかも 彼は 自分でも自分を責めない人間だ。

ましてや 自分以外から責められたって

逆切れするか 責める相手を憎むだけなのだろう。

責めているつもりでなくても 

彼の行為で傷ついた涙を見せられるというのは

きっと彼には そういうことになってしまうんだろう。

そういう人なのだから。

 

 

 

出合ったころ 彼が示したものは「情熱」であって「愛情」ではない

そんな単純な真理を 理解できなかったのは

その激しい自他の情熱のなかで 完全に自分を見失っていたからだろう。

そして きっと 彼が私をなじるように

私は彼を愛してなんかいないの?

もう自分で自分のこころがわからない。

私は彼を愛してないのか?

彼がいうのが正しいの?

 

自分の中の識者がクールにささやく。

「それは利己的な彼の言い訳にすぎない」

うなずきたい。だけど 自信がない。

いったい 相手を愛している、と 絶対の自信をもっていえるときって

どんなときなのだろうか?

 

 


恋は自分をなくすから

あんまり 激しく恋してしまうと

人は幸せにはなれないのではないかしら

恋は 人を幸せになどしないのではないかしら?

 


すくなくとも 私の人生はそうだ。

 


私は 「記号」 ではない。

2006年10月04日 18時07分43秒 | 裏切り

女からは「奥様」という記号。
彼からは「女房」という記号。

そして、どちらからも疎外されているという感覚。

 

・・・・・ずっと考えていた自分の心の反応の奥底を
言語化してみようとする試み。
一部しか言語化されていないのかもしれないけれど。


やりきれなさの根源にあるのは 「疎外感」 だったのだろうか?

 

「記号」だから 生々しい感情を引き起こさない。

「記号」は、彼らの中の私は血肉を持たない情報でしかないというわけだ。

 


だけど。

 

他者の存在「記号」としてしか受け取れない人間は

やはり 想像力が欠如してないか?

 


 

遠いよその国で繰り広げられる戦争も  「記号」

誰かの不幸も  「記号」

うっかりしたら 人間の頭の中など、記号だらけになる。

 


 

人の痛みを自分のものとして どれだけナマで感じることができるか。

それが人としての想像力だ。






私 は 記号 ではない。

私 は 血肉を持った 心を持った女だ。

私 は とても生々しい存在だ。




記号化されることは 殺されることと同義だ。

あなたは私を殺したのだ。

あなたは殺人犯と同じなのだ。

あなたがたは。

 



 

見なさい。

この塞がらない傷口を。

これはあなたが刺した傷口なのだということを。